属性付きゴール指向要求分析法AGORAとは
先日ソフトウェアシンポジウム2020に参加して、そこでAGORAという要求分析の手法を聞いたので、ちょっと調べてみました。
AGORAとは
属性付きゴール指向要求分析法が日本語表現で、Attributed Goal-Oriented Requirements Analysis methodからきているとのこと。
元論文は↓のようですね。東工大のチームが開発している手法でしょうか。
ゴール指向要求分析法にステークホルダごとの満足度を記録する機能を追加した
なるほど、ゴール指向要求分析法はもともとあり、それに対して属性(ステークホルダごとの満足度)を追加したということのようですね。SSの発表では満足度行列というのが強調されていたのでそれが大事ポイントかもしれないですね。
ゴール指向要求分析法とは
ゴール指向要求分析法は,ステークホルダの持つ抽象的なニーズや目標を表すゴールを用いて,それらを達成するためのサブゴールへと詳細化していくことによって,システムの要求を明らかにする手法である
Attributedがつかないと、こんな感じみたいですね。まぁGoal-Orientedと呼ばれるものはたいていこんな感じですね。こんなこと言ったら怒られるかもしれませんが。
満足度行列とは
各ステークホルダがそれぞれに,各ゴールに対する満足度を満足度行列に記入する
満足度は,各ステークホルダが自分自身の満足度を評価するだけでなく,他のステークホルダの満足度も評価するため,行列で表現する
ゴールというのは要求のようなものですかね。対立する要求があったときに、それぞれの要求に対して自分の立場から見た、「すべての」ステークホルダの満足度を記入するみたいです。
すべてのステークホルダというのが特徴的ですね。他の人から見た満足度の認識を書くことで、認識の対立を明らかにするという意図でしょうか。
満足度行列の使いみち
ステークホルダのギャップの検出
認識の違いの検出に使われる、がメインのようですね。要求の解釈の違いと評価の違いがギャップの原因として挙げられています。前者はそもそも何をするかがちゃんと伝わっていない、後者は他の人に対する理解が進んでいないケースだと思われます。
思ったこと
要求の対立って実業務でも頻繁にあって、点数化して相互に戦わせるんですよね。そのときは何か評価ポイントを設定して点数をつけるんですが、その時にステークホルダごとの評価を付けてみても面白いなと思いました。使う前に元論文読まなきゃ、とは思いますが、、