NHTSAが作った自動運転関連の規格

これの話です。

NHTSAとは、National Highway Traffic Safety Administrationです。U.S. Department of Transportationの一部ということなので、国交省の下部組織、みたいなものでしょうか。

文書名はDOT HS 812 623です。

タイトルはA Framework for Automated Driving System Testable Cases and Scenariosなので、自動運転のテストのフレームワークの話です。フレームワークといってもユニットテストフレームワーク的な文脈でのフレームワークではなく、考え方の枠組み、というところでしょうか。

フォーカスしているのは昨日のPEGASUSと同じ、L3/L4です。
https://note.mu/suhahide/n/n3d30175c4fa6

特徴的な考え方は、Tactical Maneuver/ODD/OEDRです。

Tactical maneuver

>The tactical maneuver behaviors describe the functionality that test cases will need to evaluate

とあるとおりですが、簡単に言うと、やりたいこと、です。

例:Perform lane change/low-speed merge


ODD

Operational Design Domainの略です。

>An ODD describes the specific operating domains in which an ADS feature is designed to function with respect to roadway types, speed range, lighting conditions (day and/or night), weather conditions, and other operations constraints.

自動運転においての環境を指すものです。例も入っていますね。Top levelの分類としては、

インフラ、操作制約、物体、コネクティビティ、環境条件、ゾーン

が挙がっています。それぞれ、例としては

道路種別、速度制限、サイネージ、渋滞情報、天気、スクールゾーン

などが挙げられています。


OEDR

Object and event detection and responseの略です。

>OEDR refers to “the subtasks of the DDT that include monitoring the driving environment (detecting, recognizing, and classifying objects and events and preparing to respond as needed) and executing an appropriate response to such objects and events

状況を見て、適切な操作をすること、ですね。例としては、渋滞での前の車への追尾というTactical maneuverにおいて、前の車が減速した、とか、車線変更した、とかが該当します。


これらのTactical maneuver・ODD・OEDRを使って、テストシナリオ(のcore aspect)を書きましょう、というのがこの規格が言っていることです。実際のテストシナリオにするためにはもう少し具体化しないといけないので、そこについてはまた書きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?