【覇王ドレミコード】
ドレミコードでよく話題に上がるのが、今回の【覇王ドレミコード】のキーカードになる《覇王龍の魂》である。これが《グランドレミコード・クーリア》と相性が良く、マスターデュエルでもLクーリア実装後から使われ始めた。サーチ手段が増えてからは《覇王龍の魂》が非常に用意しやすくなり、ドレミコードの中で人気の高い構築ではある。
覇王ドレミ爆誕の歴史
《覇王龍ズァーク》。見ての通り、効果てんこ盛りである。テキストの長さというより、効果がちゃんと6個もあり、内容も比較的有益なもので揃っている。その反面で融合素材がとても重く、真っ当な融合召喚は厳しい。《アストログラフ・マジシャン》の効果と魔術師モンスターの組み合わせでも融合召喚扱いで特殊召喚できるが、それはそれで大量のカードが必要となる。
そんなズァークの特殊召喚事情を踏まえた上で、2022年2月に登場した通常罠カード《覇王龍の魂》のテキストを見てみると、
罠1枚から軽率にズァークが出てくる。下準備もなく、しかも相手ターンに。代わりに効果が無効化され、次のターンのエンドフェイズに帰っていく。普通に使うだけでは、4000/4000の壁になるだけ。《覇王龍の魂》の②で相手の魔法の牽制はできるが、微妙に受動的でEXデッキの枠も悩ましい。
それでも簡単に出てくるズァークの使い道は色々検討された。例えば、裏側守備表示にすればデメリットを解除できるので、《月の書》などで全体除去を通そうとする者が現れた。他にも破壊できれば④でPゾーンに置いてP効果を適用できるので、自らズァークを破壊しようとする者もいた。だが当時はサーチ手段が限られていた魔法罠を複数枚使う、再現性の低いコンボが多かった。
そこから月日は流れ、翌年の2023年1月に待望のドレミコード新規が出ることとなった。
効果③がドレミコード待望の万能無効。リンクモンスターとしても珍しい万能無効持ちだが、発売前に②の効果の使い道も注目された。前述の《覇王龍の魂》で特殊召喚されたズァークは効果が無効化されているが、クーリアのリンク先に特殊召喚して発動した効果①(全体除去)は無効化されない。過去に似た裁定があったために早々に気づいた者が使用。派手な初見殺しを受けた嘆きの声から、このコンボが知れ渡っていくこととなった。
その後2023年7月、《覇王門の魔術師》の登場により《覇王龍の魂》のサーチが可能に。《覇王眷竜ダークヴルム》の制限緩和などもあってコンボの再現性が高まり、今の形に近い【覇王ドレミコード】が完成していった。なお同時に《覇王天龍の魂》も登場し、クリーア無しでも無効化されてないズァークを出すことができるようになったので、そこまで優位性が高いのかという疑問はある。一応リリースコストとかEXデッキ枠の問題があるので、依然として《覇王龍の魂》を採用する理由はある。
デッキレシピ
試しにメイン40枚で組んでみるとこうなったが、誘発の枠が少なく後攻がかなりキツい。少なくともシングル戦では素直に数枚増やし、環境に合わせて誘発などの汎用カードを足すのが良いだろう。
《覇王龍の魂》の効果②で特定のドラゴン4体までを特殊召喚できるが、他の妨害を掻い潜られた上、更に魔法を使われてようやく発動するものなので、場に出る機会はあんまりなく、《覇王門の魔術師》効果①の特殊召喚効果に使う分で十分なことも多い。魂②を重視したいなら《ブレイブアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》を入れて魔術師①に充てると、妨害効果が強めのシンクロ・ドラゴンは残せるし、両方出せる時にもブレイブアイズ②が効く可能性がある。
展開ルートに大差は無いが、
【ドレミコード】基本形の盤面は、【覇王ドレミコード】でも同じように作れる。その上で《覇王龍の魂》をセットするまでが目標。途中で《覇王門の魔術師》を特殊召喚して魂をサーチできれば良いので、展開ルートは基本とあんまり変わらない。ただし魂が無ければ普通の【ドレミコード】で作る盤面に留まるので、初期手札の要求値が少し上がる。
過去記事に少し書いたが、P召喚前に《覇王門の魔術師》を特殊召喚する場合はPスケール8の《覇王眷竜ライトヴルム》をサーチする選択肢がある。この後の展開の《軌跡の魔術師》でPゾーン1枚分はサーチできるが、手札のカードやEXデッキのPモンスターの状況によっては、軌跡での「ドレミコード」Pモンスターサーチと覇王門でのライトヴルムサーチという組み合わせにせざるを得ないこともある。エレクトラム1ドローでの素引きに賭ける選択肢も無くはないが、極力やりたくない。
色々なパターンはあれど、元々の【ドレミコード】の時点で2枚初動が基本であり、そこに追加で魂となると、先攻の手札で素引きしておきたいカードは多い。それを踏まえた上で《覇王門の魔術師》3枚積みは良いとしても、《覇王龍の魂》を積むのは事故要因にしかならないので避けたい。
