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SIRUIのAFレンズ、Sniper 56mm F1.2を使ってみる。
はじめに…
この記事の続きですが、ここからでも問題ありません。
さて、サンタさんにもらったSIRUI Sniper 56mm F1.2、動物園で実戦初登板です。
あ、僕は作例サイトじゃないから、チャートを撮って端の解像がぁ…と見比べる根性ないです。撮ったものを並べて、それに短くコメントしていきますね。
動物園で動物を撮る場合
と偉そうな小見出しですが、もって行ったのが動物園だっただけです。
本体は前編に渡ってZfc、高感度撮影では一部ノイズ処理をかけています。
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レッサーパンダがいるのはそこまで明るくない屋内。結構忙しなく動く彼女を撮るには、大口径レンズの恩恵をたくさん感じます。
AFについてはとりあえず「ふつう」です。ZfcはAFについては結構弱い方の機体ですし、レンズの性能か言いかねるポイントがあるためです。
ご覧の通り、AFを合わせて撮ることは可能ですし、瞳AFも他のレンズと遜色なく認識します。
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外でお馬さん。
絞りを開いたままですが、きちんとフォーカスできていると思います。フリンジが目立つかなと思いましたが、耐えています。周囲は少し流れている様子ですが許容範囲。
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換算84mmの中望遠レンズですので、ボケを活かした結構ドラマチックな表現も可能です。瞳AFが入っていた記憶。
なんというか、明らかにZのガチガチのレンズでは出ない独特の描写感です…これが当たると良いんですよね。この写真なんかは良いカットのひとつです。ちょっと青っぽいですね。収差かな。
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もっと開いてf/2.2、これは色収差でしょうか。羽のところなんかはフリンジ出ているかなと。全体的に青っぽい。
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そこまで絞らずにたぬき。これはパーフリでしょう、かなり目立ちます。
開放f/1.2のレンズで、f/4でもまだ派手に出てくるのは結構使い所を選びそう。
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動物園といったら網や柵をかわす撮影スタイル「網網キャンセル」が必須ですが、そういう時にこのレンズは結構便利ですね。
細かいネットと柵を見えなくして、ハヤブサの凛々しいお顔を頂きましたが、背景や被写体の輪郭には派手な色収差が見えますね。
スナップ撮影の場合
ここからはスナップショットで、このレンズがどんなもんかを確認していきましょう。
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風に揺れる竹を一枚。先の方にフリンジが目立ちます。
f/4はまだ開きすぎという感じ。
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お待ちかねの開放f/1.2、ゆるい!ゆるゆるだ!
でもこれ、オールドレンズの描写ですね?僕がもっているNikkor-H Autoとか、開放はこういう描写しますもん。
ソフトフォーカスレンズとか、ソフトフィルター系が好きな人なら良いんじゃないですか?
明るさを確保する手段としては絶対に使えないけど、これはこれでアリだと思った。
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逆光写真。
そうですねぇ、頑張っているのは伝わりますがおっきなゴーストとフレアで敗北。
作例にはないのですが、このレンズ開放にして後ろに光を入れると盛大にハレーションが出たようになるので、ポトレ撮影とかでは面白いんじゃないかと踏んでいます。
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上のカットからカメラを下に向けて一枚。あえて絞りは開いてみた。
太陽をモロに喰らわなければ大きな破綻はないし、シャドウが青くなりすぎたり、潰れすぎたりすることもなさそう。思ったより好印象。
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これは結構お気に入りのカット。冬の光線と、木の肌の描写力は馬鹿にできないんじゃないでしょうか。f/6.3くらいまで絞ってやると画力が期待できそうです。
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これも色収差が出てくると思いましたが、気になりませんね?いや、よーく見るとあるんですが、このレンズの価格を考えたらそのくらいはいいじゃないですか。
ここからは動物園を飛び出して、田舎町。
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やっぱりf/4はフリンジ祭り。このくらいで使えたら嬉しいけどなぁ。
