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Arizona Cardinals 24-25シーズン開幕ロースターまとめ

NFLファンのみなさま、いよいよシーズン開幕も近づいてきましたね。

このnoteは、再建途上にあるArizona Cardinalsの開幕ロースター(に入りそうな)各選手の概要と所感をまとめたチラシの裏みたいなものです。

なお9月23日時点でオフェンスの選手すら終わっていない。

なお、各選手の説明項目は以下の通り、契約状況はOverTheCap、それ以外はPro Football Referenceを参照しています。

・背番号、名前
・出身校、身長、体重、生年月日(9月1日時点の年齢)、プロ年数、ドラフト指名年と順位、契約状況と今期のcap hit、加入経緯※生え抜き以外
・23シーズンの成績
・所感(選手の概要、昨シーズンの所感、今シーズンに向けての所感、みたいな流れで書いています。)


QB

#1 Kyler Murray

Oklahoma, 5-10, 207lbs, August 7, 1997(27歳),  6年目, 2019年1巡1位(ARI), 5年$230M(1年目), 24年のcap hit : $49M
23シーズンの成績:
8試合, 8先発
パス:268回中176回成功, 成功率65.7%, 1799yard, 10TD, 5INT
ラン:44回, 244yard,3TD

 ACL断裂からの復活を遂げたアリゾナのエースQB。
NFLとMLBの両方からドラフト1巡指名された唯一の選手であり(普通どっちか事前に断るだろとか言ってはいけない)、その高い身体能力を活かしたスクランブルとディープへのパスの精度が武器であるデュアルスレッド。

契約延長を求める読み辛い声明やら、試合中にディレイオブゲームを連発するHCに切れているシーンやらの影響で全国メディアの報道から見ると性格がいい印象は持たれていないが、難病の子供や出身地で起きた銃撃事件の被害者家族に寄付をしたりユニフォームを盗まれた子供に選手全員分のサイン入りユニフォームをプレゼントしたり、試合前のサインに積極的に応じていたりと地元メディアを通したMurrayの印象は割と良い。よくわからんけど多分調子のいい末っ子気質みたいな感じ。

昨シーズンはACL断裂からの復帰に加え、カレッジ、NFLのキャリアを通してほとんど経験のなかったアンダーセンターへの適用も無難にこなし、Murray復帰後のチームオフェンスは1プレー当たりの獲得yard数がリーグtop10と中々の仕上がりを見せていた。

また、精神面でも成長が見られ、ACL断裂による挫折からの復帰と23年に刷新された首脳陣からの厚い信頼を経てチームリーダーとしての自覚が一層高まった様子で、キャンプ前のスキルポジション合同自主トレを全額負担して主催したり、チームメイトからその練習量に関して多くの証言※が上がったりしている。

※「いつ来てもチームの施設にいる」「毎日最初に施設に来て最後に帰る」「Murrayを出し抜いてやろうと朝一のミーティングの2時間前に来たのにもうトレーニングしてた」など

OC Petzingの下で初めてオフシーズンのトレーニングを完全消化できたこと、TE McbrideやWR Wilson, Dortchといった昨年からのパスターゲットとの連携強化、そして近年最高のWRプロスペクトであるMarvin Harrison Jr.の獲得など周囲の環境が整ったこともあり、今シーズンから向こう数年がMurrayのキャリアにおける全盛期になるのではないかと期待されている。

余談だが最近youtube公式チャンネルを始めた。

#15 Clayton Tune

Houston, 6-3, 220lbs, March 23, 1999(25歳), 2年目, 2023年5巡139位(ARI), 4年$4.2M(2年目), 24年のcap hit : $1.0M

23シーズンの成績:
7試合1先発
パス:21回中12回成功, 成功率57.1%, 62yard, 0TD, 2INT
ラン:8回, 30yard, 1TD

Houston大でシーズン40TDを記録したQBで、MurrayやRidderとは異なり機動力はそこまで高くない印象。

昨年のweek9にプロ初先発を果たすも、よりによって相手が絶好調のCLE D。58yardしかパスを通せないまま7sackを浴びあえなく撃沈。Murray復帰後はスニーク要員としてちゃっかりプロ初TDを記録している。

RB

#6 James Conner

Pittsburgh, 6-1, 233lb, May 5, 1995(29歳), 8年目, 2017年3巡105位, 3年$21M(3年目), 24年のcap hit : $8.9M, 21年シーズン前FA加入(PIT)

23シーズンの成績:
13試合13先発
ラン:208回, 1040yard, 7TD
レシーブ:33回中27回成功, 165yard, 2TD

力強いランとショートヤードでのレシーブ力を兼ね備えたエースRB。
22年以降はチームキャプテンも担っている。

昨シーズンはキャリア初の1,000rushing yardに到達。OC PetzingのランとPAに重点を置いたオフェンスにもフィットし、昨シーズン終了後のインタビューでは「私のベストシーズンはこれから到来する」と語るなど強い手ごたえを感じていた。

唯一の弱点はキャリア通じて一度も全試合先発したシーズンがないという怪我の多さ。契約最終年ということもあり、なんとか健康を維持しつつConner本人が語る通りのベストシーズンを迎えてほしい。

余談だが、チームの公式SNSではたまにKing呼ばわりされている。チーム外で呼ばれているところは見たことがない。

#33 Trey Benson

Florida St., 6-0, 216lbs, July 21, 2003(21歳), 1年目, 2024年3巡66位(ARI), 
4年$6M(1年目), 24年のcap hit : $1.1M

216lbsのサイズがありながら40yard 4.39の快速が武器の新人RB。オープンスペースでの加速力とショートヤードのキャッチ力に定評があるが、一方で方向転換とアジリティ能力にはまだまだ成長が必要との評価で、プレシーズン初戦は苦戦していた。
しかし、2戦目はアリゾナOLと相手DLの戦力差が縮まったこともあり、随所で活躍、2番手の座を確保した様子。

タイプが近く、24シーズンオフにFAとなるJames Connerの後継者として期待されているため、まずは2番手として経験を積むことが期待されるシーズンとなりそう。

※プレシーズン2戦目のハイライトシーン集


#31 DeeJay Dallas

Miami(FL), 5-10, 214lbs, September 16, 1998(25歳), 5年目, 2020年4巡144位(SEA), 3年$8.2M(1年目), 24年のcap hit : $2.1M, 24年シーズン前FA加入(SEA)

23シーズンの成績:
17試合0先発
ラン:10回, 36yard, 0TD
レシーブ:9回中6回成功, 26yard, 0TD
キックオフリターン:17回440yard, 平均25.9yard, 最長34yard
パントリターン:25回265yard, 平均10.6yard, 最長32yard

