テロリズムとは
ウクライナで、攻め込んできたロシアとの戦争が続いている中、今度は、イスラエルとガザで激しい戦闘が始まって、今、世界のニュースに占めるこの2つの戦争・戦闘の話題の比率がとても高くなっているが、そんな中、私には、ちょっと気になっている点がある。
「テロリズム」(terrorism)という言葉の使い方だ。
世間での「テロリズム」という言葉の使い方を見ると、個人 若しくは 集団であっても非正規軍 の 暴力行為・軍事行動を指して使っているように私には思える。いやいや、本来の「テロリズム」の意味はそうではないだろう。
「テロリズム」(terror-ism) とは、
恐怖(terror)と不安を生み出すことにより自分の主張を実現しようとする試み
terrorism is an attempt to materialize the terrorist's claims by creating terror and fear
のことである。
(外務省の公式サイトにある「テロ行為による国際の平和及び安全に対する脅威に関する公開会合における原口国連大使演説」というページより。同英語版)
去る10月7日の、ハマスによるイスラエルへの攻撃は、「我々パレスチナ人はこんなに酷い暮らしを強いられているというのに、我々をこんな目にあわせているイスラエル人は平和に幸せに暮らすなんてことは、許さないぞ」ということを判らせてやる脅しとしての攻撃であり、ハマスには、イスラエルから領土を取り返す力はなく、ただの力の誇示であるから「テロリズム」(terrorism)と呼ぶに相応しい。
そして、ロシアによるウクライナ侵攻は、領土を分捕りたかったというより、他のロシアの周辺国に対し (ウクライナの様に) EU/NATO へ入ろうとするとこうなるぞと脅すのが目的で、将に「テロリズム」(terrorism)。ロシアの正規軍による軍事行動であっても「テロリズム」(terrorism)。
そして、イスラエルによるガザへの攻撃は、1940年台のナチによるホロコーストと同様、( 脅し・見せしめではなく )自分にとって都合の悪い奴らは皆殺しにする、害虫駆除のように皆殺しにする、というものであるから、これは「テロリズム」(terrorism) ではない。
また、欧州で、イスラム原理主義者による殺傷事件が起きているようだが、もし、その者が「今、ガザでジェノサイドが起きようとしているのに、国際社会はそれを放置するのか!?そんなことして自分たちだけ幸せに暮らせるなんて思うなよ」という脅しのつもりでやっているのなら、それは「テロリズム」(terrorism)。もし、コーランに「異教徒は殺せ」と書いてあるからそれを実行しているだけ、というのなら、それは「テロリズム」(terrorism)ではない。