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エンジニア採用における効果的なインターンとは?‐企画編‐

初めまして!IT企業で採用をしながら多くの学生エンジニアとプロダクト作成したり、ハッカソン出たり、ドローンいじったりして遊んでいる「すごい人事(※)」情報局のポペヌと申します。

最近は就活の早期化を耳にするようになったのと合わせて、「エンジニア採用にはインターンがすごく大事!」と謳っている採用セミナーなどをよく目にします。
こういう採用セミナーの登壇企業は有名なweb企業の事例が多く、「中小で知名度もないウチではこの採用セミナーのインターン事例は参考にならない...」といった感想をもれなくお聞きするので、今回はエンジニア学生向けインターンの企画を企業群別にまとめていこうと思います。

※すごい人事…VUCA時代(変化の激しい時代)における「アジャイル組織(=学習する組織)」をつくれる、引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・オンラインでの新卒エンジニア採用に困っている人事の方
・エンジニア採用におけるオンラインインターン企画に課題を感じる人事の方
・「いい人」が集まる採用の仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方
・「本質的な採用活動」の仕組み作りをしたい人事担当の方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・エンジニア向けインターンシップ企画のイメージが湧く
・エンジニアならではの母集団形成のポイントが掴める
・採用活動の質が向上し、選考遷移率等の改善に役立つ



まず、企業群の分類

今回はこんな感じで企業群を分けさせていただこうかと思います。

・有名企業
・toCの有名サービスを持つ中小企業
・toBのサービスを持つ中小企業
・その他IT系中小企業


上記の企業群でエンジニア採用におけるインターンの母集団に苦戦されている人事の皆さんであれば是非お読みいただきたいと思います。
本記事は数は少ないですが、30人程度の就活中の現役大学生エンジニアにお聞きした感想も踏まえて作成しておりますので、皆様の採用における悩みの一助にでもなればと考えています。


有名企業のインターン募集の素晴らしい訴求方法

内容問わず集まりやすいので、冒頭にお出しした採用セミナーでインターン事例を確認して下さい!

と言って終わらせたいのが個人的な本音なのですが、有名がゆえの悩みもあると思います。人が集まりすぎて大変とか、選考における採用CXを意識して時間を掛けたい人に掛けることができない、などなど。
キーワードや打ち出し方次第で良くしていくことができる事例でもあると思います。
厳しく書いたところで「やっぱり有名企業は難しいか~」くらいにしか思われないケースが多いので、伝えたい方に伝わる企画・告知をしましょう!

また、中小企業から見ても、採用をしていくにあたり、有名企業さんの洗練された内容を参考にさせていただけることもあるため、今回はその素晴らしい採用技法を取り上げてみます。

サイバーエージェントさん

このサマーインターンシップの募集ページは非常に採用を意識した構成になっているのが学生側にも分かるようになっているのが特徴です。
「ACE」というワードを前面に出したり、「優秀者はエンジニア採用選考の1次面接と2次面接をスキップ」という優勝者特典だったりと、私たちは優秀な人間しか仲間にしないよ!というメッセージを伝えているのがよくわかります。

参考にすべきは『就活生にも思惑が分かるほど隠していない』という点です!

中小企業さんほどなにを伝えてよいか分からず、当たり障りなのない、業界情報などについて宣伝されるケースも目立ちますが、優秀な人材を採用することを目的にした時には、逆効果であるという事に気付けるいい事例かもしれないですね。

・就活生の声

‐ サーバー側を「Go・PHP・Node.js」という比較的とっつきやすい言語を使用しているのはありがたい。準備できる。

‐ 優秀な人が集まりそうだからサイバーエージェントに興味なくても将来的なエンジニア仲間集めには最高の環境な気がする。あとAWSの使用権限はすごく気になる。

toCの有名サービスを持つ中小企業の新卒採用の悩み

ここに属する会社さんの採用課題は母集団形成は簡単ですが、期待している層と出会えないケースが多い印象を受けます。
ファンのままインターンや選考を受けに来るケースが多いのかなと思います。

クックパッドさん

中小と言っては怒られるかもしれませんが、事例として良い企業でしたので、使用させていただきます。

この属性の企業さんは「この企業はこういう業務しかしないでしょ」という固定概念を取っ払い、新しい可能性や魅力を伝えることができれば、魅力的なエンジニアが集まることは間違いなしです!

こちらのエンジニア向けインターンはサイバーさんのエンジニア向けインターンと色々と比較できるので、取り上げさせていただきました。

前後半に分かれているプログラムになっていて、
前半ではクックパッドさんで使用されている言語やAWSなどといった開発技術を講義形式で学べるそうです。
後半は学んだスキルを活かして課題解決を実践するプログラムと記載があります。

この時点で察しの良い方はお気づきになるかと思いますが、サイバーさんとクックパッドさんでは明確に集まる母集団が違うという課題が見えます。
キーワードとなるのは「AWS」という単語です。
サイバーさんではポップに言うと「優勝したら遊ぶ権限上げるよ!だから頑張れ!」なんですよね。
これに魅力を感じるのは普段からそれなりにAWSの遊んでいるが物足りない方です。

それに対して、クックパッドさんでは「教えてあげるよ!」なんです。
こういう形式ですと、自分で触るのは億劫という方が集まりがちで、普段から触って遊んでいる子たちからしたら物足りない印象を持たれてしまうかもしれません。

