模倣と学び。そして伝承なのかな。岡崎市のオーダーメイド家具屋 杉田木工所。
毎度、岡崎市上和田町で家具のリメイク・オーダーメイド家具の製作をする家具職人の杉田です。
2023年04月09日(日曜日)
本日は、杉田木工所noteにて
blogをお送りいたします。
先日、坂本龍一さんが亡くなられました。
1月には、高橋幸宏さんが亡くなられました。
このおふたりがメンバーだった「YMO」。
イエローマジックオーケストラ。
家具屋 杉田が小学校6年生の時に
「ライディーン」「テクノポリス」をはじめて聞きました。
「なんだ、これは。」という衝撃 !!
子供ながらに、日本の音楽の作り方が
変わる瞬間を感じたものでした。
あの時の、衝撃は家具屋 杉田、生涯忘れないと思います。
ありがとうございました。と
お二方のご冥福をお祈りしたいと思います。
メンバーのおひとりだった坂本龍一さん。
坂本さんが、「情熱大陸」という番組に
ドキュメンタリーで出演していた時の回を見ました。
この中でも衝撃だったのは、
坂本龍一さんが制作している音楽の95㌫は、
「伝統」とおっしゃられたこと。。
坂本さんご自身のオリジナルの音楽部分は
5㌫ぐらいしかないとおっしゃられたこと。
あれだけ先駆的な音づくりを
されておられると思っていたのに、意外な
発言でびっくりいたしました。
このご発言を聞いてはたと振り返る。
自分の家具づくりにどれだけの
オリジナル技術があるか。
おそらく、5㌫もありません。
それだけ、先輩の模倣でこのお仕事を
覚えて、37年やってきたことになるわけです。
模倣から学びがあります。
その学びが今日の杉田木工所であります。
日々、進化し続ける化粧板や
装飾金物・使用金物。接着剤の数も37年の
間に、いろいろと増えました。
今年で、五十路も峠を迎え
後半に突入します。
まだまだ、勉強という学びも続くわけであります。
たいへんですが、このお仕事を継続する限り
与えられた当たり前の挑戦であります。
最近は、まわりから
後継者の育成をとよく言われます。
はっきり申し上げて、岡崎市のオーダーメイド家具業界は
斜陽であります。
若い家具職人希望の人たちもいますが
長続きいたしません。
家具屋 杉田は、お弟子さんをとったことは
ありませんので、よくわからないですが
教育のノウハウ。学ぶ側の姿勢。
こんなものが基本にいるような気がいたします。
先代、杉田木工所創業者 杉田武二氏の頃より
お仕事の絶対量は減少している。
3×6サイズの化粧板は、10枚からしか
販売してもらえなかった時代。
化粧板10枚も使用しないオーダーメイド家具の
製作・見積でも10枚からの見積りで
お仕事の商取引が成立した時代。
今では絶対にありえません。
オーダーメイド家具も時代も共に熟成されて
進化もしましたが、シビアになった部分もございます。
昔ほど、連続して受注が頂けない。
10年前と同じオーダーメイド家具を見積もっても
同じ対価は頂けない。
進化と共に、問題点も山積してきたと思います。
お仕事は、自分でつくらないといけない
ものなのかもしれません。
その時代、その時代の需要と供給を見つめなおして
足元から、家具づくりとお仕事の在り方を考える。
若い家具づくり希望の方々へは
それをお伝えしたい。と思います。
ひとりの先輩家具職人さんから
「いつの時代も『モノづくり』の好きな若者は生まれる」
そう言われたことがあります。
お弟子さんをとるには
家具屋 杉田、正直申し上げて、力不足です。
あと5年ほどの間の
大きな「目標」のひとつにしても良いのかな。と
最近思います。
そんな感情にかられる今日この頃です。