KR,PRとしての経験が豊富なRB。

RBとしてのスタッツは微妙だが、昨期のキックオフリターンの平均獲得yardは10回以上試行した選手の中では7位、パントリターンの平均獲得yardは10回以上試行した選手の中では10位とまずまずの成績。

昨年リターナーを担当していたGreg DortchがSlot WRの先発を務め、かつキックオフのルール変更によりリターナーの需要が高まっていた中でのFA獲得選手だが、それにしてももう少しいたんじゃないかという気もする。

3年契約ではあるものの2年目以降の保証額は$1Mと安価であるため、今年リターナーとして実績を残せるかが翌年以降残留できるかの鍵になりそう。

#31 Emari Demercado

TCU, 5-9, 215lbs, January 20, 1999(25歳), 2023年UDFA(ARI), 3年$2.7M(2年目), 24年のcap hit : $0.9M

23シーズンの成績:
14試合2先発
ラン:58回, 284yard, 0TD
レシーブ:30回中21回成功, 119yard, 0TD

3rd down RBとして起用されているが、小柄な割に体重もありパスターゲットよりはパスブロッカーとして評価されている。

昨年UDFAとして加入ながら先発出場とプロ初TDを記録。
HCのGannonから「pudgy(ずんぐりしている)」と言われるが、その一方で「調子も上がっている。爆発力がありそうだし、チームに入って2年目だが、精神的にプレーが速くなっている」とキャンプでの活躍を評価されている。


TE

#85 Trey McBride

Colorado St., 6-4, 246lbs, November 22, 1999(24歳), 2022年2巡55位, 4年$6.3M(1年目), 24年のcap hit : $1.7M
23シーズンの成績:
17試合12先発
レシーブ:106回中81回成功, 825yard, 3TD

過去30年間1試合で100rec yardに到達した選手が一人もいなかったTE不毛の地ことアリゾナにようやく現れたエースTE。

サイズがありフィジカルが強くレシーブもランブロックも卒なくこなせるがカレッジから一貫してTD数だけが妙に伸びない万能型TE。
ドラフト指名当時のGMからは「2巡55位で獲得できた選手の中では断トツで高く評価をしていた」「彼について好きになれない点があるなら教えてほしい」と絶賛されていた。なお、弱点であるCBやEDGEを放置してTEを指名したこともありそのシーズンは低迷、GMは辞任している。

昨シーズンはTEを多用するOCの方針とZach Ertzの負傷離脱もあり中盤以降は先発TEに定着。特にMurray復帰後はメインターゲットとなり成績が向上。
先述の通り、長年達成者がいなかった1試合100yardも2回記録している。

最後に記録したのが1989年って・・・

今シーズンは開幕からMurrayがいることもあり、パスオフェンスの軸として期待されている。本人の目標も100キャッチ、1,000ヤード,10-15タッチダウンと高水準。チーム関係者やファンタジー界隈からも熱い期待が寄せられているとかいないとか。

#84 Elijah Higgins

Stanford, 6-3, 235lbs, October 27, 2000(23歳), 2023年6巡197位(MIA), 4年$4.0M(2年目), 24年のcap hit : $1.0M, 23年シーズン中FA加入(MIA)
23シーズンの成績:
11試合2先発
レシーブ:19回中14回成功, 163yard, 1TD

軽量でスピードに優れたTE。

Stanfordでは大型のWRとして起用されていたが、NFL入り以降はTEにコンバート。

元々はMIAのドラフト指名選手だが、昨年のロースターカットのタイミングでアリゾナが拾ってきた。2番手TEとしてランブロックしたりパスターゲットになったりフルバックに配置されたり便利屋としてフル稼働している。

余談だがWR Michael WilsonとはStanford大のチームメイト。

#87 Tip Reiman

Illinois, 6-4, 273lbs, September 17, 2001(22歳), 2024年3巡82位(ARI), 4年$5.8M(1年目), 24年のcap hit : $1.0M,

近年指名されたTEの中でも有数の身体能力を誇る素材型。RASと呼ばれるドラフト候補のコンバイン結果を相対評価した指標では1987年以降のTEで歴代9位。

IllinoisではブロッキングTEとしての起用がほとんどで、昨シーズンパスを投げられた回数も20回程度。アリゾナでもまずはブロッキングTEとしての起用が期待される。

#81 Travis Vokolek

Nebraska, 6-6, 260lbs, June 4, 1998(26歳), 2023年UDFA(BAL), 2年$1.6M(2年目), 24年のcap hit : $0.9M, 23年シーズン中FA加入(BAL)
23シーズンの成績:
2試合0先発
レシーブ:なし

サイズが武器のブロッキングTE。

Nebraska大の最終年でも1試合あたり2キャッチとパスターゲットとしての起用は限定的。前述のReimanとタイプは被るがVokolekのほうがより長身で遅い。TE起用の多いアリゾナOにおいてはそこそこ出番がありそう。

ショートヤードやG前でのブロッカーとしての活躍に期待。

WR

#18 Marvin Harrison Jr.

Ohio St., 6-4, 205lbs, August 11, 2002(22歳), 2024年1巡4位(ARI), 4年$35.4M(1年目), 24年のcap hit : $6.4M,

近年最高のWRプロスペクトと称されるゴールデンルーキー。
アリゾナの至宝。

殿堂入りWRのMarvin Harrisonを父に持ち、自身もWRとして成長しカレッジで大活躍。昨シーズンもエースQBのCJ Stroudが抜けたことで成績の低下が予想される中、Biletnikoff Award(最優秀WR賞)受賞、2年連続のオールアメリカン選出、Big TEN ConferenceのMVPとOPOYを獲得など数々の賞を総なめにしていた。

6-3の長身からは想像できないほどの機動力を兼ね備えるだけでなく、広いキャッチ範囲と高い空間認識能力、柔軟性を併せ持ち、カレッジでは手が付けられない存在となっていた。

なお、キャンプでの動画を見る限りアリゾナのCBにも手が付けられない様子。プロの洗礼とは。

股関節周りの柔軟性が特におかしい。

昨年23年のドラフト時点からカーディナルスはこのMarvin Harrison Jr.獲得のためにタンクをしていると言われ続けるほど、チーム内外から獲得に向けた強い期待が寄せられていた。

おそらく誰よりも獲得を熱望していたのはエースQBのKyler Murray。わざわざHarrison Jrの背番号18番を裏返した元アリゾナのエースWR Anquan Boldinのユニフォームを着こんでドラフトの瞬間を視聴するぐらい。

ルーキーシーズンから1000yardは余裕で達成できるのでないかと期待されているが、チームのレジェンドであるLarry Fitzgeraldのルーキーシーズンと同じ16試合780yard程度が目標値だろうか。

