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芦毛の怪物の話
こんばんは、スギモトです。
note毎日投稿78日目です。
今日は競馬シリーズです。
今回紹介する競走馬は「オグリキャップ」です。
最近はめっきり競馬や競走馬の歴史にどっぷりとハマってしまい、史実を調べている際も目頭が熱くなってしまいます。
そんな僕がどうしても紹介したくてたまらない一頭である「オグリキャップ」は元地方競馬出身です。
地方では敵なし、連戦連勝の実績を引っ提げ中央競馬へと殴り込みをかけました。
僕自身地方出身の身であるので、どこか感情移入してしまいます。
中央競馬時代はスーパークリーク、イナリワンの二頭とともに「平成三強」と総称され、自身と武豊の活躍を中心として起こった第二次競馬ブーム期において、第一次競馬ブームの立役者とされるハイセイコーに比肩するとも評される高い人気を得ています。
「芦毛の怪物」呼ばれる「オグリキャップ」は、決して初めからエリートだった訳ではありません。
仔馬の頃は、右の前足が外に向いていて一人では立ち上がれなかったそです。
これは、競走馬にとって致命的な欠点です。
しかし、必死のトレーニングと牧場スタッフの懸命な矯正により徐々に改善されていきました。
1987年1月に笠松競馬場の鷲見昌勇厩舎に入厩し、5月19日のデビューのダート800mでは2着に敗れるも、2戦目で初勝利を挙げます。
お世辞にも良血とは言えない血統の伝説は8月12日のダート戦から始まります。
10月4日のジュニアクラウンで初重賞制覇、この年、重賞4勝を含む11戦9勝で終えました。
年が明けた1989年1月10日のゴールドジュニアを制し、この勝利を最後にオグリキャップは舞台を笠松から中央に移したのです。
地方での活躍は知られていたが当日の人気は2番人気でした。
しかし、後方からレースを進めると直線のみで他馬を突き離し噂に違わぬ勝ちっぷりを見せます。
続く毎日杯では重馬場ながら後方から進出をしゴール直前で前に行く馬を捉え優勝し中央でもその実力を遺憾無く発揮します。
その後も怒涛の活躍を続け、年が明けて1989年誰もがオグリの飛躍をを信じていた矢先、オグリの脚に異変が起きます。
陣営は1989年前半のローテーションとして、大阪杯、天皇賞(春)、安田記念、宝塚記念に出走するプランを発表したが、2月に右前脚の球節(人のかかとにあたる部分)を捻挫して大阪杯の出走回避を余儀なくされます。
さらに4月には右前脚に繋靭帯炎を発症。前半シーズンは全て休養に当てることとします。
ファンからは「引退」の二文字が囁かれました。
しかし、「オグリキャップ」は世間の声などなんのその、4か月の間に重賞6戦という「怪物伝説を決定的にする過酷なローテーション」を勝ち進みます。
その中でも毎日王冠の残り100mの地点でイナリワンとの競り合いは「オグリキャップのベストバトル」、また「1989年のベストマッチ」ともいわれています。
1900年に6歳馬となり、安田記念では武豊が初めて騎乗しレースでは2、3番手を追走して残り400mの地点で先頭に立ち、コースレコードの1分32秒4を記録して優勝しました。
続く宝塚記念では武がスーパークリークへの騎乗を選択したため、岡潤一郎が騎乗。
終始3、4番手に位置したが直線で伸びを欠き、オサイチジョージをかわすことができず2着に敗れました。
オグリキャップはレース直後に両前脚に骨膜炎を発症し、さらにその後右の後ろ脚に飛節軟腫(脚の関節に柔らかい腫れが出る疾病)を発症。
どんな強者にも衰えはやってきます。
1990年後半において、天皇賞(秋)とジャパンカップで大敗を喫し、その後第35回有馬記念が引退レースとなります。
多くのファンが固唾を呑んで見守る中、レースでは序盤は6番手につけて第3コーナーから馬群の外を通って前方への進出を開始し、最終直線残り2ハロンで先頭に立ち、追い上げるメジロライアンとホワイトストーンを抑えて1着でゴールイン、2年ぶりとなる有馬記念制覇を飾ります。
限界説が有力に唱えられていたオグリキャップの優勝は「奇跡の復活」「感動のラストラン」と呼ばれ、レース後、スタンド前でウイニングランを行った際には中山競馬場にいた観衆から「オグリコール」が起こったそうです。
「オグリキャップ」を伝説と言わしめる理由は、大舞台でのスター性ではないでしょうか。
引退レースの有馬記念こそ「オグリキャップ」が本物の伝説になった瞬間だと思います。
引退し死後もなおファンを惹き寄せ続けるその走りは、今後も語り継がれていくことでしょう。
いつか墓前に手を合わせに行きます。
今回はここまでです。
ついつい熱くなってしまいました。
それではまた明日。