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趣味を仕事にする上で大事なこと
最近、友人と話した内容で興味深いことがあったので記録しておきます。
私は制作の人間。相手は制作会社の人事の方。業態も職種も違いますし、仕事上の接点は何もありません。純粋に友人として、出かけることがある仲です。ですが、よく話題に上がるのは「これからの生き方」や「仕事の悩み」など、そういったその時々のナイーブな話題が多いです。
それはお互いに「制作」という分野の中で動いているから、分かり合える部分があるのだと思います。そして、結果的に自分のためになる話も多く、とても良い関係だなと感じています。
面接で私が一番気になる質問
もう時期は過ぎた頃かもしれませんが、「内定」の話題になったときがありました。もちろん具体的な話は何もしないのがマナー。それを踏まえた上で、私が気になったことをぶつけてみました。
「ストレスの解消法を聞くと、
今の子ってどう答えるんですか?」
これは、とても大事なことなんです。私が制作の人間として社会人になったとき、一番の壁はこの「ストレスの行き場」だったのです。私の場合は元々趣味が多く、お酒や美味しいもの食べること、それに音楽という大きな柱があるため、ライブに行けば、大抵のことは切り替えることが出来ます。
ですが、多くの方がこの問題で辞めていく場面を見てきました。直接本人に聞いたことはありませんが、きっと「ストレスの行き場」を失ってしまったのではないか、と今でも思うことがあります。どんな素晴らしいお仕事をされる方でも、うまく処理することが出来なければ、病気にもなってしまう。とても悲しかった。それほど大事なことなのです。
人事が恐る面接での答え方とは?
それらを思い出し、ふと聞いた私の意図を一瞬で理解した相手は、ざっくりと例を教えてくれました。「カラオケで歌うこと」「お酒を呑むこと」「友達と遊ぶこと」などいろんなあるある話が羅列されたあとの一言。
「それって本当なのかなぁ…」
ふと心の声を溢していたことが印象的でした。(世の人事の皆さま、人を見抜くって大変ですね…)
そして友人曰く一番こわい答えが…
「ストレスを感じる人間ではないので、
特別なことは必要ありません。」
最近増えているそうです。私は友人の気持ちをすぐに察しました。
なぜなら、そんなことは絶対にないから。興味や趣味としている分野に「仕事」として社会に貢献する立場となる場合、想定していない事態や、無茶な案件も多々あります。絶対に「ストレスを感じない」なんてことは、この先には一切ありえないのです。
「ストレスを感じない」とは?
これはあくまで私の見解ですが、ストレスを感じないのは「そういう挑戦を今までしてこなかったから」ではないでしょうか。学生までは「自分の歩ける道をただ道なりに歩いてきた」というような方に多い傾向があると経験上思っていて。そうだとすると、無意識のうちに「ストレスを解消する」という行為を自ら実践し、学ぶ機会を失っている可能性が考えられます。これは、大変な機会損失だと私は思います。
たしかに「安全な道」を「安全な速度」で歩けることは大事ですが、想定していない窮地に陥ったときに、どう動くことができるのかというのは、社会に出る上で最も大事なこと。「ストレスを感じない、だから解決策もありません。」という答えは、そこを今まで疎かにしてきました、と言っているようにもとれてしまうことだと思いませんか?
挑戦するということの重要性
じゃあ何が挑戦なの?ということになりますが、なんでもいいのです。自分がやったことのない経験を自ら興味をもってやる。そういうことです。
私の場合は、好きだった音楽を聴くだけでなく「演奏したい!バンドを組みたい!」という気持ちがきっかけとなり、結果的に「楽器を演奏できる」だけでなく「人脈が広がる」「苦手な協調性を高める」「人間の多面性を許容する」などたくさんのことを学ぶことができました。
先輩や後輩とぶつかることもあり、意見の食い違いや、ときに嫌われてしまうこともありました。ですが、そこで間をとったり、ライブの日時に合わせてスケジュールを調整したり、たくさんの努力や工夫ができました。そして、なにより今もこうして音楽を好きでいます。そういったことが挑戦なのではないでしょうか。(毎日noteも挑戦のひとつですよね)
好きなものを「仕事」にするなら
あなたがもし、好きなものを「仕事」にしようとしているなら。「ストレスの行き場」だけは絶対に確保してほしいな、と切実に願っています。私が見てきた苦しい人達のようにならないように、本来の自分を好きでいられる方法を、自分に優しくできる方法を、是非、今からでも見つけてみてください。
その覚悟がないと、せっかく「好き」になったものを「嫌い」になってしまうかもしれません。私はあなたに、そうなって欲しくはないです。
でも、どんなこともやってみないと分かりませんよね。同時進行で探していけばいいのかもしれません。ただ、そういった「ストレスの行き場」を探す時間が取れる間に、動けることをたくさんやってみてほしいです。
「好き」を「好き」のままでいるために
前述した「挑戦」を実践してみることも大事ですが、最初から本当に大好きなものは「仕事にしない」という選択も自分のためになる場合があります。そういう人生を立派に生きている方もたくさんいらっしゃいます!
でも、やりたいという気持ちが少しでもあるのなら、やる前に諦めて欲しくないな、と個人的には思うところも。なので「ストレスの行き場」をうまく作り、社会に揉まれても大事でささやかな「日常」を見失わない生活=自分が主人公の人生を送れるよう、私自身も気をつけようと思ったのでした。読んでくださった方がどうか自分にとって素敵な人生を送れますように。
では、また!
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