余談だが新人なのにユニフォームの権利問題で裁判を抱えている。

#14 Michael Wilson

Stanford, 6-2, 213lbs, February 23, 2000(24歳), 2023年3巡94位(ARI), 4年$5.3M(2年目), 24年のcap hit : $1.2M
23シーズンの成績:
13試合12先発
レシーブ:58回中38回成功, 565yard, 3TD

Harrison Jr.の陰で今シーズンのブレイクが期待される2人のWR候補の1人。サイズとセパレーション能力に優れ、カムバック系のルートを走らせてもゴール前の密集地帯でも頼りになる堅実なWR2になれそうな素材

Stanford大では怪我が多く目立った成績が残せなかったものの、万全の状態で臨んだシニアボウルで大活躍し一部のドラフトマニアを騒然とさせた。

ルーキーイヤーの昨年は565yard 3TDとまずまずの活躍。復帰したMurrayとは終盤に徐々にタイミングが合い始め、最終戦のSEA戦では95yardを記録。

しかし、本人的にも昨シーズンは満足がいかなかった様子。今オフは合同自主トレ期間もずっとQB Murrayと練習を共にしており、先発として迎える今シーズンにかける意気込みは非常に強い。

余談だが、ガールフレンドは女子サッカーアメリカ代表。パリオリンピックはMurrayとの練習優先で見に行かなかったらしい。

#4 Greg Dortch

Wake Forest, 5-7, 175lbs, May 29, 1998(26歳), 2019年UDFA(NYJ), 1年$1.0M(ERFA), 24年のcap hit : $1.0M, 21年シーズン前FA加入(ATL)
23シーズンの成績:
11試合2先発
レシーブ:41回中24回成功, 280yard, 2TD
キックオフリターン:17回360yard, 平均21.2yard, 最長40yard
パントリターン:29回275yard, 平均9.5yard, 最長49yard

Harrison Jr.の陰で今シーズンのブレイクが期待されるもう一人のWR候補。
小柄なslot WRながらルートラン、キャッチ能力に優れ、QB Murrayからは「もしDortchの身長が6-3あればtop5で指名されていた」と高い評価を得ている。

2019年のUDFAとしてNYJ,CAR,LAR,ATLなどを転々としつつ、2021年のシーズン前にARIに加入。ST要員やリターナーとして徐々に出番を増やしつつ、タイプの近い元1巡のHollywood Brown、元2巡のRondale Mooreが負傷したタイミングでも代役として出場し、着実に結果を残していた。

オフにBrownとMooreが移籍するとともにキャリアで初めてスターター扱いでのシーズンを迎えることとなり、チーム周辺から期待の声が寄せられている。

余談だがプレシーズンのCMでは現役選手で唯一?CM化されていた。


#10 Chris Moore

Cincinnati , 6-1, 200lbs, June 16, 1993(31歳), 2016年4巡107位(BAL), 1年$2.0M(1年目), 24年のcap hit : $2.0M, 24年シーズン前FA加入(TEN)
23シーズンの成績:
17試合5先発
レシーブ:35回中22回成功, 424yard, 0TD

プロ9年目のベテランWR。ST兼控えの1番手として期待される。

ここ2年連続で400yard以上を連続で記録。昨年はTENで地味にair yard20yard以上のパスを14回中7回キャッチしているため、外WRの控えとしてはまずまず期待できそう。

#0 Zach Pascal

Old Dominion , 6-2, 215lb , December 18, 1994(29歳), 2017年UDFA(WAS), 2年$4.5M(2年目), 24年のcap hit : $2.7M, 23年シーズン前FA加入(PHI)
23シーズンの成績:
14試合1先発
レシーブ:15回中4回成功, 19yard

STで活躍するベテランWR。別名ワイドブロッカー。

昨年HCのGannonと共にPHIから2年契約で移籍。しかしながら大半のスナップはキックオフとパントで、WRの層が薄かったにもかかわらずパスターゲットになる機会はほとんどなし。むしろオープンランでのブロッカーとして起用されているようで、WRながらランブロックとパスターゲットとしての出場機会は半々程度。

ドラフトやFAを通してチームが多くのWRを補強したためロースター残留が危ぶまれたものの、ST要員としての信頼が厚いためかしぶとく残留している。

#30 Xavier Weaver

Colorado, 6-1, 180lbs, October 12, 2000(23歳), 2024年UDFA(ARI),3年$2.9M(1年目), 24年のcap hit : $0.8M

プレシーズンで結果を残した期待のUDFA。

元々PSに残れれば御の字とのキャンプ前の予想であったが、キャンプ以降は一貫して評判が良くpre week3のDEN戦では最長43yardのパスを決めるなど活躍。同期でドラ6WRのPalmerを押しのけ53ロースターを確保した。

地味にKR,PRができるのもポイントが高い。

#12 Zay Jones(SUS 5)

East Carolina , 6-2, 200lbs, March 30, 1995(29歳), 2017年UDFA(BUF),
1年$2.5M(1年目), 24年のcap hit : $1.7M, 24年シーズン前FA加入(JAX)
23シーズンの成績:
9試合7先発
レシーブ:64回中34回成功, 321yard, 2TD

22年シーズン前にJAXで3年24Mとまずまずの契約を結び、22年シーズンに82キャッチ823yardとまずまずのキャリアハイを記録。しかし、翌23年シーズンは2度の負傷もあり成績が伸び悩み、24年ドラフトでJAXが1巡WR Brian Thomas Jr.を指名した後に解雇された。

その後ARIと契約するも昨年のDVを理由に5試合出場停止。何しに来た。
負傷者が徐々に出始める中盤以降の巻き返しに期待。

OT

#70 Paris Johnson Jr.

Ohio St. , 6-6, 313lbs, July 3, 2001(23歳), 2023年1巡6位(ARI),4年$28.0M(2年目), 24年のcap hit : $6.3M
23シーズンの成績:
17試合17先発
スナップ数:1133(100%)

23年ドラフトの全体6位。OTとしては最初に指名された有望株。
能力だけでなく人格面も評判が良く、高校時代に財団を立ち上げ、退役軍人やアスリート、ホームレスなどの支援を行っている。

昨年はカレッジで経験のなかったRTを務めながらチームで唯一オフェンスの全スナップに出場。開幕から対面がJ.Allen(WAS), Thibodaux(NYG), Parsons(DAL), Bosa(SF), Hendrickson(CIN)とかいうスパルタ教育ぶりだった。

今期は長年先発を務めたHumphriesに変わりLTの先発として起用される見込み。長期的なLTの先発、そして将来的なチームリーダーとして多くの期待が寄せられている。

余談だか、父親のParis Johnson Sr.も1999年にアリゾナからドラフト5巡で指名されている。

#73 Jonah Williams

Alabama, 6-5, 312lbs, November 17, 1997 (26歳), 2019年1巡11位(CIN), 2年$30M(1年目), 24年のcap hit : $6.6M, 24年シーズン中FA加入(CIN)
23シーズンの成績:
17試合17先発
スナップ数:1088(100%)

