【EDH】キミのテイサ・カルロフは、 ここからはじまる!:新弾感想【ファウンデーションズ】
おはようございます。
「ファウンデーションズ」が2024年11月15日に発売されますので、今回もEDHのテイサ・カルロフを強化・拡張するという視点で注目カードをまとめさせていただきます。
《テイサ・カルロフ/Teysa Karlov》をよく知らないという方は「死亡誘発が追加でもう1回誘発するようになる白黒カラーの統率者」ということのみ押さえておいていただければ問題ありません。
※★1~★5で注目度を付けていますが、完全なる私見ですので悪しからず。
★1が「使えなくもないが他に優先すべきカードがある」
★3が「採用圏内。または有用な汎用カード」
★5が「採用必須級。デッキやコンボの中核となるカード」
くらいのイメージです。
★★☆☆☆:戦乙女の呼び声
天使ではないクリーチャーが死亡するたび、それを天使として戦場に戻すことができるエンチャントです。能力からしても《光明の繁殖蛾/Luminous Broodmoth》や《不浄なる者、ミケウス/Mikaeus, the Unhallowed》が比較対象になってくるでしょう。
これらに共通して、頑強を持つクリーチャーとサクリ台を用意することで無限コンボ(詳しくは無限頑強を調べてください)ができます。コンボを目指すとなると比較的除去されにくいエンチャントであることがこのカードのメリットです。ただ、一度でも墓地に落ちてしまうとリアニメイトする手段はほとんどありません。そういった点ではクリーチャーである光明の繁殖蛾やミケウスに軍配が上がりますね。
総合すると、個人的には光明の繁殖蛾が一番優れていると考えています。ミケウスも悪くありませんが、テイサ・カルロフが人間ですので……。
このカードに惹かれた方は、まずは光明の繁殖蛾を使ってみてください。そして、気に入ったならかさ増しとして採用するのが良いでしょう。
★★★☆☆:過去立たせ
自分の墓地から2マナ以下のクリーチャーをすべてリアニメイトする豪快なソーサリーです。状況によってはこの1枚でサクリ台とダメージソースと致死量のクリーチャー数を揃えて勝つことだってできそうです。もちろん事前の墓地肥やしを頑張る必要がありますが。
明確に《戦列への復帰/Return to the Ranks》よりは強いですが、上位種にはマナ総量にかかわらずすべてのクリーチャーを戦場に戻せる《魂の嵐/Storm of Souls》があります。それに、リアニメイトしたあとに生け贄に捧げる前提であれば、インスタントである《先祖の結集/Rally the Ancestors》が相当強力ですので、このカードと先祖の結集のどちらが好みかで使うカードを決めれば良さそうです。
★★★★☆:ネズミの逆襲
自分の墓地にあるクリーチャーの枚数と同じ数の1/1のクリーチャー・トークンを生成できるカードで、フラッシュバックがついているため墓地肥やしの最中に墓地に落としてしまっても問題ないのが素敵なデザインです。
手札からとフラッシュバックで2回唱えられるため、生成できるクリーチャー・トークンの合計は墓地のクリーチャーの枚数×2です。《想起の拠点/Bastion of Remembrance》などでダメージに変換する場合を考えると、墓地にクリーチャーが10枚あれば、20体のクリーチャー・トークンを生成でき、40点のダメージが出せます。4マナのカードとしてはとんでもない可能性を秘めていますね!そのため、あくまで目安ですがゲーム終盤に墓地のクリーチャーの枚数を10枚以上にできそうなくらいはデッキ内のクリーチャー比率を高くしておきたいです。採用する場合はデッキ構築の段階から注意が必要ですね。
なお、比較対象になりそうなトークン大量生成カードとしては《高まる献身/Increasing Devotion》や《忌むべき者の軍団/Army of the Damned》などがあります。これらはずいぶん重たくなってしまいますがフラッシュバックもついていますし、何より事前準備が必要ないためとても使いやすいはずです。いろいろなカードを試してみるのが良いでしょう。
★★★★★:上流階級の狩人
《魂の収穫者/Harvester of Souls》のリメイクで、コストが軽くなり自らクリーチャーを生け贄に捧げることもできるようになりました。かなり強そうです!
