12/12 隣で見る夢
ゆいさんの隣で睡魔に負けてうとうととしていると不意にゆいさんの声が耳に届いた。
「はるか」
とっくに眠っていると思っていた私は驚いて目を開ける。
「ゆいさん?」
名前を呼んでも返事はない。どうやら寝言だったようだ。どんな夢を見ているんだろう。暗さになれた目でぼんやりと見えるゆいさんの寝顔を見つめながらなんだか嬉しさが込み上げてひとり笑顔になってしまった。
夢の中でも一緒に居るなんて、こんなに嬉しいことはない。
眠るゆいさんの頬をそっと手のひらで撫でて柔らかい髪を指で梳く。もぞもぞと体を移動させるとゆいさんの胸元に顔を埋めて背中に手を回した。いつもと逆だけど、今日はそうしたい気分だった。
深く息を吸い込むとゆいさんの匂いがして、私は安心して眠りへと落ちていった。
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