12/14 二人で作るルール
ゆいさんと暮らすことになってすぐのことだった。ふたりでお茶をしながら話しているとごく自然な流れでゆいさんが口にした。
「同居のルールなんだけど、」
「あ、はい。」
私は改まって姿勢を正した。
「そんな改まらないで。でもこういうのは些細なことでも大切だから最初にちゃんとしておかないとなし崩しになっちゃうから」
その通りだと思った。私は住まわせて貰えるだけで御の字だったので家事でもなんでも出来ることはするつもりでいた。が、ゆいさんが手際よく家事の分担やその他諸々を提案してくれた。
「あとはこれ、大事なことね」
「はい」
「お互い他人を連れ込まないこと。」
「了解しました」
「もう、また敬語になってる」
「あ。」
ふふ、と笑ったゆいさんの笑顔になんだかほっとして、私も小さく笑ったのを覚えている。
「ありがとう。」
「こちらこそ。」
そうしてふたりでお礼を言い合って、またたわいもない会話を続けた。
そんなこんなで始まった同居だけれど、その後ゆいさんとお付き合いすることになるのは、また別の話。
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