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37歳で第三子を産む【無痛分娩に再チャレンジ】

9月4日、予定どおりの計画無痛分娩で、末っ子長女が生まれました。2870g、49.0cm、母子ともにすこやかです。

第一子は予定日前日、陣痛からの普通分娩。第二子は計画無痛分娩でしたが、破水後いきなり陣痛が強まって麻酔が効くより先に生まれてしまい、助産師さんに「無痛に向かない体質っぽいから、次回は普通がいいかもね」と言われました。そのとき、秒で「いや、次回はないんで!!」と答えたのに、同じ病院で第三子を産むのだから、人生なにがあるかわかりません。

せっかく「妊娠・出産」という経験をするのだから、最初はまず陣痛をしっかり体験してみたい。次は、みんなが「劇的に楽」という無痛分娩を試してみたい……というのが、第二子までのあらすじ。で、スピーディーな超安産とはいえ無痛には失敗したわけだから、今度こそ麻酔をうまく使ってみたい! というのが今回のお産でした。

私のお産はいつも「子宮口」はじまり

毎回、36週の健診くらいから徐々に開きはじめる私の子宮口。妊娠後期の最後はいつも、2~3cm開いている子宮口を抱えたまま残りの仕事をさばく……という作業をしていたように思います。

今回も37週時点で3cmほど開いていて、翌38週1日での計画分娩が決まりました。前回と同様、病院からいくつか日程の候補をいただいたうえで、夫婦の仕事と生まれてくる赤ちゃんの運勢が最もよい日をセレクト(私の実母は四柱推命の鑑定士です)。「もしかしたらそれまでに陣痛来ちゃうかもしれないけどね」と言われるのも、毎度のことでした。

だから「陣痛を促すためにいっぱい歩く」とかしたことがなく、臨月はいつも「計画分娩日まで出てこないように、できるだけ安静に過ごす」ばかり。これが、分娩時に思いがけない事態を呼ぶことになるとは、まったく想像していませんでした。

7:30 子どもたちとハグ

うっかり陣痛や破水がきてしまうこともなく迎えた、入院当日の朝。いつもはぎりぎりまで寝ている次男も早く起きてきて、みんなで「がんばってね」と見送ってくれました。

長男→次男と順番に思いっきりハグをして、身体を離したとたんに次男がぽろぽろと涙……。4泊も離れるのはじめてだもんね(3泊は出張とか旅行とかで離れたことあるけどね)。でも、お産となるとなんか不安だよね。次男をもう一度ハグしたら、その様子を見ていた長男が「順番に一回ずつハグだと思ったから僕はできるだけ早く離れたのに、泣いたらもう一回ハグしてもらえるの? いや、でも、泣いてるんだから仕方ないよね……僕もちょっとだけ泣きそうだけど……」と複雑な気持ちになったのが手に取るようにわかったので、長男とももう一度ハグしました。

こりゃあ入院が延びたりしようもんなら次男のメンタルが大変だぞ……と気を引き締め、今夜できるだけ早く、できるだけ元気な姿で子どもたちに会えるよう、母子ともすこやかなスピード出産をしようと心に誓う。

9:00 3.2.1.ゴーシュー!

コロナ以前に出産した次男のときは夫もいっしょに病院に向かったのだけど、いまは「旦那さんは分娩が近くなってきてからでいいですよ~」とのこと。たぶん「あまり早く来てもらってもすることないし、狭い部屋で邪魔になる」という意味も入っていそうだったので、ひとまず私だけ病院へ。

諸々準備を整えて、そういえば今日までお腹の写真をほとんど撮ってなかったなぁと、LDR(陣痛分娩回復室)の鏡で一枚撮った。人生最後のマタニティ姿だけど、まったく名残惜しくないし、一刻も早くこの重いお腹とおさらばしたい。

お産直前、38週1日

麻酔と陣痛促進剤のルートを取って、準備万端。朝の内診では子宮口5cm。これまでで一番の開きからのスタートで、定刻どおり陣痛誘発剤と抗生剤の点滴を始める。さぁ、ここからどうなる!?

