経験楽器による違い?耳のおはなし
わたしの耳あまり良くないです。というのは謙遜でもなんでもなく、本気で言ってることです。
おともだちには歌とか管楽器やってるひとがいますが、そちらの方がよほど正確。なぜそれが起きるのか、と考えたとき、それはわたしがピアノ科出身だからだろうと思えます。
声も管楽器も基本的に単旋律です。和音というものが出せない。それをはっきり覚えたのは、小4の時にフルートのひとと組んで作曲をしたときでした。和音使えないんだ!メロディパートなのに!っていう衝撃。その後自分も中学ではブラスバンド部でホルンやったりしてました。そこでもピアノってほんとに特殊なんだなと思いました。
先日、あるテレビ番組で歌を見たときに考えたのが、その違いでした。
曲がアレンジされ、コーラスが入っていたのです。いつもとは違う曲の雰囲気に「いいなあ! すき!」と素直に思ったのち、どうにかして和声を解析しようとしたんだけど……挫折しました(苦笑)。
ていうのも、わたしの耳だと「ひとつ」に聴こえるんですね。
四声、じゃなくて、1和音、というのかな…これ説明難しいな…
「だれだれがどこそこのパートをここから入った」というものより、「ここのフレーズでは音の厚みがどう変わった」、という方でしか、あまり認識できない、ということかもしれません。
ピアノ科は四声の聴音をかならず学びますが、そのときもわたしはソプラノアルトテノールバスの横で追うよりも、和声ひとつのカタチを捉える方がラクでした。ソプラノとアルトの開きがこう聴こえる、ならば開離だろう、そうではないから密集であろう、というふうに。
そしてその細かくわからないアルトとテノールを聴き分けるときに、単音を探して横移動での音探しをするわけで。
これはやはりピアノが「和音を出す」という特性を持つからではないかと思います。
そういう意味では、わたしの耳はまったく、歌割り分析には向いてないんだよねえ、……ともだちと歌割り分析なんて何度もやっといていまさらいうのもなんなのですが(苦笑)。かぶせとか音の厚みとか音の方向性、倍音の有無とかピッチの狂いはわかるけど、個人個人のところまでは気が回らず、全体としてあの人がどうだった、くらいしかわからないのですよ…
そういう意味では本当におともだちに恵まれているな、と思いますし、その差がとても面白いと考えてます。
そういえば。
「相対音感」「絶対音感」「固定ド」「移動ド」、これらの違いわかるひとってどれほどいるのかしらとも、ふと思ったのでした…わりと人口に膾炙してる単語なのでしょうか?
ちなみにわたしはおそらく生まれつきでは、移動ドの相対音感だと思われます。YAMAHAのグレード試験のときにその音が「根音」であることはわかるのにその音が「ドレミファソラシドのうちのどれか」がわからなかったということや、移調がすこぶる得意なこととかがあります。移調が得意って伴奏者としては良い素材ですね!(自分で言う) 移調ってつまり音をスライドさせるようなもので、同級生はこれがかなり苦手で個人差があるなあと感じてました。
あとはやはりブラスバンドやってたときにこの移動ドがとても役に立ったなあ。ホルンてF管なのでピアノと完全4度差があるのですけど計算は早かったもんなー。
そういう先天的なところに訓練で絶対音感を身につけたハイブリッドだと自覚してます。こういうところももしかしたら、その「音の捉え方」に影響してるのかもしれません。
ということをつらつら語ってみました。人間っておもしろいね!
ちなみにわたし、色調もあるっぽいです。人間ってやっぱおもしろいよ。