手前の前の方のボケ味は流れて大味。よくみたら背景も美しくはない。
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駅の改札、シルエット。
これはなかなか素敵な雰囲気。トーンは思ったより良い。白いところはちょっと青かぶりなのか、フリンジなのか。気にしたらもう負け。
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やはり逆光気味だともう少し絞ってやらないとだ。撮影者の頭が悪すぎてf/8とかの作例が見当たらない。もう少し記事を書くことを考えてだな…
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夜の作例も。
暗いので開放のお世話になる。ボケ味は先述の通り良くはない。日本メーカーのレンズなら、SOFTみたいな表記がない限りQC落ちしそうな描写。
何度も言うが、AFがきくオールドレンズの感覚。
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これは強めにノイズ処理をかけているので、ボケ味は嘘っぽいので許して欲しい。
なんで載せたかと言うとこの嘘みたいな立体感を醸しているのはf/1.2のレンズでこそだと思うから。
ノイズ処理をかけて、ちょっとAIチックに絵を崩してあげるのも遊びとしてはありかもしれない。
レンズ所見。
とても褒められた描写ではないが…
このレンズ、描写は大したことないというのが正直なところでしょう。
正確には絞れば良い絵は出るけど、大口径レンズって必要以上に期待するとガッカリするかもしれないと言う感じです。安く買えて、一応f/1.2も繰り出せるレンズ程度に思っていれば、幸せだと思います。
光学性能に褒められた点は特に見当たりません。開放はゆるゆる、条件にもよるけどかなり絞ってあげないとフリンジが止まらない。
だけど写真におけるカメラっていうのは使いようが9割なんですね。だからどこを目指すかによってにはなるけど、有用なレンズとなりうるということも書いておきたい。
開放がゆるゆるで、光も入りたい放題であることを使って人物写真を撮るとハレーションが出たように光が被写体に回って綺麗なんですよ。
モデルがうちのヨーメーさんであるゆえ、作例を上げるのはやめておくけど、こんな表現ができるレンズは(私の手元には)他にないので面白い遊びが出来そう。
イメージとしては〇〇ミストフィルターをかけているような感じ。使ったことないけど、作例を見ているとそれが一番近い。柔らかな光が全体に回ってくる。背景も輪郭を崩して飛ぶので、これも活かせるだろうなと。
AF精度や性能も期待しすぎない。
まず、AFの動作が明らかにおかしい場面はありません。そういうレベルの低い現象は確認できませんでした。また、瞳AFなどの認識機能は動作します。これもZ純正に劣る可能性があるものの、至って普通の動作状況です。
ただ一つ懸念があるとすれば、どうも合焦させた場所がズレてるな?ということが多かったかも。
ニコンのカメラはミラーレスでもレンズのピント調整ができるので、このレンズには少し補正をかけて使用するようにしていますが、詳しく検討したわけでないので今後の課題です。
5万円台の魅力的な価格と、見た目の独自性。
自分でお金を出した訳じゃないけど、5万円台という価格はこの高騰しまくりな現代ではありがたいレンジ。と思って公式サイトをみたら、今4万円台だった…
SniperはAPS-C向けの23mm, 33mm, 56mm(今回使ったやつ)の焦点距離が用意されている。そして色も白とシルバーとブラックの3色展開。カラバリのあるレンズなんて、ニコワンとかPENTAX以来じゃないのか(しらんけど)。あたしのおすすめはシルバーですが、ホワイトはガンダムみたいだし、ブラックも普通の黒じゃなくてちょっとかっこいいよ。
焦点距離は迷いどころだけどライバルの多い換算50mm付近の33mmや、換算35mm付近の23mmを買うよりは、中望遠の56mmがいいんじゃないかなぁとは勝手に思う。
フルサイズ用の50mmのレンズを使えば、75mmで近いじゃんとは思うけど。中望遠って思ったより便利ですよ。
お金がある人はぜひ3本セットで買ってみて欲しい。12万円でケースが付く。私に送ってくれてもいいんですよ。
総合的には満足できるレンズ。
なんだかこき下ろしたように見えてしまっているかもしれないけど、気に入ったカットはありましたでしょうかね。
ニコンのトーンはたっぷり残しながらも、ニコンのレンズでは良い意味でも悪い意味でもなしえないようなトーンを残してくれるこのレンズ、結構気に入ってはいるんですよ。
一番のお気に入りはねぇ…ヤギのカットかな。ドラマチックなんだよ、光を丁寧に選んで丁寧に引き出してあげれば、作品作りでも行けるかもしれません。
あとはね、モノクロも今度はやってみたい。描写がなんか緩いな、ってレンズはコントラストを強めたモノクロにすると良くなることがこれまで多かったのでね、期待できます。
今Zfを持っているので、クロップして使うのを試している最中なので、それもほんの少し期待していてください。
中華メーカーもこれからどんどんAFレンズを出していくんでしょうね。今はまだ「面白いレンズ」って感じですが、これからは実用的なレンズがいっぱい出てくるんでしょう。
最後にサンタさん、どうもありがとうございました。
自分の撮影でも使ってくださいね。