2024ファジアーノ岡山にフォーカス50『 2年越しに時を刻み始めた挑戦の時計~守護心~ 』J2 第37節(H)vs 藤枝MYFC
1、不安と期待の中で迎えた藤枝戦~ココロヒトツニ~
2022シーズンのプレーオフの心の傷を負って、ファジの試合観戦から遠ざかっていた方も多かったかもしれない。もしかすると、それからファジの試合どころかサッカーを観なくなっているかもしれない。
それだけのショックであった敗戦。あれから2年経った。しかし、昨日のことのように思い出される。上の動画を観るだけで目から汗が流れてくる。
そして、違う意味の心の汗を流せる戦いへの挑戦権を得た藤枝戦。色々とあった2024シーズンのリーグ戦は、残り1試合となった。幸いにもプレーオフへの挑戦権を確定させることができた。2024シーズンは、常に6位以上をキープして恐らく(未確認ですが)初のシーズンとなった。
本当であれば、J2の頂、自動昇格を目標に戦いたかった。だが、届かなかった。でも今の岡山であれば、プレーオフを勝ち抜ける。それは自信といった測れないものではない。結果で示すことができている。今の岡山は、苦しみながらも手にした強さである。
たとえ、プレーオフで、敗れることがあっても0-3という結果で負けることはない。そう自信を持って送り出せる。いや、勝てるはずだ。私たちが、信じないで誰が信じるんだ。
そう示せた、長崎or横浜FCに続く2クラブ目のプレーオフの確定。
それを確定できた対戦クラブは…
藤枝MYFC
2023シーズン。J2昇格元年であった藤枝のサッカーの前に1分1敗と勝つことができなかった。今季ほどではないですが、23シーズンも守備には自信があった岡山。しかし、対藤枝戦は、2試合で5失点を喫してしまった。
23シーズンは、それなりの得点力があったことで、2-2と3-2の打ち合いに持ち込めたものの勝つことができなかった。「藤枝強し」といったイメージを抱いている方も多かったのではないでしょうか。
勝たなければいけない試合。複数得点で2連勝中とはいえ、難しいゲームとなる。そう感じている方も多かったのではないでしょうか。
そういった難敵藤枝を迎え撃つに当たって、メインスタンドに応援団のメンバーを送って、一体感のある雰囲気を出す試みにトライしていた。
個人的には、一体感は、作るものではなく、自然とできるものと捉えてますので、毎試合ではなく、重要な一戦のみでやる感じで、同調圧力に感じない程度に留めていただけたらなと感じますが、この試合に関しては、メインもココロヒトツニする必要があった。
恐らくホームでできれば、プレーオフでも総力を決するために、メインとバックスタンドで、1つになるために、再度実行するだろう。サポーターの1人の声や想いの必要性は強く感じる。だからこそアクションでしょう。
ここからは、いつもと同じでは勝てない。いつも以上の最高のファジでなくてはならない。
藤枝戦は、それを示せた。長い中断期間こそ気になるながら、繰り返しになるが、年間通しての安定感こそが、ファジの強さである。
最終節の鹿児島戦。ホームでの試合を確定させるための戦いが残っている。
プレーオフでのホームを確定させるために、J2のトップクラスの強さを鹿児島に対して、示せるか。鹿児島もホーム最終戦。J2での戦いは、少なくとも1年間空くことになる。
良いイメージで終えたいはずである。死に物狂いで、失点を恐れることなく向かってくる。もし、鹿児島が先制すれば、死に物狂いで守りに来る。
岡山は、ホームでのプレーオフ初戦の試合を確定させる意味でも、勢いを失わない意味でも、負けたくないという重圧を強く覆せるか。
いや、きっと勝てるはずだ。
繰り返しになるが、幸運も勢いも強さも示せた37節の藤枝戦。
ファジアーノ岡山ファミリーの挑戦の時計が、2年越しに動きだしたのだ。
2、トータルファジボール vs 藤枝タクティクスフィード
この試合の岡山は、前節と違いハードワークというよりは、ファジらしくトータルフットボールというか、全員攻撃全員守備といった感じに、攻撃でも守備でも多くの場面で絡むシーンが多くなった試合。