9:30 さっそく若干の圧迫感

陣痛誘発剤を投与しはじめて30分、さっそくじんわりと腰が重い。3~4分間隔で「痛い」というか「不快」な感覚が続く。

ずっと腰が痛いんだけど、それが陣痛なのか、お腹が重いゆえの単なる腰痛なのか判断ができず……。でも、次男のときはこうやって陣痛の進み具合を慎重に見守り、破水したときにようやく一度目の麻酔を入れたらまったく間に合わなかったので、今回は判断つかなくてもどんどん麻酔入れちゃうべきか? とも思う。

安静に暮らしすぎたのか、赤ちゃんは依然として上方待機。赤子の頭が骨盤にはまるくらい降りてきてようやく生まれてくるので、ぜひ降りてきてほしい。「陣痛 進む 赤ちゃん 降りてくる」などと検索し、重力が利用できるあぐらの体勢になる。でも子宮口5cm開いてるし、これは午前中のうちに生まれるまであるな? と期待(フラグ)。

9:55 1回目の麻酔をイン。変化なし

10:30 夫、病院に到着

11:20 2回目の麻酔をイン。変化なし

お産が進んでいる感じはしないものの、モニターの数値的には陣痛は強まっているので、「今度こそ間に合いたい……!」と早めに麻酔を入れはじめる。事情を説明してあったので、病院側も「遅れるのがいやなら入れちゃお!」と優しい。

12時ごろにランチを運んできてくれた助産師さんが「はい、お昼ごはんです~。でも食べないでください」と衝撃の一言。麻酔が効いてくると胃のあたりまでしびれちゃって嘔吐するかもしれないから、あんまり食べないほうがいい、というやつです。

ここでのお産は2回目なのでそのシステムは知ってるけど、それにしても言葉にすると意味不明すぎて笑っちゃったし、言った助産師さんも笑っちゃってた。人生で「食べないでください」ってお膳を差し出されること、ある? どうせそこまで麻酔が効くことはないだろうと思って、おにぎりをちょっと食べました。

13:37 3回目の麻酔イン。腰まわりの感覚がなくなってくる

陣痛は強まってきたようだけど、麻酔のおかげで腰まわりの感覚がにぶっているから、痛くはない。お腹がぱんぱんに張っていて息苦しい、みたいな感じ。赤ちゃんもほんのちょっと下がってきたようで、内側から押されるような感覚も出てくる。

前回はこのあたりでお医者さんがやってきて「あんまり進んでないね、破水しようか」と人工被膜してくださり、そこから唐突にクライマックスが来た。ので「今回も進みはいまいちだけど、次に先生が来たあたりで破水してもらうことになるだろうな~。先生早く来てほしいな~」と余裕をかましていた。

14:10 絶望の宣告

ところが! 様子を見に来てくださった先生が「やっぱり赤ちゃんまだ微妙に上の方にいるから、薬を強めてもう少し様子を見るけど、だめだったら仕切り直して明日にしたほうがいいかもしれません」と!!!

えっ、明日!?!? 「当院の計画無痛分娩は、経産婦さんの9割以上がその日のうちに生まれます」といわれていて、実際に前回は9時スタートの14時半誕生だったのに!?!? 
お産は何があるかわからないと思っていたつもりだったけれど、3人目だし分娩時間が短くなることばっかり想像していたので、まさかの翌日持ち越し可能性に絶望する。

陣痛誘発剤をMAXにして、さらに子宮口をやわらかくする注射をして、様子見。どうなるかわからない、そして自分ではどうすることもできない状況に、夫婦ふたりで無言……。いや、もちろん無事に生まれてきてくれればそれが一番なんだけど、だけど、入院する前からわたしの帰宅を待ちわびている次男は、日にちがズレたら号泣するだろうな……。

15:24 待ちわびた人工被膜

絶望のまま小一時間待ったのち、ふたたび先生があらわれる。体感的にはさっきと何も変わっていないけれど、どうか破水させてほしい……と思いながら内診を受けると、先生から「うん、ちょっと進んでるから、破水しちゃいましょう」の声! やったー!! パチン、じょわ~~、よし、いくぞ!!!

