あなたも合格できる研究計画書の書き方
まず、あなたのやりたいことを書いてはいけません。
やりたいことがあるのは当然で、その思いをいくら熱心に語っても、それは研究計画にはなりません。
研究計画は、「研究」の「計画」を書くものです。
研究とは何か、が分かってないと書けません。
計画とは何か、が分かってないと書けません。
個人的に関心があることを個人的に調べてみたり、勉強してみたりすることは決して悪いことではないですが、それは個人的なことであり、「研究」ではありません。
あなたが合格したいと思っている(例えば)大学院の何タラ専攻では、何タラに関する専門的な研究が行われています。そこで行われていることが「研究」です。
どんな研究が行われているのかを知らずに、研究をすることはできません。
では、どうしたら研究について知ることができるか。
研究は、その成果が論文の形で発表されます。つまり、論文を読むことが研究を知ることになります。合格したいと思っている何タラ専攻で行われている研究の関連分野では、どんな学術雑誌に論文が掲載されているか、その代表的な学術雑誌を見て、論文を読んでください。
そこで面白そうな論文を見つけてください。それがあなたの研究の出発点となります。その論文を読めば、そこにあなたが知らなければならないこと、どんな問題が研究とみなされるかということ、どうやったらデータを集めて研究できるかということ、どんなことを考えることが研究といえるのかということ、そして、この先何に取り組めば最先端の研究となるか、ということ、そのすべてが書いてあります。
すなわち、以下の項目です:
1)背景となる先行研究
2)研究課題
3)研究方法
4)考察とまとめ
5)現段階でのその研究の限界と今後の課題
研究は、論文として発表された段階で、過去の研究となります。その分野ではまだ明らかになっていない新しい課題に取り組むことが今後の研究となります。それが「今後の課題」として書いてあるわけです。
なので、あなたがすべきことは、その論文も含めて、その論文に書かれている先行研究をすべて踏まえたうえで、その論文に書いてある「今後の課題」を、今後自分が取り組む「研究課題」として位置づけ、その論文で学んだ研究方法をもとに改善した方が良い点があればそこを改善した研究方法で、今後データを集めて、研究課題を解明したい、と書くことが、研究計画を書くことになります。
どのような研究方法で、どのようにデータを集めて、どのように分析をするつもりか、ということを、一つずつステップにまとめて「工程表」をつくることが計画を立てることになります。
これで、「研究」とは何か、「計画」とは何を書けばよいか、が分かったでしょう。
さあ、研究計画書を書くために、まずは興味深い論文を探しましょう。
ああ、ちょっと注意ですが、「その論文」に書いてあるからといって、その論文に書いてあることを自分が考えたかのように書いてはいけないし、ましてや、その論文をパクってはいけませんよ。ちゃんとその論文を参考にした、と明記してください。必要なところは「引用」してください。
それと、研究計画書の最初に、研究題目(タイトル)を書いてくださいね。タイトルは、内容を必要かつ十分に、かつ、簡潔にわかりやすくまとめたものです。
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杉浦正利
追伸:論文といっても玉石混交です。Googleで検索するだけでは、なかなか玉は見つかりません。玉と石とを見分ける必要があります。一つの手としては、やはり、名の通った代表的な学術雑誌に載っている論文かどうかが、手掛かりとなります。
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