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ギャラリーのような小さな美術館

小さなギャラリーのような私設美術館をみつけて、移動先ですきま時間に行ってみた。

パッとみた感じギャラリーのような入り口で、「あと2時間20分ですが、いいですか?」チケットを買う前に念押しを受けた。1日、2日、3日チケットがあるのだ。滞在しているなら数日券の方がお得なのだ。
チケット購入の際に、地図を渡してくれて現在地と点在する美術館の場所、夜にはバーになります、など説明を受ける。展示が街に分散していることを初めて知った。

KAMU の入り口


1階は有名なレアンドロ・エルリッヒ『INFINITE STAIRCASE』2020年 KAMU Centerに設置されている。

レアンドロ・エルリッヒ『INFINITE STAIRCASE

「写真でご存じと思います」、と受付でいわれて(なんとここでみられるとは)、と心の中で小躍りした。
2階、3階では初めて出会う世界的な現代アートの作品を扱っている。ギャラリーのようだがここは「美術館」。

モノクロのかっこいいパンフレットに地図がついいてこれを片手に街を歩き始める。 思いがけずの「周遊」。町中の商業ピルの1角にあるので、宝探しをするように地図をみながら、探す。


少し入りにくい扉を(ここでいいのかしら、、、)、とそろそろと扉を開く。
薄暗い入り口を入っていくと、深い森の中に迷い込んだような、ハーブのような良い香りがする。布をくぐりぬけると、薄暗い部屋の中央に天井から巨大なスワッグが展示されていた。香りの源泉はここだった。


心臓の鼓動のような音が響いている。その音とシンクロしようとしている自分がいる。諏訪綾子さんの『TALISMAN in the woods』というインスタレーション作品。香りに引き寄せられます。

次に向かったのは「Black black」というタイトルのついた空間。
地図には、それぞれの場所のgooglemap のQRコードもついている。でも、あえて使わず、街中のビルや商店に目を凝らしながら歩きみつけたのが黒い扉。(いいの?ここ開けてもいいの?) そんなたたづまいでこれは入りにくい。再びの暗闇。光と音が重なり合うインスタレーション。

入りにくさ、街中のそんなに目立つ場所にもない。後から調べてみると、2020年コロナ禍で設立された美術館、クラウドファンディングで構想を発表して資金をあつめわずか半年で設立に漕ぎ着けたという話題の美術館。小さな館を街に1つづつ増やしている。

町には、美術館、歴史博物館、工芸館、文学記念館、小さな文化施設も多数ある中で、まちを周遊しながら宝探しのように分散型の美術館をめぐるってたのしあい。あえて予備知識を入れないでみるのもいい。

現代アートをぎゅっと絞りこみキューレーションしてもらった結果、苦手な現代アートが身近に感じられた。


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