12/24 ありふれた奇跡の話
クリスマスイブは今年もゆいさんとふたり、我が家でちょっとしたご馳走を食べて過ごすことになっていた。こうして我が家、と思える程に、最初は居候だったこの家が居場所になっていることに気付く。
幸せなことだと思う。
好きな人と一緒に居られる。それ以前に、好きな人が自分のことを好きで居てくれる。感謝してもしきれない。ゆいさんが居てくれなかったら、今の私はなかった。あの日ゆいさんが迎えに来てくれて、本当はすごく嬉しかった。らしくないけどちょっと泣きそうだった。
美味しいと評判のケーキは冷蔵庫で冷やしてある。ゆいさん用にシャンパンも冷やしてある。料理はあたためるだけ。プレゼントは寝室に隠してある。いつゆいさんが帰宅しても完璧だった。
リビングの椅子に腰掛けて、時々時計を眺めながら、大切な人の帰りを待つ。
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