国際比較 女性教員の割合
アメリカの教育大学院に進学して驚いたことは、生徒の約8割が女性だったことです。日本でも幼稚園や保育園の先生は女性が多い印象がありますが、どの程度の割合なのでしょうか。他の国と違いはあるのでしょうか。今回は幼児教育から高等教育までのそれぞれの段階での教員の女性比率なのかについての国際比較を紹介します。
結論
OECD加盟国全体で、幼児教育、小学校、中学校、高校の教員は女性が多い
OECD加盟国全体で、高等教育の教員は男性がやや多い
日本とOECD諸国との比較:
幼児教育 96.9 (OECD平均 96.2) OECD平均より女性率がやや高い
小学校 63.9 (OECD平均 82.6) OECD平均より女性率が低い
中学高校 37.5 (OECD平均 63.4) OECD平均より女性率が非常に低い
高等教育 30.0 (OECD平均 44.9) OECD平均より女性率が非常に低い
分析手法
教員の女性比率の国際比較(2020年のデータ)
編集後記
以前、教員の給与の国際比較を紹介しましたが、教員、特に幼児教育で極端に女性の割合が多いのは、給与の低さも一因と言われています。アメリカを含め教員の給与が極端に低い国だと、まだまだ大黒柱の役割を担うことの多い男性が教職を敬遠するためです。日本では小中高校における女性の割合がOECD諸外国よりも低いですが、他の国に比べると男性に敬遠されていないという見方もできそうです。一方、一般的に社会経済的地位の高い大学教授など高等教育の教員における女性の割合が他の国より著しく低いことについては、理由等についてより詳しい分析が必要だと感じました。
文責
識名由佳
参考文献
https://data.oecd.org/teachers/women-teachers.htm#indicator-chart
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