努力してきたものを捨てられるかで運命が決まる。

『サンクコストの誤謬』という現象をご存知だろうか?

『サンクコスト』とは、既に投じてしまっていて回収することのできない費用、時間などのことを指す。

よく使われる例としては、例えば新しい店舗を出したとして、その店舗を作るのにかかった工事や建物を建てるのに使った費用などを指す。

もちろん、売上を上げていけばトータルで収支がプラスになることはあるだろうが、数値上この最初に投じた工事費用などを踏み倒すことはできない。こういったコストのことを『サンクコスト』という。

そしてこの『サンクコストの誤謬』とは、簡単に言うと『既にここまでやっているのだからもったいない』といった現象のことだ。

新規事業に手を出して、結果あまり上手くいっておらず、そろそろ引き際なんじゃないかという時でも、『サンクコスト』がもったいなくて、ずるずると続けてしまう。そしてこういう時はえてして、さらに悪い結果になってしまう事が多い。

これは会社単位のビジネスだけでなく、個人のレベルでも当てはまる。

例えば、学生時代野球が好きで、将来も野球に関わる仕事がしたいと思っている場合。

もちろん、野球に関わる仕事がダメだという訳ではない。しかし、自分が好きで野球を続けてきたのだから、それを『活かそう』と考えてしまうと、過去の努力、成果に引っ張られて視野が狭くなってしまいかねない。

本来であれば、仕事や職種は多数あってより自分に合った仕事があるかもしれないのに、『野球』にとらわれて仕事を絞って探してしまうと、自分の可能性を縮めてしまいかねないのだ。

他にも、ある程度続けてした仕事を、『もう限界』と思いつつも続けてしまう場合。早めに辞める決断をしていれば、第二新卒として新たな道がひらけたかもしれなかったのに、その可能性がつぶれてしまうパターンなどだ。

もちろん、未来は誰にも分からないし、決断が正しかったかどうかは、決断した後にしか分からない。

しかし、何か自分が続けるか辞めるか迷っている時は、この『サンクコストの誤謬』に自分が当てはまっていないか、一度考えてみると良いだろう。

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