内診中は席を外していた夫に「破水してもらったよ!」と報告すると、あきらめかけていたところでの急展開に「えっ!」といいリアクションをしてくれました。同時に4回目の麻酔も入れてもらい、腰のあたりはほぼ感覚がなくなっていて、無痛分娩への期待も高まる!

15:29 やっぱり痛い!

前回は人工被膜から20分でぐいぐい陣痛が強まり、そこから20分で誕生、というスピード感。今回もそうだろうなと覚悟はしていたけれど、予想どおり、人工被膜から5分でもう痛い。そこそこ麻酔も効いてる感覚があったのに、ちゃんと痛い。あれ、麻酔で8割くらい痛み取れるって話だったけど……今回もそこまで快適なのは無理っぽい。でも、この痛みの加速から考えるに、ゴールは近い。

赤ちゃんも猛スピードで降りてきたようで、いきみの指示が出る。けれど、次男がいきみもせずスルッと生まれてきたため、いきむのは8年ぶり2度目。しかも、痛みをなくすほどじゃなくてもやっぱり麻酔は効いているようで、なんとなく力の入れどころがわかりにくい。普通分娩だった長男のときは痛みとともに体の感覚もクリアだったから手ごたえを持っていきめたのだけど、今回は探り探り。最後のほう、助産師さんから「はぁ~、ん~、ってちょっと力入れてくださいね」と言われたけど、やり方がよくわからなくて「はぁ~……ん~……ん?」と真顔になった。

16:00 娘、誕生

ほら、近かった! 前回よりも展開が遅い気がしたけれど、終わってみれば破水から30分での爆誕。「赤ちゃん」というものの可愛さがよくよくわかっていたからか、上の子たちのときのような「この生命体が私のお腹に入っていたのか」「すごい、生き物だ!」みたいな不思議な気持ちよりも「うわ!! かわいい!!!」という最もプリミティブな感情が押し寄せた。

夫婦でしばし生まれたてベビーとの時間を楽しんだあと、夫は兄弟を迎えにダッシュで帰宅。私は分娩台のうえから長男の学童に電話をして、早退の旨を告げる。この休む間もない感、さすが第三子出産!

かわいいうえに尊い

入院中の痛み

やっぱりそれなりに麻酔は効いていたみたいで、深夜になるまで左太もものしびれが取れきらず、歩行は若干不安定だった。かつ、お産を重ねるごとにひどくなるといわれる後陣痛もなかなかで、入院中は永遠にロキソニン。

出産3日目からは胸がパンパンに張ってきて「はいはい、これね……」という感じ。母子別室でゆったり眠れるはずなのに深夜ふと目が覚めてしまい、ロキソニンを飲んで胸を冷やしたらすっと眠くなってきたときは「あ、わたし痛くて目が覚めたんだ」と気づいた。

そして、一番つらかったのは会陰縫合の傷。裂けたのはちょっとだけだったんだけど、糸が日を追うごとにひきつれていって本当~~~につらかった。退院診察のときなんてもう軽くふれるだけでも痛くて、その一番痛いところを「ギュゥ~~~!!」とつねりあげるような抜糸の瞬間には、思わず声を上げました。お産含め、入院中最大の痛みだった。でも、抜糸すると劇的に楽になるんですよ。長男のときにそれを経験しているから、めっちゃくちゃ痛いのも知ってるけど、抜糸しない選択肢はなかった。ほんと、お産って痛いの産むときだけじゃないんだよね……。(車で迎えに来た夫が、バスタオルで即席ドーナツクッションをつくってくれていて、こちらも経験値を感じました)

とはいえ、出血量も少なく子宮の戻りもスピーディーだったので、これはまぎれもなく安産! 赤子もよく飲みよく出し、とてもすこやかでした。

しかも、次男の担任だった保育園の先生(現在は退職)が、たまたま同じ産院で同じ日に赤ちゃんを産んでいて、入院中も楽しかった。授乳指導やシャワールームで会うたびにおしゃべりしたり、お互いの赤ちゃんを抱っこしたりできてすごくうれしかったんだけど……先生、10歳年下。産後直後からつやつやしてて、末っ子のママ友はこの世代なんだなぁと実感しました。

母、がんばる。

▶第一子の普通分娩記録はこちら
▶第二子の計画無痛分娩(無痛失敗)記録はこちら



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