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さよなら127日目
小さい頃に、黄色い補助輪のついた、初めての自転車を買った自転車屋が、お店を閉じた。
しばらくの間、おじさんの体調不良で、お店を休んでいて、それがだいぶ続いたあとのこと。
震災の時なんかも、近所の帰れなくなった人のためにかなりの破格で自転車を譲ってあげていた。声をかけると、いつも作業を止めて話し込んだ。本当に人の良いおじちゃん。
そこで買った自転車が、今乗ってるボロボロの赤い折り畳みの自転車。
先日駐輪場に置いて、用事の後に戻ると強風で倒れていた。倒れた時なのか、誰かが踏んでしまったのか、自転車を立てるための大事な金具がボキッと折れてしまっていた。
金属のくせにこんな無茶な折れかたするんだな、という感心はさておき、色々な部分にガタがき始めている。サドルもボロい。チェーンも海風で軋んで、556と仲良し。あと、スカートを巻き込む。
ただ、もうあの自転車屋で買えないことが私の中ではまだ少しだけ悲しくて、買い換えるつもりにはなれない。何よりまだ乗れるし。というより、気づいたことは、自転車の買い方がわからない。変な話だけれど。
そもそも、私が真っ赤な自転車に乗っているところを友人が見ると必ず、「そんな色のものも持つんだ」というようなリアクションがくる。(自転車乗れるんだ、というリアクションは受け付けてない。)
実際に私が欲しかったのはオリーブ色(くすんだグリーン)の少し気取った自転車だったのだけど、おじさんのおすすめ(乗りやすさや耐久性やトータルのコスパ)でこの自転車になった。おじさんの見立ては確かで、もう10年くらい乗ってる。真夜中から50キロ以上走らせてどこまで行けるか試したこともある。
と、この自転車との出会いを思い返しながらふと思ったのは、この自転車を、部品を買い替え買い替えして、最終的にほとんどの部分が、最初の部品ではなくなるとしたら、私はこの自転車を残したり、守ったことになるのかな。
だから、自転車を買い換えたくないというよりも、きっと、少し違う話。
私が忘れたくないものを、きっと今ここに少し記している。というただ、それだけの話。正解はない。間違いも、きっとない。
という、話。
さ、今日のさよならです。
なんのこっちゃという方は下の記事へ。時間のない方にとても雑に説明すると、30歳の誕生日までの135日間(始めた日から)で1日1つのモノとの決別をし、供養がわりにそのモノにまつわる話をここに記していきます。
今日は、これ
(これだけ書いて、手放すものが自転車だったら絶句)
母が着てた、ジャケット。なんかとても良い形。袖の丈もいい。金ボタンは自分との相性があまりしっくりこないけど。
確かセットアップだったけれど、下は虫食いかなんかでダメになってた。
このジャケットはクリーニングに出したら、かなり綺麗に生還したのだけれど、(相当前のものとは思えないくらいパリッとしてる。)私はジャケットを着るくらいの気温になると、ロングで薄手のスプリングコートを必ず着ていて、気づくとジャケットの季節を毎年終えている。
とても着たいのに、ジャケットってなかなか着ることがない。
ジャケットまだお下がりでもらったものもあって、それは、サイズも私にぴったり合わせて、(ちょっと見栄を張ってしまったっぽい。太れない。)セットアップで、秋にきているので、これはさよならしようと思う。
衣装置くスペースとも相談しよう。
では、また明日。
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