自分のクリーチャーだけでなく対戦相手のクリーチャーが死亡しても誘発するところが優秀で、《呪われた匪賊/Accursed Marauder》のような皆でクリーチャーを生け贄にするカードや、破壊系の全体除去と組み合わせることで強力なシナジーを発揮します。テイサ・カルロフと一緒に出しておけば、対戦相手の《神の怒り/Wrath of God》や《冒涜の行動/Blasphemous Act》を牽制できるかもしれませんね?
また、単純に高打点の飛行クリーチャーでもあるため戦闘においても頼もしいです。プレインズウォーカーを倒したり、対戦相手の飛行クリーチャーの攻撃を牽制したりと、すべてが優秀な吸血鬼です。
間違いなくファウンデーションズの最注目カードですので、1枚は確保しておくことをおすすめします。
★★☆☆☆:九生の使い魔
死亡しても終了ステップの開始時に戻ってきてくれる猫です。各対戦相手のターンの間に生け贄に捧げることで効率よくダメージを稼いだりリソースを伸ばしたりできますが、回数制限があることと1ターンで何度も生け贄に捧げられないことがネックで、使い勝手は思ったより良くない印象です。
各対戦相手のターンに生け贄を用意するという点では《蛇術師/Ophiomancer》が役割としては近いかもしれません。接死を持っていて回数制限がないのが蛇術師、本体が疑似的な破壊耐性を持っていて除去には強いが回数制限があるのが九生の使い魔、という感じです。これはどちらにも良さがあり甲乙つけがたいので実際に使ってみて判断したいところです。
★★★★★:冒涜的布告
戦場に合計で13体以上のクリーチャーがいれば、たった黒1マナで唱えられる全体除去です。条件達成できればかなりお得ですが、5マナで唱えたとしても破壊不能に影響されない全体除去のため十分に優秀です。
裏目は、すでに膨大な数のクリーチャーが並んでしまっている状況では効果が薄いところです。そういった状況では《大群退治/Vanquish the Horde》などの確実に盤面をリセットできるカードのほうが頼もしいですね。
とはいえ、軽く唱えられる全体除去が増えたことは貴重ですし、後記する生け贄に捧げることとシナジーがあるクリーチャーも追加されたため、EDHで黒いデッキを使用しているなら、1枚は確保しておいてまず間違いはないでしょう。
★★★☆☆:寄生の賢者
死亡したときに1/1のクリーチャー・トークンを生成してくれる、よくある1マナ1/1のクリーチャーです。テイサ・カルロフで使用できるものだと、このカードで7種類目でしょうか。(宿命の旅人、追われる証人、駐屯地の猫、這い回る合唱者、巣のシャンブラー、鎖破りの鼠、寄生の賢者)
生成するクリーチャー・トークンが飛行を持っているところが優秀で、7種類のうち《宿命の旅人/Doomed Traveler》とこのカードのみの特徴です。
また、黒いクリーチャー・トークンを生成してくれるのは7種類のうちこのカードのみなので、黒いクリーチャーと相性が良い《オルゾフの御曹子、テイサ/Teysa, Orzhov Scion》とのシナジーを考えると7種類の中では最優先で採用する価値があります。
……ただ、イラストがちょっとキツいと感じる人も多そうですね。芋虫とかは案外平気なのですが、Gとか蠅っぽいのはぞわっとします。
※追記
《恩義ある霊魂/Indebted Spirit》くん、忘れててごめんね。どっちも強いですけど、授与が結構強いので恩義ある霊魂のほうが優先採用かな。
★★☆☆☆:復讐に燃えた血術師
対戦相手1人を対象にするようになった《ズーラポートの殺し屋/Zulaport Cutthroat》です。ダメージの効率は3分の1になってしまうため基本的にはズーラポートの殺し屋などの各対戦相手にダメージを与えられるカードを優先するのが賢明です。
あえてこのカードを使いたいのであれば、対戦相手を対象に取ること……つまり悪事を働くことを活かして《見捨てられた鉱夫/Forsaken Miner》と合わせて採用してみるのが良いでしょう。
あるいは、吸血鬼というところに着目するのもアリですね。最近は優秀な吸血鬼がかなり増えていますので、デッキを吸血鬼で統一して《親切な吸血鬼/Cordial Vampire》などを強く使う構築も面白いかもしれませんね。(そこまでするならテイサ・カルロフじゃなくて良くないか?とか言わないでください)