LT,RT両方の経験がある元1巡OT。

2020年から2022年にかけてベンガルズのLTを務めるも、23年にOrlando Brown jr.獲得の煽りを受けてRTへのコンバートを命じられる。
その後LTでの出場機会を求めてトレードリクエストするも成立せず、大人しく1年間RT務め上げた。

アリゾナでもRTの先発として起用される見込みだが、キャンプで32チーム最弱と噂されるアリゾナのEDGE達にやられる姿がSNSで続々と投稿され、ファンの不安を煽っている。

#68 Kelvin Beachum

SMU, 6-3, 308lbs, June 8, 1989 (35歳), 2012年7巡248位(PIT), 2年$5.1M(2年目), 24年のcap hit : $2.6M, 2020年シーズン前FA加入(NYJ)
23シーズンの成績:
11試合2先発
スナップ数:212(29%)

スイングタックル(左右両方のOTを守れる選手)として定評のある35歳の大ベテラン。期待のルーキーが伸び悩んだり、先発候補のFA選手がコロナ欠場からの翌年引退と丸2年失踪したりしていたアリゾナで20年から22年の3年間、例年$2M前後のサラリーでこき使われながらも、ほぼRTの先発を務めていた。

昨年は全体6位ルーキーParis Johnsonの加入により控え1番手に降格。終盤Humphriesが負傷離脱するとLTのバックアップとして出場していた。先発にいると物足りないが控えにいると心強い選手。

余談だがチーム内のあだ名はGrandpa(おじいちゃん)

#75 Christian Jones(IR)

TEXAS, 6-5, 318lbs, May 12, 2000(24歳), 2024年5巡162位(ARI), 4年$4.0M(1年目), 24年のcap hit : $0.5M

カレッジでも左右両方のOTとして4年間の先発実績があり、経験豊富な5巡ルーキー。

控えのOT、そして将来的なRTの先発として期待がかけられる選手であり、プレシーズンもLT,RTとして多くの出場機会を得ていたが3連続ホールディングなどプロ審判の洗礼を浴びていた。

OG

#76 Will Hernandez

Texas-El Paso , 6-2, 332lbs, September 2, 1995(28歳), 2018年2巡34位(NYG), 2年$9.0M(2年目), 24年のcap hit : $5.3M, 2022年シーズン前FA加入(NYJ)
23シーズンの成績:
17試合17先発
スナップ数:1112(98%)

近年不安定な状態が続くオフェンスラインにおいて最も頼れる男。

元NYG2巡で2017年のオールルーキーチームにも選ばれる有望株であったものの、2年目以降は結果を残せないシーズンが続いていたため契約延長ならず。しかし、22年に移籍先のアリゾナで大学時代のHCである当時のOLコーチSean Kuglerと再会すると共に被プレッシャー率が改善し評価が向上。

その後、恩師との痴漢解雇による社会的な別れ、両サイドのCとRTが毎年コロコロ変わる不安定な状況にもめげずに2年間で30試合に先発。

24シーズン終了時点で契約切れとなるがシーズン中の契約延長を求める声も多い。

余談だが今シーズンに入って突然それっぽいひげを生やした。


#62 Evan Brown

SMU, 6-3, 320lbs, September 16, 1996(27歳), 2018年UDFA(NYG), 3年$2.3M(2年目), 24年のcap hit : $2.3M, 2024年シーズン前FA加入(SEA)
23シーズンの成績:
16試合16先発
スナップ数:960(91%)

一通りのiOL出場経験がある便利なベテランOL。

C,RGとして直近3年間先発経験があるものの、アリゾナではキャンプ前には9人ぐらいいたLGの先発候補に競り勝ち、開幕戦の先発として起用される。

余談だがアリゾナのOLの中で一番筋トレがすごいらしい。(Froholdt談)

#74 Isaiah Adams

Illinois, 6-4, 316lbs, July 21, 2000(24歳), 2024年3巡71位(ARI), 4年$6.0M(1年目), 24年のcap hit : $1.1M

ランブロックが自慢の3巡LG。

ランオフェンスが軸らしいIllinoisではLGの先発として評価を上げるも、チーム事情から最終年にはRTにコンバート。パスプロに難があり評価を下げたが、その後シニアボウルで上位候補のDL相手に大活躍。シニアボウルのExecutive DirectorであるJim Nagyからスリーパー候補として推薦される。

プレシーズンではPFF Gradeで新人iOLの中でランブロックが最高評価、パスプロが下から2番目と噂通りのピーキーな評価。

今シーズンは先発OGが固まっている状況ではあるため、翌年以降の先発ポジション獲得を目指して経験を積んでほしい。

#59 John Gaines

UCLA, 6-4, 303lbs, May 24, 1999(24歳), 2023年4巡122位(ARI), 4年$4.2M(1年目), 24年のcap hit : $1.0M
23シーズンの成績:
出場なし

怪我からの復帰を目指す2年目OL。

カレッジではLG,RG,C,RTとして出場経験があり、昨シーズンはCの控えとして期待されていた。しかし、プレシーズン最終戦で膝靭帯を断裂しシーズン終了。

2年目の今期はロースター残留すら危ぶまれていたものの、HC Gannon曰く、オフシーズンは新婚旅行以外毎日トレーニング施設にいたとの勤勉さを見せロースターに残留。(アリゾナのGMやHCはとにかく下手でも勤勉な選手に弱い)

とはいえ現状はまだ怪我からの復帰途上で出場機会が制限されている。まずは控えiOLとしての地位を確立するところからだろうか。

C

#72 Hjalte Froholdt

Arkansas, 6-5, 310lbs, August 20, 1996(27歳), 2019年4巡118位(NE), 3年$14.6M(1年目), 24年のcap hit : $4.1M, 2023年シーズン前FA加入(CLE)
23シーズンの成績:
16試合16先発
スナップ数:1126(99%)

NFLでは珍しいデンマーク出身のセンター。

CLEではC,Gをこなせる便利な控えとして起用されていたが、よほどGM OssenfortがNEのカレッジスカウトを担当していた時期に気に入っていたのか、CLEから移籍したOC Petzingの入れ知恵があったのか、それまでプロ4年間で6試合しか先発経験がなかったFroholdtを2年契約の先発待遇で獲得。

これが功を奏し不動のセンターとして全試合に先発出場。直近数年間のアリゾナのセンターのクオリティが低かったこともあり、ファンからも好意的にみられている。(センターなのにフォルススタートするColeとか、能力高いけど怪我が多く開幕前に引退騒動起こすHudsonとか、スナップすらできないPriceとか)

