ととのえない女
記録的な猛暑も長く続くことはなく、9月に入ると供に一気に秋の風が吹いた。台風や急激な寒さの日もあったが、これから行楽シーズンを迎える。
“行楽”といえば何を思い浮かべるだろうか。遊園地、ピクニック、登山、旅行、ドライブ…。様々ある中でも私は子供の頃から温泉派だった。ディズニーランドよりも温泉に行きたいと言う非常に渋い子供だったのだ。そのおかげで中学3年生の卒業遠足までディズニーランドへ行ったことがないという、東京育ちには中々珍しい人間に育った。
今でも変わらず温泉が好きだ。その前にお風呂が好きである。今は子供がいるから叶わないけれど、出来るなら家でもお気に入りの入浴剤を入れて1時間くらい半身浴したい。スーパー銭湯のような場所で1日中過ごすのも好きだ。岩盤浴も良い。汗とともに身体に溜まった疲れや老廃物を流し、本を読んだり音楽を聞いたり、ただただボーっとしたりする時間は非常に至福である。
ところで近年はサウナブームだという。それにつれて“サウナ女子(サ女子)”なんていうのも誕生しているらしい。サウナ特集を、テレビでやっていたりするとついつい見てしまう。サウナで温まった身体を水風呂で冷やし、外気浴でボーッとする事を“ととのう”と言い、これが非常に気持ちいいらしい。いいなぁ、私もととのたい。
そう思う反面“ととのう”を信じきれない自分もいる。と言っても、私はサウナをかつて1度しか体験したことがない。それがまた特別な体験だったことはこの記事を見てほしい。
旅は道連れ世は情け。
旅先の、ただその場の成り行きで連れて行ってもらっただけで、サウナのアレコレなど分からないまま終わった初体験だった。そしてその後、機会がない。
“ととのい方”を紹介されているのをよく見るのだけれど、急な寒暖差?に人間は対応できるものなのだろうかと心配になってしまう。実際調べてみたところ、やはりお年寄りや、心臓に病気を持っていたり心配な方はやめたほうが良いらしい。そもそもサウナ自体70℃〜90℃の部屋に入るのだ。ほ、本当に大丈夫!?と心配性の私は中々手が出ない。“ととのう”の境地に行ってみたいと思う反面、怖くて手が出せない、というのが本音である。
やはり私は温泉が良い。出来れば独身の頃の様にひとり旅でもしてのんびりしたいが叶うわけもなく、今日も子供の様子を気にしながら忙しなく終える入浴タイムである。
あー私もととのいてぇ〜!