★★★☆☆:深淵の収穫者
タップするだけで、このターンに墓地に置かれたクリーチャーのコピーを生成できるデーモンです。代わりにそのカードは墓地から追放されるため一度きりになってしまいますが、それでも死亡誘発を持つクリーチャーを0コストでおかわりできるのは面白い挙動です。
それにクリーチャー限定の墓地対策としての役割もこなせるため、立てておくだけでリアニメイト系のデッキへの牽制になりそうです。
ところで、似たような能力を持つカードに《目覚めた潜伏工作員/Activated Sleeper》というカードがあります。(私の記事では何度か紹介していますが)瞬速を持っていて、このターンに墓地に置かれたクリーチャーのコピーとして戦場に出すことができます。こちらは墓地のクリーチャーを追放したりしないためリアニメイトを絡めて何度も利用できますし、瞬速なので(マナを構えておく必要がありますが)不意を突いてプレイすることができます。
EDHでは対戦相手の超強力なクリーチャーを拝借できる機会も多いため、これらのカードはEDHをパーティーゲームとして楽しみたい方にはうってつけのカードかもしれません。
★★★☆☆:極悪なパンダ
極悪なパンダです。
死亡したときにこれのパワー以下のマナ総量、つまり3マナ以下のクリーチャーをリアニメイトできます。ライフを得るたびにマナ総量の大きいクリーチャーをリアニメイトできるようになりますが、そこはテイサ・カルロフの能力で絆魂を与えられたクリーチャー・トークンが活躍してくれるでしょう。
リアニメイト能力を持つクリーチャーが登場したときに考えることはやっぱり無限リアニメイトコンボのことですが、このカードは「熊でもこれでもないクリーチャー」という記載があるためコピーを使ったり目覚めた潜伏工作員を使うことはできません。素直に極悪なパンダ+《霊体の先達/Karmic Guide》+ズーラポートの殺し屋+サクリ台+テイサ・カルロフを揃えてから、
1. パワー5以上の極悪なパンダを生け贄に捧げて霊体の先達をリアニメイト
2. 霊体の先達で極悪なパンダをリアニメイトし霊体の先達は生け贄に捧げる
3. ズーラポートの殺し屋の能力で2回ライフゲインし、極悪なパンダをパワー5まで成長させる(以下、無限ループ)
でいいでしょう。
なんにせよ《屍体洗浄屋/Body Launderer》《ギックスのくぐつ師/Gixian Puppeteer》に続いて4マナに使いやすいリアニメイトクリーチャーが追加されて嬉しいです。イラストもキュートなパンダということで、個人的には積極的にデッキに採用したいお気に入りの一枚です。
★☆☆☆☆:貪欲な護符
1マナ+タップ+クリーチャーを生け贄に捧げることでカードを引けます。いちおう各対戦相手にダメージを与える起動型能力も持っていますが、EDHでは微々たるダメージにしかならないためあまり期待はできません。
レアとアンコモンを比べるのもなんですが、似たような能力のカードを求めるなら《タリアンの日誌/Tarrian's Journal》のほうが起動コストも軽くて優秀です。(どちらもタップ起動&ソーサリータイミング限定ですが)
それにしても、サクリ台とドローソースを兼任できるカードはなかなか増えてくれないですね。《スランの医師、ヨーグモス/Yawgmoth, Thran Physician》と同等とまでは言いませんが、もう少し使いやすいカードをもらえないでしょうか……。
★★★★☆:のたくる幼虫
シンプルな能力を持ったクリーチャーですが、死亡したときに"無条件で"クリーチャー・トークン2体を生成してくれる2マナ以下のクリーチャーは実は初登場なんです。3マナには《債務の聖職者/Ministrant of Obligation》や《末梢の屍道士/Synapse Necromage》がいますが、2マナでこの能力は破格です。
で、これらのクリーチャーの何が強いの?と思われるかもしれませんが、それはテイサ・カルロフが出ている状況で死亡させることで2×2=4体のクリーチャー・トークンを生成でき、本体を合わせて5体分のクリーチャーとしてカウントできるからですね。クリーチャーを5体も供給できるということは、《無慈悲な略奪者/Pitiless Plunderer》と組み合わせれば10個の宝物・トークンを生成できますし、ズーラポートの殺し屋と組み合わせれば各対戦相手に10点のダメージを与えられます!
