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Linux vs Windows10パフォーマンス対決その1

同一マシンで同じ3DCGソフトを使用し、LinuxとWindows10のパフォーマンスの比較をしてみます。

3DCGの現場では様々な理由(*)でWindowsが敬遠されていますが、どれ程パフォーマンスが違うのか今回は3DCG総合ソフトHoudiniを使用して速度検証を行ってみました。マシンはLinuxとWindowsのデュアルブートです。
(北米・ヨーロッパ・オセアニアのVFXの会社では主にLinuxが使われています。日本ではまだWindowsが主流でシステム周りではハンデを背負っていると言える状況です。)

(*)Windowsのデメリット

ネットワーク/ファイルI/Oのスピードが遅い。
ツール・パイプライン開発がしずらい為よりコストがかかる。
ソフトウェアのインストールに手間がかかる。
OS自体が遅い。
OS自体にコストがかかる。(Linuxは無償です。大手のVFX会社では何千台とマシンがあるのでOSの費用も軽視出来ません。)
などなど、他にも私が知らない理由があるかもしれません。

OS

Linux Mint19(Mate)
Windows10(プロフェッショナル版)

マシンのスペック

CPU : Threadripper2990WX (32Core 64Thread 3.5GHz)
メモリ:DDR4 3200 64GB (16GB*4)
GPU : RTX2070

ソフトウェア

Houdini17.0(フーディニ) 
ノードベースの3Dソフトで主にハリウッドのVFXで広く使用されています。近年はゲーム制作でも多く使われる様になってきました。
詳しくはこちらブログに色々書いています。→http://sugi-iggy.blogspot.jp
体験版が無料でフル機能無期限使用出来ます。
https://www.sidefx.com/download/

条件

3つのタイプ(ボリューム・パーティクル・剛体)のシミュレーションを走らせる。今回は単純にHoudiniソフト単体のパフォーマンスの比較をしたいでシミュレーションデータのディスク書き込みは行わず(トラフィックはLinuxが速いとされています。)プレビュー画面(jpg)の書き出しに掛った時間を計測。
計算にはGPUは使わずCPUのみで行っています。
テストに使用したシーンファイルは下の結果からダウンロード出来ます。

結果

・ボリューム(Pyro)100フレーム Voxel数[450,600,450] 
Linux : 18分50秒 37%速い
Windows : 25分53秒


・パーティクル(Flip)100フレーム 130万パーティクル
Linux : 10分03秒
Windows : 9分01秒 11%速い


・剛体(RBD)200フレーム 1万ピース+glueコンストレイン
Linux : 15分00秒 26%速い
Windows : 18分48秒

更に複雑なシーンで検証

テストシーンだけでは心もとないので、実践で使用したデータでも検証。
こちらは以前仕事で作った爆発データ。リアルな爆発にみえるようエミッタにパーティクルを使用するなど複雑なセッティングがしてある。

結果

Linux : 30分52秒 36%速い
Windows : 41分33秒

考察

全てのタイプでLinuxが圧勝するかと思っていましたが、Flipの水シミュレーションではWindowsの方が速い事に驚きました。ただ一番差が小さかったので概ねLinuxが速いという結果です。これに重いネットワークのトラフィックが加わった場合差は更に開くと予想できます。
Houdiniだけでなく多くの3DCGソフトメインに使う場合OSはLinuxを使用し、Adobeのソフトを使いたい場合はバーチャルPC(デュアルブートの切り替えは面倒なので)でWindows動かしそこで使ったほうが全体のパフォーマンスは上がると思います。
Photoshopなどをメインとして使うアーティストはWindowsとLinuxのマシン2台が割り当てられている場合が多いです。

次回はネットワークトラフィック込の速度検証、もしくはBlenderで検証をしようか思います。
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