ScanSnapと人生
ScanSnapのような個人向けドキュメントスキャナが普及したのは私が大学生になってからのことでした。
それまで書類を保管しようと思えば、紙のままファイリングしてとっておくしかなかった。
音声、画像データよりも言語データが何より当時の心を思い出させてくれる自分にとって、当時の自分と周囲の方達との心のやりとりが残っている言語データが復元できなくなってしまう事は何より苦しいことだったが、解決するための満足いく手立てが当時はなかった。
ScanSnap は下記を実現してくれた
紙データ→画像データ、テキストデータへの変換。
気づいたのだけど、紙の質感とか筆跡も当時の心を思い出す手かがりだ。スキャン精度が低いと、心を思い出すてがかりも減る。だがScanSnap のエクセレントモードはすごい。23年前の藁半紙の風合いそのまま、鉛筆の筆跡そのまま残してくれる。これで安心だ。紙が刻む時間は止められた。いつでも大切な思い出を繰り返し思い出せる。また共にその思い出を過ごした人と物理的に離れていても、その思い出をわかちあえる。
紙のままだと物量が多いほど検索性は落ちてしまう。でもPDFデータ、画像データになっていれば、取り出したいときにすぐキーワードで検索して取り出すことができる。
部屋の見た目はミニマリストでいながら、たくさんの思い出を保管して時々取り出しては大切にすることができる。
23年前の書類を、今まで保管する環境を与えてもらった奇跡にも本当に感謝しかない。自分がコントロールできない部分で書類を失ってしまった方もいらっしゃると思う。
もちろん紙のままで時間をとめられれば一番良いのかもしれないが、紙の場合、数10年で文字は消えて見えなくなってしまったり、災害等で失われてしまう場合がある。
また保管しておくことはゴールではなく手段で、保管しておくことでその後も人や環境の幸せに活用されることが重要だと考えている。そういう意味では電子化することが全ての解かというとケースバイケースなんだと思う。
ただ紙が情報として持っている大切な面を活用させてもらい、住まいはすっきりさせた状態で思考をクリアにして今を生き、未来を作るために身軽に行動させてもらえるのはScanSnap の力のおかげです。
スキャンしてデータは手元にあるのに、その紙をシュレッダーするときに勇気がいるのはなんなんだろう。何かが失われてしまうんじゃないかって怖さなのかな。クラウドとHDDにあるからまず大丈夫ですよ。
一生思い出せないかもしれなかったことをいつも何度でも大切に思い出せるしくみをつくってくれて、本当に感謝です。
23年前、母が他界する3ヶ月前の母の日に、家庭科の宿題レポートへ母にコメントを書いてもらったのです。それを家庭科の先生が返却してくれたときにくださったコメント共に。
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