このようにクリーチャーの死亡誘発能力が倍々に増えていくテイサ・カルロフというデッキにおいて、のたくる幼虫は待望のカードでした。ありがとうございます。
★★★★☆:寄生するもの、フムルス
トークンでないクリーチャーを生け贄に捧げるたび、1/1の昆虫・クリーチャー・トークンを生成してくれます。どのプレイヤーでも構わないため、呪われた匪賊のような皆でクリーチャーを生け贄に捧げるカードを使えば、一度に4体のトークンを生成できますし、新カードの《冒涜的布告/Blasphemous Edict》で全体布告除去すれば、最大で13×4=52体のクリーチャー・トークンを生成できます!(まず起きないでしょうが)
そして、生成した昆虫・クリーチャー・トークンが攻撃するたびに誘発する最後の能力も、"1体以上が攻撃するたび"みたいなケチな書き方ではなく、きちんと攻撃した数のぶんだけ誘発してくれるため、そこそこのダメージとライフゲインが期待できそうです。(テイサ・カルロフによって警戒と絆魂も付くことですし)
★★★☆☆:骨鳴りの王、オゾクス
死亡したときに「絡み骨」という伝説のスケルトンを生成し、それが戦場を離れるとこのカードを墓地から手札に戻すことができるのですが、テイサ・カルロフが出ていると「絡み骨」が2体生成され、レジェンドルールで片方が戦場を離れるため、自動的にこのカードは手札に戻ってきます。
使い回せるスケルトンということで《組み直しの骸骨/Reassembling Skeleton》を思い出させますが、使用感はかなり違って、組み直しの骸骨は直前の対戦相手のターンにマナが余っていたら墓地から戦場に戻しておくといったようなマナを構える展開で重宝するカードで、こちらは自分のターン中にガンガン死亡誘発を誘発させるアグレッシブな展開で切り札になるカードです。ブロックできないため、本当に生け贄要員にしかなりませんが、無慈悲な略奪者が絡めば組み直しの骸骨と同様に無限コンボもできますし、手札を減らさず使えるのはリソース不足になりやすいテイサ・カルロフでは貴重でしょう。今後に期待できるいいカードです。
おわりに
さて、「ファウンデーションズ」の総評ですが、基本セットの系譜ということで、"カードを引く"や"トークンを出す"などの役割がシンプルで分かりやすいカードが多く収録されているようでした。それもあってかインパクトは控えめでした(一つ前がダスクモーンとかいう癖の強いセットだったことも要因)が、上流階級の狩人やのたくる幼虫などの今後長くテイサ・カルロフの定番カードになってくれそうなカードもあり、結構楽しみなセットです。
初心者向けセットということですので、新規プレイヤーの方々にはスタンダードだけでなくEDHにも興味を持ってもらいたいですね。
もし、この記事からテイサ・カルロフに興味を持っていただけたなら、デッキコンセプトや構築について解説した記事がありますので、ぜひご覧ください。
それでは、お疲れ様でした。