逆に藤枝は、繋ぐというよりは、一工夫入れてというか、繋ぐリスク、ロングパスでロストするリスクなどの失点リスクを小さくする中で得点の可能性も残す工夫でもあって、非常に現実的なサッカーであった印象で、春先の不調から、順位を大きく上げた藤枝の強さというのを感じたサッカーでした。
序盤は、左WBの17番 末吉 塁 選手が、1対1で突破して、クロスやパスで、攻撃の形を作っていましたが、なかなか得点に繋げることができなかった岡山。
時間経過と共に、17番 末吉 塁 選手の疲労と合わせて、藤枝もカバーする選手が出てくる中で、そこを突破が難しくなるように藤枝も対応してきました。
藤枝もロングパスを主体と言っても良いでしょうか。シンプルに蹴りだすロングパスというよりは、スペースであったり、岡山が対応し難いようにする細かい工夫や意図が見て取れました。
そこに蹴り出せる出し手の技術やアイデア、そこで受けられる前線の選手の収める技術、どちらもロングパスを多く使うチームとは、一線を画す特徴と言えました。
この試合では、22番 一美 和成 選手の所で、競り勝てたとは言わなくてもポストプレーとシュート。どちらの意識を持った中で、状況に応じた判断ができていたように映った。
前半を通して振り返ると、サイドでも中盤でも前線でも藤枝以上に持てる時間が長かった前半であったと思いますし、シュートまで行ける回数、仕掛けられる回数。共に押し込んでいたと言える水準であったと思います。
14番 田部井 涼 選手が、CKを蹴る回数も多く、それなりの精度をボールを中に入れていましたが、この日の藤枝の最後の所の一歩が非常に速く、先に触ることができていたのは藤枝でした。
セカンドボールや先を越された時も寄せが早く、回数ほどの得点が生まれる感じがしない堅さを藤枝に抱いたほどです。
両チームの選手がスパイクを交換するシーンがあったり、お互いにデュエルを恐れない勇気のあるプレーが多かったことで、ファールも多くなりましたが、何れも正当なチャレンジのものが多く、遅れて止まれなかったとかではなく、どちらが先に触れるかという所での接触が多かったと思います。
前半は、結局0-0で折り返すこととなり、勝負は後半へと持ち越された。
プレーオフどころから、残留も決まった中で、高い集中力、気力。ファイティングスピリッツ。そこを緩めてくるチームはいない。そこを再認識したホーム最終節の前半。
プレーオフ圏以上を確定させるためにも、この藤枝に勝たないといけなかった。
ファジが、藤枝の壁を越えられた後半を振り返る。
3、熱く厚く堅くなるCスタのゴール裏~守護心~
Cスタには、他クラブのようにゴール裏はない。
しかし、サポーター・選手・監督・スポンサー・スタッフ。全てのファジアーノ岡山ファミリーの想いは、常にゴール裏に守護心としてあり続ける。
私たちが応援するファジには、長い歴史がある。J1昇格を見届けることができなかったサポーターの方もいます。選手と監督もJ1昇格を目指しながら、その夢をファジの選手として叶えることができずに岡山も去った方も多くいます。
しかし、多くのファジアーノ岡山ファミリーは、ファジの挑戦を見守ってきました。この試合でも先日ルヴァンカップのタイトルを手にした徳元 悠平 選手が、スタジアムに応援に来ていました。
ファジアーノ岡山の歴史の長さがある分、多くの人の想いがファジに向けられています。
ピッチでプレーできる選手は11人だけですが、その背中、心には、多くの想いがあります。
どんなに辛い結果、辛い試合、辛い状況でも、その想いが顔を足を心を前に出してくれる。ファジの多くの選手は、プレスを行く前に、下を向いてから前を向いて、全速力でプレスにいきます。
トータルファジボール。ボールは結束の証。どんな時もボールはフェアである。そのボールに応えてもらえるように、ファジは、走って走って走って、前を向く。
ファジへの想いが想いがファジの強さの証である。
↓ 約3分50秒からの藤枝のFKのシーン。
