ISO/IEC/IEEEの用語集を眺める日2
こちらの続編です。
これ含めて、テスト観点について何個か書いているので、viewpointまわりの用語を眺めてみます。
<architecture> conventions for the construction, interpretation and use of architecture views to address specific concerns about the architecture entity
こちらISO/IEC/IEEE 42020から。conventionの理解がちょっと微妙ですが、おそらく「慣習」的な何かでしょう。アーキテクチャのビューを作るための視点で、特定のconcern(s)を表現することを目指す感じですね。
類似用語でaspectも調べてみます。ところが、aspectは単独では用語として定義されていません。(正確には一部の標準内では定義されているのですが、viewpointとは別の文脈で使われている)
ところどころ説明で使われていて、興味深いものがあったので引用します。
model: representation of something that suppresses certain aspects of the modeled subject
IEEE1320.2からです。モデルは対象物の特定のaspectを抑えるものであると。suppressが「抑える」でよいのかは疑問が残りますが。
viewに関しても言及しておくと、こんな感じです。
<architecture> information item expressing the architecture from the perspective of specific stakeholders regarding specific aspects of the architecture entity and its environment
Note: A view can cover the entire area being modeled or only a part of that area.
viewpointと同じISO/IEC/IEEE 42020より。perspectiveという言葉を使うのですね。viewpointではなく。perspectiveをviewpointに変えても意味が通りそうですが、viewの説明をするのにviewpointという用語をつかうべきではない、といったところでしょうか。またNoteが興味深く、viewは一つのモデルの全体像でもありうるし、その一部でもある、ということです。つまり、viewはモデルと一致するわけではないですよということですかね。逆に複数のモデルが1つのviewに統合されるということはないんでしょうかね。
さて、これらを頑張って日本語にしてみようと思います。
対象はview/viewpoint/aspectです。
ある程度自分で固まっているのは、view: 一面です。どうしてもviewはある角度から見た対象物の像という気がしているので、一面、がしっくりきます。面が複数あることもわかりますし。
次はaspectです。そろそろ観点や視点、着眼点という言葉を使うときですね。
ここら辺を見ていると、観点は純粋にどちらから見るか、という意味で、視点は実際に見ている一点を示すことがあるようです。aspectは実際に見ている一点を示すものだと思うので、「観点」は違うと思われます。実際に見ている一点の意味をより際立たせるためには、aspect: 着眼点、とするのが良い気がしています。
viewpointはこれまでの流れからすると「観点」になりそうです。
ただ、viewは面なのに対し、aspectはさらに細かい点です。同じ角度から見ても、面で見るのか点で見るのかの違いであるような気がしています。では、その見る角度のこと(viewpoint)を観点と呼んでいいんでしょうか。なんか違和感ありますよね。となるとviewpointって「視座」みたいな言葉の方が適切な気がしてきました。
なんかすっきりしないですね。日本語訳って難しい。