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レンジー ナントに行く(6):アルゼンチンサポとの戦い

 ナントの旧市街観光を切り上げてスタジアムへ。スタジアム周辺ではビールを飲みながらサポーターたちが談笑している。

 こっちもビールを飲んでスタンドへ。6-4か7-3でアルゼンチンサポーターが多いか。


明らかにアルゼンチンサポーターの多いスタンド


フロンターレサコッシュと共に


 しかも彼らは声をちゃんと出す。間違いなくスタンドはアウェイの雰囲気になってしまう。
 そういう状況、Jサポならすぐに言語化できる。埼スタでのアウェイだ。レッズサポの声と戦うあの状況だ。

 このとき最後の覚悟を決めた。どうせ日本人サポは声を出さない人が多いから、出せる人が出すしかない。周りの「地蔵」を煽ってでも、スタジアムの雰囲気を作っていくしかない。

 4年に一度の決戦。照れはいらない。ここで照れるくらいならば弾丸旅行で来たりしないでテレビで見てる。スタジアムに来るのは選手たちと戦うためだ。少しでも力になるように声を張り上げるだけだ。サポーターなりに戦うのみだ。
 このとき、レッズサポが、「埼スタに行くのは戦うため」というのがよくわかった。こういうことなのか!

 試合前の選手紹介は持ち込んできたクラブのグッズを掲げた。といっても手持ちのサンゴリアスとワイルドナイツだけだが。他のチームの選手の時はブレイブブロッサムズのタオマフを掲げる。

 そして国歌斉唱。昨日のIrelands' Call並の大声で君が代を歌った。案の定、周りからは声が聞こえてこない。これではまずい。

 終わってすぐにニッポンチャチャチャコールを始める。後ろや横を煽りながら。その甲斐あってか、何人か続いてくれた。これだ!これでいこう!!

 次はアルゼンチン国歌。サッカーファンなら常識だが、アルゼンチン国歌は長い(イタリアも)。まずは長いイントロっぽい歌唱から始まる。それだけで君が代くらいあるんじゃないかと思うくらいだ。それが終わったあたりで多くの日本人サポが拍手していたが、そこでは終わりじゃない。そこが終わってからがメインメロディなんだ。やはりラグビーファンは知らなかったか。。。。


 試合開始。タックルミスでいきなりの失点。

 ここで意気消沈するわけにはいかない。まだ時間はある。そこでコンバージョンが終わるやいなやニッポンチャチャチャを始める。 
 このときは前より多くの人がついてきてくれた。それからは、試合中にいろいろなところからニッポンチャチャチャが始まるようになった。

 ニッポンチャチャチャは、応援チャントとしてすぐれた点がある。それは、照れて声を出せない人も、チャチャチャの部分で参加できることだ。一方弱い点は、チャチャチャの部分で声が出ないこと。インドアスポーツだと手拍子でも迫力が出るが、屋外スタジアムだとそうでもない。

 一部の外国人ブレイブブロッサムズサポが、途中から、チャチャチャを省略してニッポン!ニッポン!ニッポン!ニッポン!とたたみかけるようなコールを始めた。

 これ、いい。マジでいい。ニッポンチャチャチャの、チャチャチャのところでニッポン!ってたたみかけていく。もちろんスタンドのサポーターみんなが戦うのが前提だが、2拍子でたたみかけていくと凄い迫力あるぞ。サッカーでまずできないだろうか。。。  

 そう考えると、We are Reds! って傑作チャントだ。3拍子でひたすらたたみかけていく。正直、羨ましい。

 
 言うまでもなく、アルゼンチンはサッカー強国。前半途中で、Jサポなら絶対聞いたことがあるチャントが聞こえてきた。バモバモ〇〇~♪(〇〇はフロンターレなら「カワサ」)、バモバモ〇〇~♪、バモ〇〇~♪、バモ〇〇♪っていうアレだ。

 このときこそJサボの出番だ。俺がやらずに誰がやる。アルゼンチンサポの歌声に合わせてバモバモ、ジャパン♪バモジャパン♪バモジャパン♪ってやり返していく。前列のアルゼンチンサポがあきれた顔をして振り返ってくるが知ったことか。こっちだってJサポの意地もあるんだ。やり続けていたらこのチャントが止んだ。ノーサイドまでなかった。意地が勝ったのか??


 ブレイブブロッサムズことラグビー日本代表には応援歌がないと言われて久しい。けれど日本ラグビー自体には歌がある。大学ラグビーだ。いろいろ議論はあるし、私も現状を肯定しているわけではないが。 

 見に行くと決断したときから、絶対やるって決めていたことがある。それは齋藤であれ、長田であれ、下川であれ、小倉であれ、垣永であれ、山中であれ、早稲田出身の選手がトライを決めたら紺碧の空をスタンドで歌うということだ(福田がトライしたら明治校歌を歌うつもりだった)。

 後半、齋藤直人得意のサポートランからトライ!これは歌うしかない。

こんぺ~きのそら~♪仰ぐにちりーん♪

 とすでに枯れていた喉の残りの力で歌い始めたら前列のアルゼンチンサポーターがこっちのスマホを向けて動画を撮り始めた。日本人サポで歌う人なんていないし、彼らにとって初めての紺碧の空だろう。これは歌い切るしかない。周りにも早稲田の卒業生はいたと思うが、誰も歌ってくれず1人だけで歌い切った。

 そして松田力也のコンバージョン。口を閉じてワイルドナイツのジャージを掲げた。



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