先制点の前の藤枝のFK。ストレートのボールは、バーに直撃したが、ファジには守護神の49番 スベンド・ブローダーセン 選手だけではなく、守護心がそこにある。
みんなの想いで少し反らせて、ゴールを防いだ。
私たちの声が、選手に届いている通り、ファジに向けられた過去の想いも私たちと共に戦っている。常に私たちと共にある。離れていても心はこころにある。心は一つになった時、最高のファジを出せる。
99番 ルカオ 選手らしいボディコンタクトで、藤枝の選手のボールの保有権は、19番 岩渕 弘人 選手へと渡った。
そのまま長い距離を駆け上がってゴール前へと向かう19番 岩渕 弘人 選手。
19番 岩渕 弘人 選手に託して、足を止めた99番 ルカオ 選手。
こぼれ球に備えて並走する24番 藤田 息吹 選手と33番 神谷 優太 選手。
それぞれの選手のプレーの正否、プレーの選択によって、得点に繋がることがある。
そのプレーの選択の奥にあるのは、心。想いである。
ファジアーノ岡山のサポーターが、スタジアムに足を運ぶ背景にあるのが、想いであるように、選手のプレーの背景にあるのは、様々な想いである。
それが自分の目標のためであったとしても、それはファジの勝利のために、ファジの未来のために、ファジの夢のために、走っている。
それが、子供たちの夢となって、その子供もまた、次世代の子供の夢の対象となる。
夢への懸け橋のループを描いたシュートで、ファジはついに先制点を決めた。
ファジアーノ岡山の走るサッカーをファジ造語で『 信走(心走)のファジ 』と表現した通り、心は、選手の力を引き出す原動力となる。
それは、時に自分の殻を限界をも超える。
人生初の頭での得点を決めた14番 田部井 涼 選手。
33番 神谷 優太 選手の想いを形にした綺麗な軌道のCKは、ドンピシャで、14番 田部井 涼 選手の頭に、心に、想いを吸い寄せられた。
そして、前の壁を越えて球落下して来たCKにフリーで合わせたヘッディングシュートは、この試合の多くのシュートを的確なポジショニングで、正面で防いできた41番 北村 海 チディ 選手の正面に飛ぶことが多かったが、一歩も動けず、大きな追加点が決まった。
CBやGKの選手に長身の選手が増えてきた中で、178センチながら類まれなる身体能力があって、と安定感のある足元の技術にも優れる藤枝の守護神から奪えた2得点。
前半にあれだけ、防がれた藤枝の粘り強い守備に苦しんだが、その想いに応えるように、ファジは、それ以上の想いを重圧ではなく、力に変えた。
キャプテンの7番 竹内 涼 選手と副キャプテンの5番 柳 育崇 選手を送り込んで、このリードを守り切って、他会場の結果を受けてプレーオフを確定させた。
明日の鹿児島戦を勝って、初戦のプレーオフをCスタで開催するために、勢いを持続するために、負けられない戦いが待っている。
遠い地に足を運んだサポーター、遠い地から念を送るサポーター、ココロヒトツニして明日も戦う。
共に夢を実現するために、守護心として、ゴール裏から選手に背中を押そう。12人目の選手として、11人と共に戦う。
文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・photo=Masaaki Sugino
4、アディショナルタイム
・MOMアンケート
・ファジフーズ
しっかり燻製してるポテサラ。ポテサラは、やっぱり上手い。
千屋牛のポテンシャルを感じた。うまうま。
ファジカラは、年中通して大人気でしたね。大きくてうまい!
12番テントは、いつも長蛇の列。安定のうまさとコスパ抜群のマウンテン丼。
プレーオフで、ホームであれば、もしかすると、ファジフーズある?
・今日の一枚
これからもレジェンドが岡山の地に来てくれるでしょう。試合後に録画して視聴された方も多かったのでは?
ここから先は
¥ 100
この記事が参加している募集
自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。