12/8 夜道は手を繋いで
ふたりで銭湯に行った帰り道だった。家のお風呂の調子が悪く、修理までの数日間銭湯通いをすることになったのだ。
もう日が暮れていて夜道をふたり、アイス片手に歩いていた。
「大きいお風呂っていいよね」
「開放感ある」
「私あれ好き、ぶくぶくするやつ」
「ふふ、子どもみたい」
おかしそうに笑うゆいさんの、濡れた髪を風がさらっていく。アイスを食べ終えて空いた手を、どちらからともなく繋いでいた。
「帰ったらドライヤーしてあげる」
「やった。はるかに乾かしてもらうの好き。」
無邪気に喜ぶゆいさんの笑顔が愛しくて、胸がきゅっとなった。
あと数日、こんな帰り道を繰り返す。それが今はとても楽しみだった。
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