家族
運動会の朝が来る。その前に腹ァこしらえとけ。米いつもより多めに炊けよ。
俺たちの干からびた日常に必要なのは、ゲームでもない、涙するテレビドラマでもない。
「運動会だ!」
「いいからもう寝ろ」
「はぁ〜い。わかってるよね〜。田嶋女史に叱られるもんね。」
「児嶋だ!」(アンジャッシュ風)
朝日は、山の向こうからとりあえずやってきて俺たちの暗く閉じられた日常を照らし出した。
おNEWの体操着を新調させ、なぎさとせいこは、運動公園に行く準備を始めていた。俺は、今までの日常を思い返して涙が止まらない。
「あなた!どうしてあなたがハチマキをしてるの!」
涙する俺にそんな質問をする愚か者。
赤でもない、白でもない、ピンクのハチマキ。オードリー先生にでも聞いてこい!
俺がブツブツ言っていると、
「春日園長先生にパパもしゅちゅじょおーさせてあげてね、って言ってくるぅ〜」
おー!良い子だ!
運動公園までの道が渋滞していて、
「パパ!ポカリ買ってきて」
「あなた!ポカリが足りないわ」
「熱中症対策のポカリ!」
「OSワンは下痢するから!」
「うんち出たら嫌だよ〜」
俺はじゃんけんはピストル型のチョキしかださないことを家族は知っている。
コンビニに走ろう。ウォーミングアップだ。
ひとクラスに1人の子供。花組、なぎさ。星組せいこ。お前!誰だ!大きいな。
「身長何センチ?」
「180センチです」
気づかなかった。あ〜これが人生かよ。
家族ってなんだ?
2人は俺の子か?
俺が子供の頃、運動会の弁当がごはんと奈良漬だった。白と茶色のコントラスト。
臭い。父さんが詰めた弁当。懐かしい。
俺はそれを誰にも気づかれないように捨てた。母さん、いつ帰るの。
俺も大人になった。あの頃の俺、おかしいぜ!
今日は運動会だ。俺が1番喜んでいる(イカすぜ!俺。)のを家族がバカにしている。(あいつはバカです。調子に乗ってたんですね。by児嶋)
白目。
親切にしてほしい。
知らないかもしれないが、
今日は小さな親切の日。
降水確率100%。
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★ナスカーチャの決戦のヨーフからの創作。少し実話入り。