そうなると残りはPゾーン要員。Pゾーン要員が手札に揃っていれば軌跡のサーチを充てられるので、構築上少し多めにしている。本デッキでPゾーンへ置く想定のPモンスターは以下の10枚、ここに《ドレミコード・エレガンス》を合わせて13枚体制。ドリーミアも緊急で置くかも。
絶妙なステータスのファンシア
本デッキで3枚積みしている《ファドレミコード・ファンシア》。主にPゾーン要員での採用となる。下スケールにしてはPスケールが高めだが、《アストログラフ・マジシャン》や《覇王門の魔術師》などがレベル7なので、これらを出す場合の基本展開には影響しにくい(下級モンスターと一緒にP召喚できない点は注意)。奇数のPスケールなので《グランドレミコード・クーリア》の効果にもちゃんと使える。あと下級Pモンスター。リリース無しで召喚できることも大事。
Pクーリアとは異なりフィールドでの妨害効果は持たない。その代わり炎属性であり、咎姫との相性は良い。例えば先に咎姫を効果で特殊召喚した場合、Pクーリアは風属性で特殊召喚出来ないのでLクーリアの万能無効に使えなくなってしまうが、ファンシアならば特殊召喚できるので先に墓地咎姫を使う選択肢が出てくる。尤も、ズァーク達が咎姫と干渉する点は変わらないので、《覇王龍の魂》は①も②も気をつけたい。
ファンシアが墓地咎姫の効果対象にれる点を活かし、《ピットナイト・アーリィ》を別のモンスターに入れ替える派生展開も可能となる。展開ルートが少し変わるが、アーリィの代わりに《I:Pマスカレーナ》を出しておくと、墓地咎姫の効果対象としてファンシアと相手モンスター、そこにマスカレーナをチェーンして《S:Pリトルナイト》をL召喚、という動きで2枚除去する動きが可能になる。
またPスケール5というのが絶妙な高さで、非常時には下級モンスターをP召喚する時の上スケールにも使える。この形の運用はアドリブが絡むので、具体的なケースを見てみよう。
先攻の展開中、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》に《無限泡影》を受けたとする。他に何も無ければ諦めてターンを渡すしかないが、最初にサーチして手札に来た《覇王門の魔術師》がPスケール1、EXデッキに加わったPモンスターがレベル2と4なので、ファンシアのPスケール5と合わせてP召喚をし、展開を続けることができる。
《賜炎の咎姫》で蘇生したエレクトラムは無限泡影での無効化がなくなってるので、P効果で覇王門の魔術師がPゾーンを離れればしっかり1ドローできるし、《ピットナイト・アーリィ》を叩き割ることもできる。ただL召喚時に《アストログラフ・マジシャン》を持ってこれてないので、間違えて普段の展開ルートを目指さないように気をつけたい。というわけで、P効果で自壊した《覇王門の魔術師》を手札に持ってくると、
《覇王門零》がPゾーンにいるので特殊召喚でき、そのまま《覇王龍の魂》をサーチできる。あとは《グランドレミコード・クーリア》をL召喚し魂をセットすれば、それなりの妨害数で相手ターンに入ることができる。これで凌ぐことができれば、《覇王龍ズァーク》や《アクセスコード・トーカー》あたりでリーサルをしっかり狙える。
なお ファンシア × 覇王門の魔術師(or P効果後の覇王門零)でP召喚し、後から魂をサーチする動きを覚えておくと、基本展開でPゾーン要員がファンシアしか確保できない場合でも、Lクーリア用のファンシアを残しつつ魂がサーチできる(ただしP召喚できるモンスターが何体居るか、ちゃんと確認するように)。アストログラフの代わりに覇王門の魔術師を出す形になるのでPモンスターのサーチが1回減るが、元々予備をサーチしていたようなもので、それが響くケースは少ないだろう。
派手な妨害が魅力の型
【覇王ドレミコード】は従来の【ドレミコード】の妨害を構えた上で、ズァークの全体除去を相手ターンに放り投げるという派手な動きが特徴の型。場合によっては「エンドサイク」どころか「エンドズァーク」で更地にして3T目を迎えることもできる。反面、フリーチェーンなのは《覇王龍の魂》であって《覇王龍ズァーク》ではないので、除去での不発化はできない点は心得ておきたい。
尤も、ズァークをポーンしてバリバリーンできるのは先攻で展開しきれた時の話である。後攻の捲り中に出せるわけではないので、ペンデュラムの後攻苦手という課題は残ったまま。むしろサンプルレシピでは《ミドレミコード・エリーティア》や《ソドレミコード・グレーシア》、《ドレミコード・ハルモニア》あたりが無いので、尚更先攻寄りである。かといって適当に増やすと得意の先攻で事故るので、ガチる際は悩みが尽きない。
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