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声の響き。
独立一年目。アルバムの制作に、携わってくれた、プロデューサーの髙橋良一さんに、アルバム制作のために音源を聴いてもらった時に言われた言葉がある。
「雰囲気で歌っちゃいけないよ。」
「君の好きな大貫妙子もカレン・カーペンターも、ただ優しく歌ってるんじゃないんだ。ある側面だけを聞いてはいけないんだよ。もっともっと、たくさん声を出して。」
この言葉がこの後2、3年の間自分の歌の成長を支えてくれた。
ライブ中ピッチを一音も外さないなんて当たり前、ニュアンスのせいで、崩れるものはない、全てが、一つのストーリーを確実に届けるためのものでどうでもいい音なんかひとつもない、ということをシンプルに見つめ直して、構築してきた。今も。
そういう自分の声のコントロールをちゃんとできて、初めて心から真に漏れいでる切実さみたいなものが真っ直ぐ届くのかもしれないと思った。そういう次元へ行きたいと思った。
数年の間、あーでもないこうでもない、と録音やライブを繰り返してきて、最近やっと自分自身の声が聞こえるようになってきた気がする。
またすぐにあーでもないこうでもないと唸ってるかも知れないけど。でも、今がきっと今の声に一番だと思う。
明日も、うたうぞ。
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