失恋の話
先日、失恋しました。
考えてみると、お付き合いをしていた人から
別れを告げられることははじめてでした。
振られるって、こんなにも辛いことなのですね。
はじめて、道端でまあまあな大きさの声を
上げながら泣きました。
不審がる通行人の
好奇に満ち溢れた眼差しを
ひたひたと感じながらも、
' もう二度と 'この人と会うことはないのだと思うと
そんなことは心底どうでもよく、
ただただ涙が止まりませんでした。
' もう二度と '
という言葉には
恐ろしい程に絶望感を与え、
一瞬にして心を真っ暗にしてしまう力があるのだと、
はじめて知りました。
そしてもしかしたら、
必要以上に悲しみを
倍増させてしまう言葉なのかもしれないと。
最後の別れを交わすとき
勿論私の心はそれはそれは苦しく、
ずっと長い悪夢を見ているような
感覚だったのですが、
それよりも何よりも、
その時の私は
『 何も分からない 』
という一種の呪縛のようなものを
一番に強く感じていた気がします。
何が分からないのかも、
もしかしたら分からないことなんて
無いのかもしれないことも、
とにかく何もかもが、
全て分かりませんでした。
そんな調子ですから、
『 もう行くね 』
と言って歩き出した最後の後ろ姿を、
きっと私は当分の間
忘れることができないのだと思います。
けれども今はそれで良いのだと思いながら、
意外にも淡々と、無理をすることなく
息ができています。
失恋の感情を書き留めるなんて
後から見たら何とも恥ずかしい気持ちに
なるのだろうと思いながらも
こうしてつらつらと綴っている訳でありますが、
愛とは本当に、難しいものですね。
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