今期はシーズン開幕前に2年$12Mの契約延長を獲得。末永くできれば安価に活躍してほしい。

余談だが、自宅に特大のトレーニングルームがある筋トレマニアで、トレーニング用具を「ガールフレンド」として紹介する謎の動画をinstagramに投稿している。


#63 Trystan Colon

Missouri, 6-3, 313lbs, March 23, 1998(26歳), 2020年UDFA(BAL), 1年$1.7M(1年目), 24年のcap hit : $1.7M, 2023年シーズン前FA加入(BAL)
23シーズンの成績:
16試合4先発
スナップ数:323(28.5%)

一通りのiOLがこなせる便利な控えOL(アリゾナにはやたらとこのタイプが多い)

昨シーズンのロースターカットのタイミングでアリゾナに加入。シーズン通して先発を固定できなかったLGで4試合に先発。暫定先発だったWilkinsonやDaley師匠よりはだいぶマシだったので残留できて何より。


DT

#98 Roy Lopez

New Mexico St., 6-2, 318lbs, August 7, 1997(27歳), 2020年6巡195位(HOU), 2年$1.8M(2年目), 24年のcap hit : $1.0M, 2023年シーズン中FA加入(HOU)
23シーズンの成績:
14試合5先発, 395スナップ
42タックル, 2TFL, 0サック

地元アリゾナ出身の選手でランストップの要となる3-4DT。

昨シーズン途中に負傷者が多発したDLの補充要員として加入。
3-4DTがフィットしたのか当時の先発であるLeki Fotu離脱後は先発として定着。24シーズン前にも再契約を果たし、キャンプ前はTongaの控えとして予想されていたものの、プレシーズンを通して評価を上げ先発として開幕戦に出場。DC Rallisからも「ディフェンスのリーダーになってほしい」と期待されている。

余談だがHOU時代の試合中にタオルを投げたことがある。


#95 Khyiris Tonga

BYU, 6-4, 338lbs, July 7, 1996(28歳), 2021年7巡250位(CHI), 1年$1.7M(1年目), 24年のcap hit : $1.7M, 2024年シーズン前FA加入(MIN)
23シーズンの成績:
14試合2先発, 188スナップ
15タックル, 1TFL, 0サック

150kg以上の体重を誇る置石DT。だがドラフト時の評価を見る限りパワーはそこまで強くなさそう。

これまで3年間で40試合に出場登録されるも先発は6試合と限定的。おそらくランストッパーとしてローテーション起用されていたものと思われる。

DLを極力ローテーションする方針のアリゾナDにおいても、Lopezの交代要員として一定の出場機会がありそう。

余談だがBYU編入前に2年ほど宣教師をしていたらしい。

DE

#92 Bilal Nichols

Delaware, 6-4, 313lbs, September 14, 1996(27歳), 2018年5巡145位(CHI), 3年$21.0M(1年目), 24年のcap hit : $5.0M, 2024年シーズン前FA加入(LV)
23シーズンの成績:
17試合17先発, 615スナップ
48タックル, 4TFL, 1.5サック

大柄で頑丈なB GAPディフェンダー。300lbsを超えるサイズが武器で、28歳とFA選手として脂がのっている時期。

特筆すべきはその頑丈さで、直近4年間で67試合全試合に出場し、内65回に先発している。昨シーズンリーグ最下位に低迷したランディフェンス改善のため、3年契約で加入し、本人もチームのインタビュー記事で「I want us to be known as a very physical defensive line. Stop the run.」と息巻いている。

#93 Justin Jones

North Carolina St. , 6-3, 309lbs, August 28, 1996(28歳), 2018年3巡84位(LAC), 3年$30.0M(1年目), 24年のcap hit : $6.5M, 2024年シーズン前FA加入(CHI)
23シーズンの成績:
17試合17先発, 739スナップ
49タックル, 10TFL, 4.5サック

大柄で頑丈なB GAPディフェンダー。300lbsを超えるサイズが武器で、28歳とFA選手として脂がのっている時期。

特筆すべきはその頑丈さで、直近2年間で全試合に先発出場している。昨シーズンリーグ最下位に低迷したランディフェンス改善のため、3年契約で加入し、本人もチームのインタビュー記事で「It's a man's game. Either I eat or you eat -- and I'm not going hungry today.」と息巻いている。

そう、ぶっちゃけNicholsとあんまり区別がつかない。

ちなみに、前述のNicholsとは2018年のシニアボウルで同じチームになったことをきっかけにずっと親交があり、いつか同じチームでプレーをすることが夢だった。とのこと。

願わくば向こう3年間2人揃ってアリゾナのランストップを支える存在となってほしい。

#55 Dante Stills

West Virginia , 6-4, 286lbs, December 14, 1999(24歳), 2023年6巡213位(ARI), 4年$4.0M(2年目), 24年のcap hit : $0.9M, 
23シーズンの成績:
15試合8先発, 533スナップ
47タックル, 5TFL, 3.5サック

昨シーズン3.5サックを記録した期待の2年目DE。
40yard4.85と3-4DEとしては比較的機動力も悪くない。

昨シーズンは開幕戦こそinactiveだったものの、2戦目以降出場機会を増やし、怪我人が相次いだ影響もあり8試合に先発。後半戦は50%以上のスナップ数を毎試合記録し、

今期はNichols,Jonesの獲得もあり2番手DEとして開幕を迎えたものの、出場機会は与えられると予想されるため、来年先発を奪取できるぐらいの活躍をしてほしい。

#91 L.J. Collier

TCU , 6-2, 291lbs, September 12, 1995(28歳), 2019年1巡29位(SEA), 1年$1.0M(1年目), 24年のcap hit : $1.0M, 2023年シーズン前FA加入(SEA)
23シーズンの成績:
1試合1先発, 37スナップ
2タックル, 0TFL, 0サック

同地区シーホークスの元1巡DE。だ、シーホークスでは鳴かず飛ばずだった様子で5年目オプションを行使されることなく契約満了後にアリゾナに移籍。昨期はロースターに残るもののweek1の負傷が理由でIR入りしそのままシーズンエンド。何しに来た。

今期はロングスナッパー以下の給料で再契約したものの、本人は「俺にはここ(アリゾナ)でやり残したことがある」「怪我さえなければ今頃複数年契約していたはずだ」といたって自信満々。果たしてどうなることやら。。。

余談だが、CollierがインタビューでDarius Robinsonの新人王獲得を予言した数日後にDarius Robinsonが負傷しました。現場からは以上です。

#56 Darius Robinson(IR)

Missouri, 6-5, 286lbs, September 13, 2001(22歳), 2024年1巡27位(ARI), 4年$13.9M(1年目), 24年のcap hit : $2.5M

