【まいにち短編】#15 大きなうさぎさんと小さなうさぎさん
あるところに、体の小さなうさぎさんと大きなうさぎさんがいました。
小さなうさぎさんは、手先が器用なのでお裁縫やお掃除のお手伝いをして
みんなから頼りにされていました。
大きなうさぎさんは、力が強いので重いものを運んだり木を切ったりして
みんなから頼りにしていました。
ある時、王様からお城を修復するために手伝ってくれるひとを探しているらしいという噂が村に広まりました。
小さなうさぎさんは、手先の器用さを生化してお手伝いがしたいと言いました。
大きなうさぎさんは、力の強さを生かしてお手伝いがしたいと言いました。
けれども、王様に選ばれたのは大きなうさぎでした。
自分の器用さなんて何にも役に立っていないんじゃないかと思い、
小さなうさぎさんはたいそう悲しんで、毎日泣きました。
そんなことないと村のみんなは小さなうさぎさんを励ましましたが、小さなうさぎさんの耳には届きませんでした。
そんな時、大きなうさぎさんが小さなうさぎさんのお家にやってきました。
大きなうさぎさんは、細かい作業をするのが難しくて王様に怒られてしまうから
お仕事を手伝って欲しいと小さなうさぎさんに話しました。
小さなうさぎさんは自分になんてできることはないと言って断りました。
大きなうさぎさんは渋々仕事に戻って行きました。
しかし、小さなうさぎさんは、少し気になって、工事中のお城の様子を見に行きました。
すると、他のみんなは気づいていないけれど小さな小さなほころびに気づきました。
すぐさま小さなうさぎさんは手直しをしました。
その様子を王様が見ていました。
「ありがとう。君のおかげでお城が崩れなくてすんだよ」
と言って褒めてくれました。
小さなうさぎさんは少しは役に立てたと思って、喜びました。
そして、大きなうさぎさんに
「やっぱり手伝いたい」と言って
二人は力を合わせてお城のお手伝いをしました。
その結果、
たいそう豪華で、頑丈な立派なお城ができました。
おしまい。
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