「事例とともに紹介するプロセスアセスメントの有効活用」参加レポ1

こちら参加してきました。内容そのままの紹介はやめて、興味深かったポイントを書いてみます。ちなみに番号で書いてあるものはたいてい「ISO」です。


A-SPICEの歴史

A-SPICEに限らず、SPICEがどんな流れでできてきたかという話が興味深かったです。まずは12207や15228のライフサイクルプロセスができてきた。前者がソフトウェア、後者がシステム。これをリファレンスモデルとして、アセスメントをしようと考えたのが、15504。15504はもともとTRだったが、ISに格上げされた。A-SPICEは15504がTRだったときから活用を開始している。15504は現在33kシリーズ(33000台)に置き換わっている。A-SPICE3.1も現状33k対応となっている。

15504/33kはドメイン適用を推奨しているらしく、A-SPICEはその代表ですが、Enterprise、Medi、FinanceなどもろもろのSPICEが出ているということです。A-SPICEはドイツの自動車工業会であるVDAの品質管理部会であるQMCがだしているということです。NPO法人がやっているんですね。VDAは日本でいうと自工会、でしょうか。


12207が最近15528に寄ってきた

12207と15528はともにJTC1/SC7/WG7で扱われている規格です。12207はソフトウェアライフサイクルプロセス、15528はシステムライフサイクルプロセス、です。A-SPICEでソフトウェアエンジニアリングプロセスが詳細に(SWE1~6)書かれていますが、実はリファレンスモデルの元である12207からその詳細プロセスが消えようとしているようです。それは、ソフトウェアのライフサイクルプロセスとシステムのライフサイクルプロセスはほぼ同じものなのではないかという議論が大きくなってきて、システム側に寄せた結果詳細プロセスが消えた、ということらしいです。

A-SPICEになじみがある僕としては、あれが消えてしまうとそもそもリファレンス/アセスメントモデルとして価値が下がってしまうような気がしています。そんなこともあり(?)12207のPart2としてソフトウェアライフサイクルプロセスの詳細が定義されようとしている、というのが今の動きらしいです。


A-SPICEは能力評価に振りすぎ

SPICEはSoftware Process Improvement and Capability dEterminationの略です。プロセス改善と、能力評価です。A-SPICEはその二つのうち、後者に振りすぎという話がありました。僕自身もそうとらえていました。まぁ使われ方がOEMのサプライヤ監視、なので、そうなりますよね。(サプライヤ監視に使われているからこそ、SPICEの中でも広く使われている分野になったとも言えますが)

ただ、本来は能力評価をして強み弱み、改善点を導き出して改善につなげることが目的とのことです。僕自身も、せっかくやるのだから実施者自身が嬉しさを感じる活動としたいですよね。

もし自分がやる場合は、そちらにできる限り振って、進めたいと思います。


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