未来のアリゾナディフェンスを支えるであろう期待の1巡DE。

カレッジを通じてDT,DEの経験があり、昨年はEDGEとして起用され8.5サックとブレイク。
34.5インチ(88cm)の腕の長さとパワーを活かしたブルラッシュでブロッカーを押し込み、相手が態勢を崩したところで引きずりおろすハンドテクニックが武器。ただし、これ以外のパスラッシュの引き出しがなさそうなのが不安材料。

アリゾナでは3-4DEとして起用される見込み。プレシーズン初戦でもNOの先発急を相手に活躍したものの、開幕直前に負傷し無念のIR入り。最速でweek5以降に復帰可能であるため、シーズン中盤以降からの活躍が期待される。(DLやっぱり弱そうなので早く試合に出てほしい)


OLB

#25 Zaven Collins

Tulsa, 6-4, 260lbs, May 19, 1999(25歳), 2021年1巡16位(ARI), 3年$18.7M(1年目), 24年のcap hit : $6.9M
23シーズンの成績:
17試合17先発, 637スナップ
41タックル, 6TFL, 3.5サック
1INT, 3PD

ランディフェンスとパスカバーに定評のある元1巡LB。

カレッジではPower5外のTulsa出身ながらLBに関わる賞を総なめにし、Parsons(DAL),JOK(CLE)に次ぐドラフト上位候補LBとして期待されていた。アリゾナに指名されて最初の2年間も主にILBとして起用され、2年目には100タックルを記録し順調に成長していた。

しかし、首脳陣が刷新した23年シーズンの開始前、HCのGannonからEDGE転向を命じられる。We have a plan for you.との回りくどい提案に対してもYes, sir.と二つ返事だったらしい。Collins自身もやや天然気味ではある。

昨シーズンは慣れないパスラッシュに苦戦する一方、ILBで鍛えたランディフェンスや大型LBらしからぬ機動力を活かしたパスカバーが評価され昨年のPFF Gradeはチーム内のディフェンス選手としてはトップ評価。ファンからは早くILBに戻せとの批判が殺到した。

今シーズンは5年目オプションこそ行使されなかったものの、2年の契約延長を獲得。5年目オプション行使期限前にHCの元を訪れ、「何が起ころうとも私は毎日ここにいる。試合に向けて取り組み続ける。良い態度を持ち続ける。常にチームを第一に考える」と宣言するなど真摯な姿勢はチーム内から高く評価されている。CollinsのEDGEよりよっぽど適正のありそうなSにコンバートしてもらったくせに不貞腐れてクソみたいなプレーをかました挙句、捨て値でトレードされたアイザイアシモンズさんを反面教師にしたとかしないとか

どこかで天職であるILBに戻るのか、素質を開花させパスラッシャーとして成長していくのか、ファンの期待と悩みは尽きない。

余談だが、テンガロンハットを愛用しているためかついたあだ名はCowboy Collins。サックを決めた時のセレブレーションもカウボーイの投げ縄を模したものとなっている。

※cardinals公式チャンネルでも謎にファッションを特集されている。


#45 Dennis Gardeck

Sioux Falls, 6-0, 232lbs, August 9, 1994(30歳), 2018年UDFA(ARI), 3年$10.0M(3年目), 24年のcap hit : $3.8M
23シーズンの成績:
17試合8先発, 510スナップ
46タックル, 7TFL, 6.0サック
0INT, 4PD

アリゾナ一筋のベテランOLB。チーム内でLS Brewer、S Bakerに次ぐ3番目の古株。

これまで4人しかNFL選手を輩出していないSioux Falls大からUDFAでCardinalsに入団すると、STで徐々に経験を積みキャプテンに就任。20年からは徐々にディフェンスでの出場機会を増やし、20年は7サック、23年は6サックを記録している。

スピードラッシュやbend(姿勢を低く保ちながら相手OTを回り込む技術)が得意で刺さる相手にはサックを量産するが、小柄さは否めずランストッパーとしてはそれほど機能しないため、パスシチュエーションでの起用が多い。

余談だが、トレードマークの長髪からか付いたあだ名はthe Barbarian。

#43 Jesse Luketa

Penn St., 6-3, 253lbs, January 15, 1999(25歳), 2022年7巡256位(ARI), 1年$1.0M(1年目), 24年のcap hit : $1.0M
23シーズンの成績:
14試合1先発, 132スナップ
11タックル, 1TFL, 0サック
0INT, 0PD

STを中心に起用されるローテーションOLB。

チームへの献身性と陽気なキャラクターが自慢で、昨シーズンはSTやOLBだけでなくシーズン前からFBに取り組みODKのすべてに出場した。(ただしOLBは10スナップのみ)

今期で契約切れとなるが、細く長くチームに残りそうな予感がする選手。

余談だが、昨シーズンは試合会場に向かう際にタイヤがパンクし立ち往生するも、その場に居合わせたファンと仲良くなって会場まで送ってもらったことがあるらしい。陽キャ。

#52 Victor Dimukeje

Duke, 6-2, 262lbs, November 18, 1999(24歳), 2021年6巡210位(ARI), 4年$3.6M(4年目), 24年のcap hit : $1.1M
23シーズンの成績:
16試合6先発, 386スナップ
32タックル, 5TFL, 4.0サック
0INT, 1PD

STを中心に起用されるローテーションOLB。
比較的軽量な選手が多いCardinalsのOLBの中でもひときわ重く、ランディフェンスでの出場機会がやや多い。(昨シーズンはラン195snap,パス151snap)

読み方はdee-moo-KAY-gee。

#54 Xavier Thomas

Clemson, 6-2, 244lbs, December 20, 1999(24歳), 2024年5巡138位(ARI), 4年$4.4M(1年目), 24年のcap hit : $0.9M

潜在能力の高さが期待される新人OLB。

元5Starかつ同世代で全米3位評価の有望株で、Clemson時代もルーキーイヤーから試合に出場していた。しかし、コロナ禍での体調不良とそれに伴う体重増加、22年シーズンの骨折などもあり思うようなシーズンを過ごせていなかった。ドラフト前年の23シーズンは全試合に出場しPass rush win rate17.1%とまずまずの活躍。その後招待されたShrine Bowlでは相手OLを圧倒し、Shrine Bowl大好きなアリゾナGMの目に留まったためか5巡で指名される。

高い身体能力を活かしたパスラッシュが期待されるが、懸念点は前述の通りの体調面とドラフト指名時点で24歳とやや高齢なこと。

手薄なOLBで出場機会を得つつ、今シーズンの成長が期待される選手。

#9 BJ Ojulari(IR)

LSU, 6-2, 256lbs, April 5, 2002(22歳), 2023年2巡41位(ARI), 4年$8.6M(2年目), 24年のcap hit : $2.0M
23シーズンの成績:
17試合0先発, 409スナップ
40タックル, 5TFL, 4.0サック
0INT, 1PD

