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飯沼一家に謝罪しますに思う恨み
テレビ東京系で放送された「飯沼一家に謝罪します」
4話見終わり、考察サイトなども巡って、なるほどなぁと思ったのですが、私の中で「明正」についての感じ方が違ったので。
「飯沼一家に謝罪します」はどんな番組か
まずはここから。
20年前に放送された「飯沼一家に謝罪します」は、民俗学者・矢代誠太郎が過去の儀式の失敗を謝罪するという内容。矢代氏は、経営不振に苦しむ飯沼一家から依頼を受け運気を上げる儀式を行いましたが、その後、一家は火災で全員死亡。
矢代氏は儀式が原因と考え、謝罪番組を制作。
四十九日の裁きを受けると二階へ登るシーンで終わります。
番組では、この矢代氏のその後、飯沼一家について調べているうちに一家の長男・明正が生存していることも判明し、事件の背景にさらなる謎が浮かび上がります。
そして、飯沼一家の長男としてクイズ番組に出演していたのは、岸田良樹であることが判明します。
長男明正は引きこもりで、活発で成績優秀な誰かを表向き長男に仕立てあげ、クイズ番組に出演させます。このクイズ番組「幸せ家族王」は家族についての日常を撮影するため、良樹は長らく飯沼家に滞在し、クイズ番組内でもまさしく理想の息子、お兄ちゃんとして積極的に喋ります。
違和感なく長男役をやりきった良樹。
矢代氏が家族のために行った儀式。これに参加していたのはもちろん明正ではなく良樹でした。
良樹はテレビに出演し副賞の旅行を終えて実の母の元に戻った後からおかしくなっていきます。母親はここで矢代氏の儀式を突き止め、謝罪番組「飯沼一家に謝罪します」を作り矢代氏に公に謝罪させるのです。
結末としては、矢代氏の儀式の際、幸せになるための儀式としていらないものを書かせ、それを取り除こうと儀式したわけですが、良樹意外の家族は「明正」を不要とし、それに対し、オカルトに興味のあった明正は呪い返しを行った結果、良樹にも跳ね返ったのではと、テレビ局の差し出した証拠に明正が「ごめんなさい」と謝る声で締めくくられるというものでした。
(わかりにくいと思うので、ぜひTVerで見て)
飯沼一家は儀式の後も消えない明正を排除したかった。
ドラマの中ではクイズ番組後、おかしくなっていく家族の様子がテレビ局に送られて来ています。その中には良樹も映されていて、様々な心霊スポットを巡っています。
その心霊スポットを巡る動画のラストに壁を向くお母さんと妹、そして二階の階段から覗く明正を追いかける父親と思われるシーンで終わります。
このシーン、おそらく明正の呪詛返しによって、家族がおかしくなっていくわけですが、明正を追う父親を見たりする限り、明正を決して家族の輪に入れる気のない父親が追い払うために追いかけたように感じます。
そして最終話、明正が映した家族の動画は暗闇でクイズ番組を繰り返し見ている明正意外の家族の背中、その後、あっちの世界に行くのに必要な輪っかが映りもう一度居間を映すと、テレビを背に明正を睨む家族……。
それは矢代氏の儀式でいらないものにしたはずの「明正」がなぜまだいるのだ。
お前は私たちの理想の家族に不要である。
と突きつけているようです。
一家にとっての理想ではない「明正」を排除したいと言う強い想いを感じます。
本当に謝罪すべきは飯沼一家
通して見て感じたのは、全ての元凶は「明正」を排除したかった飯沼家が矢代氏の中途半端な儀式で明正を呪おうとしたこと。これに尽きるのではないのかなと思います。
良樹も明正の身代わりなどされなければあんなことにならないでしょうし。
特に私が親から嫌われて育った環境が、謝罪まではぐらかし続けた明正の気持ちが分かるような気がして、いたたまれなくなるのです。
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