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人類の起源を辿る旅をで見つけた-人生の本質-

一人旅をしてみたいけれど、不安や心配が先に立ってしまう方も多いのではないでしょうか。誰かと一緒に行く旅も素敵ですが、一人で旅に出ることで得られる発見や成長は、何ものにも代えがたいものです。

今回は、大塚誠也さんの「人類の起源を辿る旅」を通して、一人旅の魅力と、その一歩を踏み出すためのヒントを紹介します。勇気を持って、未知の世界へ飛び出してみませんか?


神奈川県川崎市出身の大塚誠也さん(29歳)
現在、フリーランスのデザイナーとして活動し、場づくりに関わるグラフィックデザインやWebデザインを手がけています。


旅に出たきっかけ - 「なぜ人は生きるのか」という問い

Q:旅に出るきっかけを教えてください。

私が旅に出たのは、中学生の頃からずっと抱えていた「なぜ人間は生きているのか?」という根源的な問いに対する答えを見つけたかったからです。日常の中で何か意味を見つけようとしましたが、どうしても表面的な答えしか見つからない。そこで、もっと広い世界に出て、異なる文化や価値観に触れることで、自分の中にある答えに辿り着けるのではないかと考えました。

特に興味を持ったのが、人類の誕生したと言われるアフリカです。人間がどこから来て、どのように進化し、今の私たちに繋がっているのかを遡ることで、自分自身のルーツを辿り、なぜ生きているのかを考えるヒントが得られるかもしれないと感じました。
そこで、日本からアフリカを目指す「人類の起源を辿る旅」をしたいと思うようになりました。


最初の一歩 - タイでの初めての一人旅

Q:初めての一人旅はどんなものでしたか?

人類の起源を辿る旅を始めたかったのですが、初めての海外一人旅に対する不安が大きかったので、まずは東南アジアのタイへ行くことにしました。タイはバックパッカーにとって人気のある場所で、比較的安全と言われていたので、最初のステップには適していると思いました。

初めての海外一人旅は、不安でいっぱいでした。「本当に無事に帰れるのか?」という恐怖心が頭から離れず、最悪のシナリオばかりが浮かびました。準備をしている間も、頭の中には『もし病気になったらどうしよう』『野犬に襲われたら?』といった最悪の事態が渦巻き、必要以上に調べ物をしました。パスポートやビザの手配から、現地の病院の位置、そして野犬の倒し方まで、何度も確認しては不安を感じていました。

そして、航空券を買うときも、震える手で『本当にこれでいいのか』と葛藤しながら購入ボタンを押した瞬間を今でも覚えています。
それが、人生最初の一歩でした。


Q:その不安な一人旅で何を感じましたか?

タイに着いてからも不安は続きました。予約していたゲストハウスに到着しても、日本人はいなく、外国人が多くて緊張していましたし、英語もほとんど話せなかったので、最初は宿泊者が集まるラウンジに行く勇気もありませんでした。

でも、最初の1泊目の夜にメキシコ人のマルコさんが話しかけてくれたんです。「兄ちゃん、日本人か?」と日本語で話しかけてくれて、そこから会話が始まり楽しい旅に変わっていきました。
彼は日本の農業大学へ留学していたことがあり、日本語がとても流暢でした。マルコさんは旅の楽しみ方を教えてくれ、一緒に現地を巡り、他の旅人とも繋がることができました。

この経験を通じて、一人旅は孤独で寂しいものだと思われがちですが、実際にはそうではないということを学びました。一人で旅に出たとしても、旅先で出会う人々との交流が旅を豊かにし、新しい視点を与えてくれるんです。旅先での出会いが、自分の視野や価値観を広げ、思いがけない発見や成長の機会をもたらしてくれます。

特に、ゲストハウスはその出会いの場として最適な場所でした。初めてのゲストハウスでの経験を通じて、「旅は一人で行動することではなく、出会いと交流を通して広がるもの」ということを実感しました。


人類の起源を辿る旅 - 現地での体験から得た「なぜ生きるのか」の答え

Q:人類の起源を辿る旅で、印象に残った体験は何ですか?
最も印象に残っているのは、東チベットのアチェンガルゴンパで見た「鳥葬」という葬儀の儀式です。亡くなった方の遺体を鳥に食べさせることで、魂が空へと昇ると考えられています。

日本では火葬が一般的で、こうした葬儀の形は見たことがなかったので、非常に衝撃的でした。しかし、現地の人々はこれを非常に神聖な儀式として受け入れており、死を悲しむのではなく、循環するものとして捉えていました。

この体験を通じて、私の死に対する考え方が大きく変わりました。死は終わりではなく、次のプロセスへの移行であり、魂が自然と循環していく一部なのだと感じました。

この体験は日本では決してできないことだと思います。体験したことのない文化を肌で感じることで、人類がどんな考えをもち、どんな価値観を持ち、人間本来の核となる部分を辿っている感じでした。

Q:いろんな国の文化を体験したことで気づいたことはありますか?