昨年4サックを記録した、低迷するアリゾナのパスラッシュにおける希望の星。

昨年機能したパスラッシュに加えアーリーダウンのランDでも活躍できるよう、オフシーズンのトレーニングにより体重を10lbs程度増加させていた。各紙やOBから今シーズンのブレイク候補扱いされ、背番号もMHJ獲得のあおりを受けて1桁台の9番に切り替えるなどチーム内外から高い期待を寄せられている。

・・・はずだったがキャンプ中の負傷により無念のシーズンエンド。来期頑張りましょう…

兄はNYGのAzeez Ojulari。

ILB

#7 Kyzir White

West Virginia, 6-2, 234lbs, March 24, 1996(28歳), 2018年4巡119位(LAC), 2年$10.0M(2年目), 24年のcap hit : $6.8M, 2023年シーズン前FA加入(PHI)
23シーズンの成績:
11試合11先発, 409スナップ
90タックル, 9TFL, 2.0サック
1INT, 3PD

ディフェンスの中心を担うチームキャプテン。

23シーズン前にHC Gannon、DC Rallisと共にEaglesから移籍。おそらく、新しいディフェンスを選手に伝える役割もあったのだろう。
昨シーズンはキャプテンとディフェンスのシグナルコーラーを兼務。3-4ILBとして負傷離脱するまでの11試合でチームトップの90タックルを記録し、チームの中心として機能した。

余談だが、2015年に全体7位でシカゴベアーズに指名されたKevin Whiteは実の兄。

#2 Mack Wilson Sr.

Alabama, 6-1, 246lbs, February 14, 1998(26歳), 2019年5巡155位(CLE), 3年$12.8M(1年目), 24年のcap hit : $3.4M, 2024年シーズン前FA加入(NE)
23シーズンの成績:
17試合1先発, 305スナップ
37タックル, 4TFL, 3.5サック
0INT, 3PD

ILBもOLBもSTもできる使い勝手の良いベテランILB。

ルーキーイヤーは14試合に先発するもそれ以降のスナップ数は例年2-300程度と控えめ。Whiteの相方の先発候補として3年$12.8Mと比較的お買い得な契約。とはいえPD,TFL,SKもひととおり決めておりPFFの評価も81.5とかなり高め。

余談だが、Twitterがうるさい。

#44 Owen Pappoe

Auburn, 6-0, 225lbs, September 29, 2000(23歳), 2023年5巡168位(ARI), 4年$4.1M(2年目), 24年のcap hit : $1.0M
23シーズンの成績:
16試合1先発, 114スナップ
4タックル, 0TFL, 0サック
0INT, 0PD

機動力自慢のILB。

特徴はそのスピードでコンバインでは40yard 4.39sを記録。なんとIsaiah Simmonsさんと同じ、不吉。

とはいえILBとしてのランディフェンスはまだまだなので、STとしての貢献が求められそう。

読み方は"PAPP-oh"

#51 Krys Barnes

UCLA, 6-2, 229lbs, April 2, 1998(26歳), 2020年UDFA(GB), 1年$1.2M(1年目), 24年のcap hit : $1.2M, 2023年シーズン前FA加入(GB)
23シーズンの成績:
16試合6先発, 408スナップ
55タックル, 3TFL, 0サック
1INT, 6PD

キャリア6年目のベテランILB。

特筆するところはないが、在籍2年目ということもありWhite離脱時にはシグナルコーラーを務めるなどチーム内ではバックアップとして一定の評価をされている。

CB

#23 Sean Murphy-Bunting

Central Michigan, 6-0, 195lbs, June 19, 1997(27歳), 2019年2巡39位(TB), 3年$25.5M(1年目), 24年のcap hit : $6.0M, 2024年シーズン前FA加入(TEN)
23シーズンの成績:
14試合14先発, 840スナップ
57タックル, 3TFL, 0サック
2INT, 8PD

若手中心のCBにおける唯一のベテラン。

TBではスーパーボウル制覇を経験するも、3年目以降は負傷も多く新人契約後は契約延長されずに単年契約でTENに移籍。昨シーズンは1キャッチ当たりの被獲得yardが7.8から14に悪化し成績が伸び悩むも、3年$25.5Mとまずまずの契約金を獲得しCardinalsへ移籍。

個人としての活躍だけでなく、2年目以内の若手を5人抱えるCBのリーダーとしてユニットをまとめることが期待されている。

#21 Garrett Williams

Syracuse, 5-10, 192lbs, June 1, 2001(23歳), 2023年3巡72位(ARI), 4年$5.6M(2年目), 24年のcap hit : $1.2M
23シーズンの成績:
9試合6先発, 360スナップ
23タックル, 1TFL, 0サック
1INT, 2PD

CBユニットにおける期待の星その1。

Syracuse大では最終シーズンの22年に上位候補として期待されながらもシーズン途中に靭帯を断裂しシーズンエンド。Cardinalsに指名された昨年は前半をリハビリに費やすも、後半にNBのレギュラーを獲得。今期もキャンプから好調で先発としての地位を確立した。

#24 Starling Thomas V

Ala-Birmingham, 5-10, 194lbs, January 25, 2000(24歳), 2023年UDFA(DET), 3年$2.7M(2年目), 24年のcap hit : $0.9M
23シーズンの成績:
12試合7先発, 474スナップ
38タックル, 1TFL, 0サック
0INT, 5PD

スピードが武器の2年目CB。非公式ではあるものの、Pro dayの40yard走では40yard 4.28s。公式記録では歴代13位タイの記録。

23シーズン前にDETからUDFAとして指名されるも、ロースターカットのタイミングでアリゾナに移籍。同期のKei'Trel Clarkと先発を分け合い7試合に先発。

今シーズンはキャンプでの評価が高く、開幕先発の座を獲得した。

#13 Kei'Trel Clark

Louisville, 5-10, 181lbs, March 19, 2001(23歳), 2023年6巡180位(ARI),4年$4.0M(2年目), 24年のcap hit : $1.0M
23シーズンの成績:
14試合7先発, 464スナップ
43タックル, 2TFL, 0サック
0INT, 4PD

内外両方を守れる身体能力が高いCB。

昨シーズンは6巡ルーキーながら開幕戦を含む7試合に先発。ただし、なかなか苦戦していた様子で後半はStarling Thomasに出場機会を譲っていた。

今シーズンはNBの控えとして開幕を迎える。

余談だが特技はバク中。たびたび公式Twitterにも掲載されている。


#16 Max Melton

Rutgers, 5-11, 193lbs, April 15, 2002(22歳), 2024年2巡43位(ARI), 4年$8.9M(1年目), 24年のcap hit : $1.6M