実際に就活生の声にも、

- 講義がないなら興味ある

という声が5件ほどあったため、
クックパッドさんの求めるエンジニアの人物像が普段からAWSで遊んでいる人なのであれば、少しずれている可能性がありますね。

ではこういう企業では何をすれば面白い学生エンジニアが集まるかですが、
技術とか何使ってもよいから、当社サービスの課題になっている〇〇を解決する拡張機能やツール作って!というのがエンジニアは燃えます。

面白いエンジニアほど、既存の枠組みをぶち壊すのが好きだったりするので、そういう提案を有名なサービスを軸にされると喜んで食いついてきます。

騙されたと思ってそのようなインターンやってみてください。


toBのサービスを持つ中小企業のエンジニア集客

実際に僕が在籍している企業もここに含まれるんですが、もったいない事例を多く見かけます。

例えば採用説明会で、「当社の社名を存じ上げないと思いますが、〜〜〜」という始め方をしてしまっているケースです。

「うちは知名度が低いから..」と不安に感じてしまっての発言かもしれませんが、BtoBなので安定している会社も多く、しっかり採用できている会社が多いということも事実です。
自社の魅力をしっかり伝えられるよう、工夫していきましょう!

この属性の企業さんでの最大の課題は周知です。
おススメの方法としては、5日間のインターンシップを企画し、媒体などでは尖らせてピンポイントでの集客を目指しつつ、学校経由や先輩経由でのマスでの発信を心がけてみましょう。

toBのサービスをやっている会社は比較的先生方からの印象が良く、5日間のインターンシップの場合は学校で単位を付与してくださるケースが多くあります。学校ごとに事前の申請が必要であったりしますが、しっかりと通せると就職課さんの方で斡旋などをしてくれたりするので、比較的集客が容易になります。是非お試しください。

こちらの属性での事例は非常に面白い取り組みを見つけましたので、ご紹介をさせていただければと思います。

合同インターン

‐参加企業‐
トレンドマイクロ
富士通コミュニケーションサービス
さくらインターネット

これまた中小企業ではございませんし有名ですが、勝手にここの仲間にさせていただきます

エンジニア向けインターンを合同で実施する発想もさることながら、個性が強い会社が集って事業の違いだけでなく、仕事の進め方など様々な気になる違いを知ることができます。

ここまで特徴の強い企業3社の情報であれば、どんなエンジニアでも気になるため、このように自社の特徴や強みを他社と競合することで、魅力的に仕立てる方法は非常に有効ですね。

・就活生の声

- インフラ系に興味あればこの合同エンジニア向けインターンは良さそう。

- 後々のために一度は聞いてみたい


その他IT系中小企業のインターン企画

SierさんやSESさんなどがこの属性に含まれますが、この属性の唯一の強みや何やってもOKという点です。

自社のサービスなどに気を使わなくて良い代わりに、自由に企画すればその分採用へのハードルは高くなりますので、その後の設計をしっかりと企画して採用に繋げましょう。

アスパークさん

アスパークさんは非常にユニークな言い回しでエンジニア心をくすぐっています。
4つある中で僕も参加して見たいと思うのが、3番の「ずる賢い仕事術セミナー」こういう小ネタ系は意外にウケます。

私たち人事が他社の成功事例を知りたいように、みんなhowを知りたいんですね。笑

・就活生の声

- 仕事に活かせるネタを教えてもらえるなら、社会人になった時にすぐ活かしたいので聞く価値はある

- 効率の良い仕事の仕方や失敗ケースなどもぶっちゃけて欲しい


最後に

今回記事をまとめるために150社ほどのインターン事例を見て下った学生の皆さん、ありがとうございました。

せっかくですので、就活生の本音も合わせて紹介させていただきます。

本命ではない会社であっても、お題に興味がある・1day・web形式の3つの条件であれば気軽に参加します。(地方国立大・女性)

本命でないと、選考への優遇などと書かれると少し気になる程度では参加しにくい(早慶・男性)

夏は技術的なことを挑戦して視野を広げたい。秋は就活に向けた情報収集を意識しだしたインターン、冬は早期選考も含めて考えている。(March・女性)

人事の方のお話は会社概要などありきたりな情報だけだと退屈してしまうが、現場で働いている社員さんの仕事についてのぶっちゃけトークは好きです(その他四大・男性)


というようなコメントがありました。
また、気になったのでアンケートとったら30人中30人がインターンはwebでやってほしいという意見がありました。

先日西田さんが書いた記事とは少し乖離があるため、やはりエンジニア学生が如何に考えていることが違うかが分かりますね。

‐ 西田さんの記事 -

今後もエンジニア採用は変化が激しいと思われますが、
その中でもエンジニア向けインターンは失敗しても採用が失敗になるわけではありませんので、様々なチャレンジをしていけると良いですね!

それではまた次回お会いしましょう!


ライター:ポペヌ
エンジニア歴約10年、人事歴約3年。中学時代からエンジニアとしてお小遣い稼ぎを始め、エンジニア経験を活かしながら、大手IT企業にて人事に転身。
「プログラミングができる人事」として、主に経営陣をカウンターパートに経営視点の人事戦略設計〜実行、検証まで従事。
即戦力エンジニアをオフライン・オンライン施策をベースに採用単価0円で採用実現するなど、特に新卒採用、およびエンジニア採用に強みを持つ。

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe 
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
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