私たちの「食」を支える【すごい会社】
1.池田糖化工業(株)(広島県福山市)
2020/09/09(水)には、カラメルや天然着色料、加工調味料などの生産、販売を手がける池田糖化工業(株)(広島県福山市)を紹介しました。
主力商品の1つが「カラメル色素」。黒に近い茶色をしており、着色のためにカレールーや焼き肉のタレなどに使われます。味の深みやコクにもつながるとのことです。ヨーグルト向けのフルーツソースも手がけています。原料のフルーツを加工し、収穫の時期や産地によって異なる甘さを調整して出荷するのですが、乳業メーカーがヨーグルトと混ぜて販売しています。
原料を仕入れ、粉末や液体など扱いやすい状態にして食品メーカーに販売しています。商品は約8000種類にも及び、取引先は約1200社。国内のほとんどの食品メーカーに素材を販売しています。池田直之社長によれば「日本の大人で弊社の商品を口にしたことがない方はごく少数」とのこと、(失礼ながら)一般的な知名度は低いですが、食品業界で代わりのきかない存在です。
2.食品業界をさまざまな方向から支える【すごい会社】
食品業界は、食品の原材料を生産する農業や水産業から始まって、加工食品を生産する食品製造業、食品小売業に至るメインストリームの他に、これら諸産業の活動を支えるさまざまな企業群の存在を見逃すことはできません。
これまでご紹介した【すごい会社】のなかですと、食品の製造機械の分野で、特色を持った企業をたくさん紹介してきました。例えば、カニかま製造機では世界シェア首位の(株)ヤナギヤ(2014/01/17)、牛乳や酒などを紙パックに注入する飲料充填機で国内シェア7割の四国化工機(株)(2014/09/10)、自動どら焼き機で国内シェア9割の(株)マスダック(2015/09/23)のような、世界あるいは国内トップシェアの企業がたくさんあります。
また、冷凍技術の開発、製氷機や氷の販売を手掛けるブランテックインターナショナル(株)(2019/07/04)が魚介類を急速冷凍できる食塩水氷「ハイブリッドアイス」を開発した事例や、内部の湿気を吸収し商品の品質を維持する業務用包装袋の新商品の販売を始めた丸東産業(株)(2018/10/19)の事例のように、食品の保存にかかわる様々な商品や技術を提供する企業も紹介してきました。
私たちが安心して日々の食事をとることができる背景には、以上のような企業をはじめ、さまざまな企業の取り組みがあります。環境保護の観点から食品ロスへの取り組みも必要とされるなど、ますます国内外に活躍の幅を広げる【すごい会社】の取り組みに、今後も期待しつつ注目していきたいと思います。
3.今週の【すごい会社】
この会社を含め、今週は以下の【すごい会社】をご紹介しました。
★No.2101☆(株)はまぞう(浜松市中区)。在日ベトナム人向けの食品輸入業を始めた。ベトナムの拠点を生かして現地食品メーカーと契約する。日本であまり流通していなかった商品を全国の輸入食料品店等に卸す。
★No.2102☆(株)フォルテ(青森県青森市)。ドライバーの不注意運転による事故防止システムを開発。運転席に設置したAIカメラでドライバーの表情から「居眠り」や「ながらスマホ」を検知して警告音を発する。
★No.2103☆池田糖化工業(株)(広島県福山市)。原料を仕入れ、粉末や液体などにして食品メーカーに販売。商品は約8000種類。取引先は約1200社、国内のほとんどの食品メーカーに素材を販売している。
★No.2104☆(株)ダイクレ(広島県呉市)。建物への浸水被害を抑える「防水ボックス」を広告媒体にする実証を始める。製造費用を広告主からの出稿料で賄い、設置を希望する店舗に費用がかからない仕組みにする。
★No.2105☆(株)アステクノス(静岡市駿河区)。マスク製造装置を開発し、販売を始めた。市場に出回る機械に比べて低価格で高品質な製品が作れるという。工場で毎日大量にマスクが必要な企業などに導入を促す。
次回もまた、【すごい会社】の数々をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに。
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