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ミャンマークーデターから4年 雑感

2021年2月1日、ミャンマーでクーデターが起き、民主的に樹立された政権が倒れ、軍事独裁政権となった。
それから民主派と国軍の戦闘が続き、4年目になる。

太古より人がおり、紀元前2世紀頃から都市国家ができ始めた。
11世紀頃、現在のミャンマー一帯を統一する王朝が現れる。
東南アジアの大国であったが、モンゴルの侵攻により弱体化し、以後、いくつかの王朝が興亡を繰り返すようになった。

19世紀になり、イギリスが進出してきた。
イギリスとの戦争に敗れ、1885年、ミャンマー全域がイギリスの植民地となる。
第二次世界大戦後の1948年、ビルマ連邦として独立。
しかし安定せず、混乱を経て、軍事独裁政権となった。
2010年、民主化し、軍事独裁体制は終わったが、2021年、クーデターにより再び軍事独裁体制に戻り、現在、民主派と戦闘中。

コンゴに続いてミャンマーについても私は詳しいわけではない。
だが解説も少ないので簡単にまとめてみた。

ちなみに人口は5000万人ほど、経済規模は800億ドルぐらい。
面積は日本の1.8倍ほど。
民族はビルマ族が70%、その他少数民族が多数ある。
公用語はミャンマー語だが、部族の言葉などが100以上ある。
宗教は仏教が90%。

ミャンマーは民主化可能だと思うが、利権などが壊れて嫌だという勢力が民主化を拒絶したということだろう。

情勢は国軍劣勢。
だが、隣国の中国は国軍側に倒れてほしくない。
理由は民主化の自国への波及が嫌、混乱の波及が嫌、そしてベンガル湾から中国へつながるパイプラインがあるので、それを守りたい。
ミャンマーは中国にとって隣国であり、石油の供給路としても重要なので、付き合いやすい独裁政権のほうが良いのである。
ちなみにロシアも国軍に肩入れしている。

国軍劣勢ではあるのだが、ロシアは余裕がないとしても中国が独裁体制を支援している。
中国は国軍に倒れられると困る。
かといって軍事介入まではしたくない。
消耗するのも嫌だし、民主派からは恨みを買う。
民主派には各地に点在する部族勢力もおり、たとえ民主派を抑えることができても、これまでの歴史を考えると、また反乱が起こるだろう。

これからどうなるかはわからない。
独裁体制が続くとすると、西側諸国との関係は悪化しているので、中露の側に寄らざるを得ない。
隣国は中国の他にインド、バングラデシュ、タイ、ラオス。
バングラデシュは少し前に政変があった。タイは2014年のクーデター以来、軍事政権。ラオスは一党制でもともと民主体制ではない。
インドは世界大国となる潜在力を持っているが、まだ不安定な地域もある。

日本として、石油の供給路である中東、インド、ミャンマーからフィリピンまでのASEAN諸国、台湾までは友好国にしておきたいし、混乱されるとちょっと困る。
ミャンマーで独裁体制が続くとしても、突然困ることはないのだが、「うーん」というところ。
中国に寄らざるを得ないだろう。

逆に民主化したとして、安定すれば良い関係を築きやすいが、安定せず混乱すると、タイやバングラデシュに影響する可能性もあり、それも「うーん」となる。
ただ、コンゴとは違い、もともと教育水準は低くなく、宗教も仏教が多いので、民主化しようと思えばできるだろう。

ミャンマーはもともと識字率が高く、人材も良さげなので、こんなことがなければ伸びる国なのだが、難しいのう。
西側諸国としては民主派を支援したいところのはずだが、目立った動きがない。
ウクライナに中東もあるのでそれどころではないのかな?
私は日本単独での介入はしないほうが良いと思う。
民主派を支援するなら中国をどうにかしないといけないが、無理だろう。

東南アジアはシーレーンであり、日本にとって大事な地域である。
情勢だけは見ておきたい。

世界を見ようシリーズでした。

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