こちらも内外両方を守れる身体能力が高いCB。

昨シーズンはRutgers大の先発CBとして活躍。ムラが多いタイプではあるものの、Ohio State戦では現チームメイトのMarvin Harrison Jr.を4キャッチ25yardとほぼ完封している。おそらくこの姿を見たアリゾナ首脳陣から高く評価され2巡指名されたものと思われる。

今シーズン後半位から先発としての地位を確立してほしいところ。

#30 Darren Hall

San Diego St., 6-0, 190lbs, May 2, 2000(24歳), 2021年4巡108位(ATL),1年$1.0M(1年目), 24年のcap hit : $1.0M, 2024年シーズン前FA加入(IND)
23シーズンの成績:出場なし

プレシーズンで活躍した4年目CB。

22年に9試合に先発したものの昨シーズンは出場機会なし。
CB登録ながらプレシーズンではSとしても3試合に出場し17タックル3PDとまずまずの活躍。Sの控えが手薄なこともあり53ロースターに残留。

3巡ルーキーのElijah JonesがIRから復帰するまでがシーズン通してロースターに残れるかの分かれ目になりそう。

#25 Elijah Jones(IR)

Boston Col. , 6-2, 184lbs, January 8, 2000(24歳), 2024年3巡90位(ARI), 4年$5.6M(1年目), 24年のcap hit : $0.7M

サイズが武器の3巡ルーキー。

マンカバーを得意とし、昨シーズンは9試合で5回のインターセプトを記録。シニアボウルでも活躍し、OGのAdams同様シニアボウルのExecutive DirectorであるJim Nagyからスリーパー候補として推薦される。

今期はIRでのスタート。2,3年目にSean Murphy-Buntingから先発の座を奪えることが期待値か。

S

#3 Budda Baker

Washington, 5-10, 195lbs, January 10, 1996(28歳), 2017年2巡36位(ARI),2年$28.2M(2年目), 24年のcap hit : $19.0M
23シーズンの成績:
12試合12先発, 764スナップ
87タックル, 5TFL, 0サック
0INT, 0PD

在籍8年間でプロボウルに6回選出されている近年のArizona Cardinalsを代表する選手でチームの精神的支柱。

最大の魅力はランサポート能力でシーズン100タックル以上を4回、2019年にはリーグ最多タックルを記録している。オープンスペースでものすごい速さでキャリアーに迫ってくるアリゾナの選手がいたとすれば9割型このBudda Bakerで、残りの1割はThompson。DLとLBがキャリアー漏らすからタックル数が増えるとか言ってはいけない。

強いて懸念点を上げるとすれば、インターセプトを量産するタイプではないことと、ここ数年小さな怪我で離脱する場面が増えてきたこと。

今シーズンで契約が切れるものの、チーム周辺からは早期の契約延長を求める声が絶えない。チーム外からはトレードを求める声も絶えない。

#34 Jalen Thompson

Washington St., 5-11, 190lbs, July 18, 1998(26歳), 2019年5巡(ARI)※サプリメンタルドラフト,3年$36.0M(2年目), 24年のcap hit : $12.4M
23シーズンの成績:
15試合15先発, 938スナップ
78タックル, 5TFL, 1.0サック
4INT, 9PD

アリゾナディフェンスの柱であるSのもう一人の先発。

Baker同様ダウンフィールドへの反応がよく、hitchやscreenといったショートヤードのパスでは相手のブロッカーをかわしてタックルするシーンが散見される。

そのタックルのうまさを評価されてか昨シーズン前半はNBへコンバートされていたが、Garrett Williamsの回復に伴い本職のSに復帰。今期も5人のDBを投入することが多いアリゾナディフェンスにおいて、状況に応じてBox SとSを兼任している。

#42 Dadrion Taylor-Demerson

Texas Tech , 5-10, 189lbs, January 20, 2001(23歳), 2024年4巡104位(ARI), 4年$4.9M(1年目), 24年のcap hit : $1.0M

ボールホークとして期待される4巡ルーキー。

ドラフト時の評価としてはボールスキルは優れている反面、タックル力が不安視されているとのこと、こちらもNBあたりが適正なのかもしれない。

近年Baker,Thompsonが負傷によりたびたび離脱することもあり、控えの1番手として今シーズンも出場機会はある見込み。2年後くらいにSの後釜として先発の座を掴めたら理想。

#32 Joey Blount

Virginia, 6-1, 201lbs, November 16, 1998(25歳), 2022年UDFA(SEA),2年$1.8M(2年目), 24年のcap hit : $1.0M, 2023年シーズン中FA加入(SEA)
23シーズンの成績:
11試合0先発, 25スナップ
7タックル, 0TFL, 0サック
1INT, 1PD

ST要員として期待される3年目。

昨シーズン途中からCardinalsに加入し、主にSTとして出場機会を得ていた。
今シーズンはDarren Hallとシーズン終了までロースター生き残りを競う形になりそう。

K

#5 Matt Prater

Central Florida, 5-10, 201lbs,August 10, 1984(40歳), 2006年UDFA(DET),2年$7.5M(2年目), 24年のcap hit : $4.8M, 2021年シーズン前FA加入(DET)
23シーズンの成績:
17試合
FG:33回中28回成功(成功率84.8%), 最長62yard(23シーズン最長記録)
TFP:23回中22回成功(成功率95.7%)

キッキングの飛距離が武器の20年目の大ベテラン。50yard以上のFG成功数は歴代最多で昨シーズンも12回中9回成功させている。

余談だが、Praterが最終戦のSEA戦で決勝FGを外したことでCardinalsの全体4位が確定した。アリゾナ界隈では「昨シーズンのMVP」「Marvin Harrison Jr.獲得に向けた陰の立役者」「試合前日にGMにしこたま飲まされたのではないか」などとあることないことを囁かれていた。

P

#12 Blake Gillikin

Penn St., 6-2, 196lbs, January 21, 1998(26歳), 2020年UDFA(NO),2年$3.7M(1年目), 24年のcap hit : $1.6M, 2023年シーズン中FA加入(NO)
23シーズンの成績:
13試合
Punt:51回, 平均50.6yard

昨シーズン途中に加入。1パントあたりの獲得yardは50.6yardでリーグ3位となかなかの成績。その甲斐あってか今シーズン開始前に2年の契約延長を獲得。

LS

#46 Aaron Brewer

San Diego St. , 6-5, 232lbs, July 5, 1990 (34歳), 2020年UDFA(NO),1年$1.4M(1年目), 24年のcap hit : $1.1M, 2016年シーズン中FA加入(CHI)
23シーズンの成績:
17試合出場。

在籍年数9年目のチーム最古参。
特に悪い評判を聞いたことがないというのが良いLSの証。知らんけど。


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