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間の取り方

東京に行っている間に絶対行きたかったカフェ。
本の読める店 fuzkue(フズクエ)


念願叶い、行くことができた。


もともと岡山でカフェをされていた方が
東京に出てきて始められたお店。

「本が読める」とはいかなるものか。
「私語厳禁」など、何かと言葉数の多い店でもあり
体験したいと思っていた。



前回書いた通り、東京は地方と比べて人や物、情報が圧倒的に多く
それらが忙しなく動いている場所だと感じる。

fuzkueで過ごす時間の中で、
東京にはその忙しなさの結果「間」が不足しているのだと思った。


fuzkueは、初台にある小さなお店だ。
小さなお店の中にカウンター席とソファ席が数席だけあり
それぞれ基本1人がけになっている。

席に着くとまず感じるのは、席と席のスパンの広さ。
隣の人が視界に入らない程広い。

岡山にいても、ここまで他のお客を意識せず
過ごすことができるお店は無いだろう。


その他にも、料金制度や対応の仕方など
繊細な気遣いが積み重なって
「本が読める」という1つの目的のために
ベストな、おおらかな空間ができていた。
(詳しい気遣いやルールはぜひブログを読んでみてほしい)


(美味しく健康的な日替わりご飯は、落ち着く味です!)


本を読んだり、書き物をしたり、ぼーっと考え事をしたりする中で
(気づけば4時間も過ごしていた)
なんとなく、懐かしい感覚を得た。

これはなんだろう、と感覚を辿ると
岡山の宇野港で、瀬戸内海を眺めながら、考え事をしている
時の感覚に近いことに気づいた。


東京23区内にある、ビルの一角のカフェで
まさか、岡山の景色に出会うとは。

そこには、地方の暮らしで感じる「間」があった。



広告のデザインなどを見ていると
ここ数年、「ゆるい」デザインが流行っている。

スペースを贅沢に使ったり
手書き文字やヘタうまなイラストを使ったり。


岡山で仕事をしているうちは
そういうのが流行っているなーくらいにしか感じていなかったけど
東京で過ごしてみると、連続する情報の中で
1つの1つの広告に込められた情報量くらいは少なくあってほしい。

「間」がほしい。

という、人の想いが聞こえるような気がした。


ゆるく間が取られた中に、凝縮したものがあったり
ギュッと情報が詰められた中に、ぽっかりと間が開いたりしていると

それが目立ち、人の意識を集めるという効果もある。


都会の間の取り方と、地方の間の取り方。
それらを意識的に交差させていくことで
それぞれの需要を満たすこともできそうだ。



今朝、岡山に帰って来た。
東京にいた間に練った作戦やできた繋がりもある。
これから実際に活動を始めていこう。

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