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全国転勤族の雑多な楽しさ、重大な辛さ

概略

全国転勤を10年弱経験した人間が転勤の良さと"重大な"欠点を説明します

  • 平均2年に1回、累計5か所に転勤しました

  • 経験値を引き換えに失ったものの方が多すぎました

  • やっぱり田舎より都会の方がいいから!人生のチャンスが広がるから!

  • そんな中でも、いまだ手許に残り続けているものは尊いよね

経緯、数えきれない欠点と僅かな利点

10年間、都会からガチ田舎まで5か所ほど渡り歩いてきました。

 22歳、就職活動の結果、僻地含めた全国転勤の会社で働くことになりました。他にいい会社が無かったので消去法でした。条件は悪くなかったので。
 さて、ガチ田舎、僻地のレベルですが、最大でおよそ人口2万人レベルのところに住んでいました。寝ているとカエルの輪唱が聞こえ、カエルが寝床にいたこともあります。県庁所在地まで1時間、都心と呼べる場所までは3時間くらいのレベルです。もちろん田舎レベルの上を見ればキリはないですが、埼玉生まれ東京育ちの私には、十分すぎるほどの田舎でした。
 新卒最初の引越しで、最寄りの駅が徒歩40分だったときには「これが田舎かぁ…」と野焼きの香りや近所のA-COOP、プロパンガスと相まって思いらされたものでした。
 その後、およそ2年に1度転勤を繰り返し、東京に帰ってきたタイミングでご縁があり転勤のない仕事に今は就いています。



色々なものを失いました。都会のありがたみを知りました。

わりと自分のせいでもありますが。

  1. 趣味だったアートやお笑いライブ、創作は見る場所やる場所が無くなりました。地方にもあったかもしれませんが、東京しか知らなかったので。

  2. 人間関係も疎遠になりました。特に学生時代の友人。金夜や土日に突発的にサクッと会うができなくなると、どうしても凄く仲の良い人を除けば縁が切れてしまうものです。それに、自分と違う道を歩んでいる人とはだんだん会話がかみ合わなくなりました。夢追い人とか。誰の金でやっているんだと一人で憎悪していました。

  3. ついでに恋人とも遠距離になって自然に別れました。

  4. 帰り道ちょっとフラリと寄り道する場所はなくなりました。後述しますが、それが病んだ原因かもしれません。

 どれも、自分で関係性をメンテナンスすれば続けられなくはなかったかもしれません。でも、慣れない仕事や生活との両立はできなかったです。 代わりに、金で時間を買うようになりました。金を稼いで、人間関係が疎遠になると金が余るようになり、それを使いたい欲が暴走しました。田舎は酒と博打と女しかないとバカにされますが、やはり悪いものではない。。 
 幸いパチンコはやらなかったです。騒音が苦手なので。ただ、東京に帰るたびに飲み歩いたり、カードゲームやりたくなってMTGの高額フォーマット(初期費用20万円程度)始めたり、無意味に高級ホテル泊まって無意味にデリヘル呼んで…みたいなことはしていました。今考えたら強めの適応障害なんですけど、社会人で自分のお金が手に入ったことへの喜びだと誤認していました。自分じゃあ、わからないもんですね。そう、見知らぬ土地で暮らすってしんどいです基本。

その他転勤で面倒だったこと。

☆引っ越しが多い。当然なんですが、何度やっても梱包や業者との調整、役所への転出入他手続は面倒なものです。慣れません。コツとしては

  • 荷物を増やさないこと→自然にミニマリストになる。

  • (都心の場合)なんとか平日に有給を確保して1日で引っ越しを決める、当てがあれば代理で内見してもらってもいいけど、なるべく自分がいいと思います。

  • 年度末とかはかきいれ時なので、夜分遅くに不動産屋に電話しても案外繋がるから諦めないで頑張ってください。

  • 不動産選びは不退転(ここは譲れない)のポイントを忘れない。1日で3件4件と見ていると頭おかしくなるし、M-1グランプリと一緒で後半の方が良いように見えます。後面倒くさくなるので妥協したくなります。

  • 役所はとりあえず書類さえ積んでいけば何とかなります。無いとどうにもなりません。
    ◎土地に慣れたころに引っ越しになります。単純にさみしいです。
    ◎会社に自分の人生が支配されているような辛さがあります。克己したものだけが上に登れるんでしょうかね。
    ☆出会いのチャンスがマジでないです。あっても遠距離恋愛が見込まれるので不利です。骨を埋めるというのが、難しい。同僚など、それで辞めた者も大勢いました。

本当に出会いが無いんです。信じてください。

あったとしても前述のとおり遠距離恋愛が見込まれるので不利なんです。
人間関係がなかなか固定できなくて…モテないからというのはそりゃそうなんですが、都心部にいないとまず人間がいないから機会も少ないし、自分を気に入ってくれる人に出会う可能性も相対的に減少するんです。
職場…?全国転勤の方はご承知かもしれませんが、特に(相対的に)キラキラした女子は本社やキラキラした職場に集められるんです。
ここで男女論は語りませんが!そうなんです。


良いこともありました。人生経験は豊富になりました。

 自分の行った土地とその周辺には詳しくなりました。東名阪なら美味しい店だいたい案内できます。しばらくの間は。(時代の移り変わりで店が変わるまでは。)
 長距離移動耐性がめっちゃ強くなりました。新幹線でも夜行バスでも、移動の忍耐には自信があります。運転は嫌いなのでやりたくないです。
 地元特有のカルチャーがあることを知り、また日本全体に対する思い入れみたいなのは強くなりました。西日本に行った時には"部落"の概念も初めて知りました。頭では知っていましたが実在するんですね。
 とにかく、経験値は積みました。これは「苦労は買ってでもしろ」が正しければプレシャスな、貴重な経験だとは思います。転勤族といっても2年スパンの転勤族は珍しいと思うので…





おわりに

 

 メリットもありましたが、基本的にはデメリットの方が多かったと思います。可能であれば転勤の少ない、せめてスパンの長い社を選んだ方がいいと思います。田舎で貯めた金なんて数字が増えるだけの価値しかなかった。
結局、東京が一番いいんだから!!!!!多様性が価値なんだから!!!!!

 でも、人間関係を失いまくったといいましたが、逆に転勤を経ても、半分疎遠になりがっていた時期も含めても遊びに来てくれた友人や残っている人間関係、転勤族時代に出会い、転勤への付き添いを容認してくれた家人には感謝しています。それに現地で出会った人たち。正味、多くの人とは既に疎遠ですが、やはり助けられたことは多かったです。
 東京をあげて田舎を下げましたが、それでも、帰り道にふと見上げたときの満天の星空だけは、よかった。あれだけは本当に良かった。誰もいないから気兼ねなく寝間着でも散歩にいけた。ふと思い出す日もあります。


最後にウエストランドが田舎を題材にした漫才でも見てください。
俺は田舎にいたとき、腹抱えて笑ってました。「近所のババアが人の家の田んぼを見るときの角度」が滅茶苦茶好きです。



#わたしのキャリア

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