テストデータという用語について

ソフトウェアテストの文脈において、テストデータという用語は日常的に使われます。でも、意外と使う人によって意味が違ったりするので要注意かな、と思っています。

DBの実体のようなものをテストデータと呼ぶケースが一番多いかもしれませんが、具体的な水準をテストデータと呼ぶこともあるようです。

ISTQB glossary↓では

Data created or selected to satisfy the execution preconditions and inputs to execute one or more test cases

と書かれています。

テストケースを実現するためのデータのこと、ということですね。この定義からわかることは、テストデータはテストケースの事前条件と入力を満足するために、複数種類取りうる可能性があるということ。例えば「7分の長さのmp3音源」というファイルが必要な場合、実体としてはワンオクの音源でも欅坂の音源であってもなんでもいいですよね。要件を満たしてさえいれば。

テストプロセスの観点から言うと、テストデータはテスト実装の成果物だといえそうです。

ただ、テストケースの事前条件と入力を満足するデータが一つしかない場合は、水準(Value)とテストデータが一致する、ということもありそうです。例えば、電卓のテストで最小の素数と2番目に小さい素数の掛け算、というテストケースがあった場合、具体的な水準は2と3になりますが、テストデータもそれと一致します。

というわけで、僕自身は、テストデータを以下のように定義して理解しようと思います。

テストデータはテストケースの要件を満たすデータの実体で、テスト実装の成果物である。テストデータは複数種類取りうることがある

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