さまざまな国や地域に行ったことで、異なる文化同士の間に共通点を見つけることができました。たとえば、日本の獅子舞とエジプトのスフィンクスには共通点があります。どちらも神殿の守護者であり、神聖な場所を守る役割を持っています。さらに、神社やピラミッドの構造も似ていて、参道の先に神が眠る場所があるという点でも共通しています。

こうした文化の繋がりを発見することで、人間がどれだけ共通した価値観を持っているのか、そして歴史や地理を超えて繋がっていることに気づきました。

Q:そのような文化を体験する上で行き先などは何か工夫していましたか?

簡単には行くことのできない秘境や僻地に行くように意識していました。観光地では、グローバル化の流れでたくさんの文化が混ざり合ってしまっていて、日本の生活との変化が小さく何か新たに発見することが少ないと思います。
秘境に行った際は、何百年も変わらず続けられてきた文化や生活様式に触れることができ、現代のグローバル化された世界とは異なる独自の時間が流れています。

文化のつながりを見つけながら、秘境でしか体験できない独自の文化や風景に触れる。例えば、チベットやアフリカで体験した儀式や祭りは、そこに住む人々の生活と密接に結びついており、その地域でしか得られない貴重な体験でした。
このような経験が僕は旅の面白さであり魅力だと思います。

Q:旅を通して「なぜ生きるのか」の答えは見つかりましたか?

完全な答えはまだ見つかっていませんが、旅を通して得た一つの大きなヒントは「人間は創造し、冒険することで生きる意味を見つける」ということです。

アフリカまでの旅の中でさまざまな文化を体験して、現地の人たちが自分たち歌を作ったり、アクセサリーを自分たちで作ったり、服、料理、ダンス、など。全部自分たちで全て作っていて楽しそうにやってたんすよ。その創造することがものすごく生きる上で幸せだと思えました。

また、今回の旅は自分にとっては未知の世界に飛び込んでいく「冒険」だったなと思います。未知の世界に飛び込んだからこそ「新しい発見」が見つかり、それが生きる糧になっていったなと思います。

そうした、創造と冒険を繰り返して行くことが人間が生きる意味ではないかなと思っています。


帰国後の変化 - 創造と冒険を繰り返す場所作り

Q:帰国後はどのように変わりましたか?

旅から帰ってきた直後、まず感じたのは「旅で得たものを形にしたい」という強い思いでした。すぐに自分が学んだことや経験を活かせることを考え始め、最初に手をつけたのは「ソフトゲストハウス」というプロジェクトです。物理的な場所がなくても、人が集まり、学び、交流できる場を作ろうと思い、国内留学という形でゲストハウスのような体験を提供する企画をスタートしました。

具体的には、外国人が多く集まる場所に日本人の参加者を招き、数日間一緒に暮らして異文化に触れてもらうという内容です。旅で感じた「異文化との交流の力」を日本でも体験してもらいたかったんです。そういった活動を通じて、少しずつ「自分がどのような場を作りたいか」が具体的に見えてきました。旅での経験がすぐに新しい活動に繋がっていった瞬間でした。


Q:今後のビジョンを教えてください。

これから特に力を入れていきたいのは、「冒険と創造が循環する場所」を作ることです。旅を通して、異なる文化や価値観に触れることで得た経験を、自分自身のプロジェクトとして形にしたいと思っています。その一環として、地元の神奈川県川崎市の武蔵新城でシェアハウスとまちの宿(分散型の宿)を運営し、人々が集まり、一緒に何かを創り出す場を提供したいです。


これから旅に出る人へ

Q:最後に、これから旅に出る人にメッセージをお願いします。

最初はめちゃくちゃ緊張すると思いますが、ぜひしっかり準備した上で「ひとり旅」をして欲しいと思います。
複数人ではなく一人で孤独な出発をすることで、その旅先でたくさんの出会いが生まれると考えています。旅は異なる文化や価値観に触れ、自分自身を新しい視点で見つめ直す機会です。冒険と創造を繰り返すことで、世界はどんどん広がっていきます。勇気を持って、最初の一歩を踏み出してみてください。

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