獲物の分け前〜南佳孝『12LINES+2』
「Guitar Magazine」のティン・パン・アレー特集を読んだり、『摩天楼のヒロイン』の45周年記念盤を聴いたりしていたら、南佳孝さんの「忘れられた夏」のシングル・ヴァージョンをいい音で聴きたくなってしまった私です。
ちなみに「忘れられた夏」のシングル・ヴァージョンは既にCD化されてまして、『夏の終わりに僕は君を失う』という編集盤に収録されました。
このアルバムについての記事を昔書いたのでリンク貼っておきます。
記事を書いている位なんで、CDを持っているわけなんですが、1993年発売なので、私がよく聴いている他のベスト盤に比べると音質的にちょっと違いが目立つんですよね。
しかも何故かベスト盤にはなかなか収録されなかったので、どうしたものか考えていたら、アナログ盤で発売されていた『12LINES』がCD再発されていたことを思い出したわけなんです。
じゃ、行ってみよー。
・南佳孝『12LINES+2』(MHCL-30790/ソニーミュージック)
このアルバム、アナログ盤でCBSソニー時代の作品を初めてまとめたアルバムだったと記憶してます。
『12LINES』という形で発売されてから、あまり間を開けずに『12LINESⅡ』が発売されて、今回CD化されたのは『12LINES』と『12LINESⅡ』と重複している曲と差し替えた曲と差し替えられた曲を同時に収録した形の『コンプリート 12LINES』とでもいうべき作品になるかもしれませんね。、
ちなみに『12LINES』収録で差し替えた曲は「ソバカスのある少女」のソロ・ヴァージョン(元々はティン・パン・アレーで録音され、そちらは南佳孝さんと鈴木茂さんが交互にヴォーカルを取る形でした)と「羅針盤」で、差し替えられた曲は「Marie,Come Back」と「夜間飛行」でした。
コンセプト的にアーバン・サイドとシーサイド・サイドという形でしたし、敢えてアーティスト写真も使っていなかったはずです。
南さんのベスト盤がCDで編集された時、なんで『12LINES』もしくは『12LINESⅡ』をベーシックにした選曲をしないのだ?と憤ったことを思い出しました。
まー、その後のシングル曲にはコンセプトから外れたり、曲順などの点でも実現しなかったのかもしれませんが。
ちなみに南さんにはカセットテープのみの企画で『Shell & Salt』という作品が存在して、そこで初めてラジさんとの「THE TOKYO TASTE」を聴いて感動したのでした。
当時のCBSソニーのミュージックテープと同様のスリムケースに入っていたことと、「THE TOKYO TASTE」がB面の1曲目で、A面は「モンロー・ウォーク」が1曲目だった程度しか記憶にありませんが(あとジャケットに南さんの写真は使われていなかった程度)。
今回、ALDELIGHT CITY POP COLLECTIONの一枚として発売されたわけですが、ライナーには歌詞とミュージシャン・クレジットだけだったのはちょっと不親切かな、と勝手に思ってしまいました。すみません。
予算の問題もあるでしょうし、他に発売される作品とのバランスも考えてのこともあるでしょうし、難しい問題です。
個人的には「忘れられた夏」のシングル・ヴァージョンがいい音で聴けることや、昔なじみの選曲や曲順(若干の違いはありますが)で聴くことができてかなり満足です。
ではまたー。