私のLUNA SEA復活祭〜声を聞かせて〜
2022年8月26日。
私は絶対に行きたかった場所、日本武道館にいました。
悲壮な覚悟をもって臨んだGLAND FINALからたった200日ほどで、ステージを360度取り囲む1万人超の観客と、会場全体に溢れる未来への希望を味わうことになるとは思いませんでした。
今日のために生きてきた
2022年1月8日。
LUNA SEAが、2月1日の大阪公演をもって活動休止すると発表された約2週間後。
私はさいたまスーパーアリーナにいました。
翌9日まで続いたGLAND FINALは、本当に素晴らしいライブでした。
特筆すべきは、声帯手術を控えたRYUICHIさんからねぎらってもらった次の一言です。
「今日は来てくれてありがとう。みんな今日のために生きてきたんだよね」
感染対策のため3席に1席の空席が作られた会場で、私は青春をそっと支えてくれた名作『涼宮ハルヒの憂鬱』のワンシーンを思い出していました。
ヒロイン・涼宮ハルヒが小学生の頃野球場に行き、自分は人ごみの中のたった一人であること、その人ごみも日本全体からしたらほんの一掴みであることに気づいたと回顧するシーンです。
ハルヒは自分が特別な人間ではないことを悟るものの、それを打ち消すように「特別な人間」としての自分を貫くための行動を決意します。
一方LUNA SEAのライブに来ていた大人たちは、ハルヒのような葛藤は脱ぎ捨て、それぞれの場所で自分の人生を生きています。
未曾有の事態の中、健康に気を遣い、仕事や家庭の中での役割を果たしながら、ライブに来ることを自分で決断しています。
そんな大人の一人として、見渡す限りの人ごみの一人一人が背負っている人生もLUNA SEAには見えていたことが、心から嬉しかったです。
同じ人ごみの場面から、高校生の頃は「特別でありたい」と願うハルヒに共感し、今は「『私たちの』どこにでもある葛藤と大切な人生」をLUNA SEAとともに感じる。
推しとともに大人になっていくこの人生も悪くないな、と思えた瞬間でした。
RYUICHIさんの言葉ですっかり胸のつかえが取れた私は、心置きなく数年分のLUNA SEAを2日間身体中に浴びました。
次のライブが何年先だろうと、この思い出があれば待っていられる。
ライブがない間もLUNA SEAの一員として私の人生を生きていく。
別れは寂しいけれど、それでもLUNA SEAに出会えて本当によかった。
だから私のことは心配しないで、どうかゆっくり休んで、元気になって帰ってきてほしい……そう心から思っていました。
だって8月に復活するとは思わなかったんですもの。
1月に書いたLUNA SEAへの手紙。この後便箋に書き写してSLAVE(LUNA SEA公式ファンクラブ)にも送りました。
書いていたときは本気だったのですが、この後に心が折れる出来事があって、実は全然頑張れていません(小声)……でもなんとか元気で生きてます。
記念すべき8月26日&27日
今回の「復活祭 -A NEW VOICE-」は、1日ごとにコンセプトが設定されていて、曲目も違うことが公表されていました。
最高の2日間でしたが、私が絶対に書き残しておきたいと思った感想は初日の序盤部分です。
1曲目 WISH
2曲目 PROMISE
3曲目 TWICE←ココ!!!
WISHはアンコールでの定番曲で、私も大好きです。
それをあえて初日の最初に持ってくる「はずし」演出。
私はWISHを聴きにLUNA SEAのライブに行っているところがあるので「LUNA SEAのライブだ!RYUICHIさんが、LUNA SEAが帰ってきた!!」と胸が熱くなりました。
ラストのナンバーじゃなかったけど最高だったよ!!
次のPROMISEは知らない曲でしたが「君に会いたくて早く」というフレーズとRYUICHIさんの楽しそうな踊りが印象的でした。
TWICEも知らない曲だったのに、武道館で初めて聴いたのに、
声を殺して泣きました。
私にとってLUNA SEAのライブは元気をもらいに行く場所なので、こんなに泣くとは思っていませんでした。
「復活祭」の開催発表があった5月29日から、8月26日が本当に楽しみでした。
しかし、私は「活動休止からの復活」という出来事をあまり重く受け止めていないファンでもあると思っていました。
望ましい反応「きゃあ♡こんなに早くLUNA SEAに会えるなんて嬉しい♡」
実際の私の反応「早くないですか?(真顔)」
発表の時もこの調子。
LUNA SEA充電期間中に仲良くなったスレ友さんたちとは、
「結局いつからいつまでが充電期間だったの?」
「全国ツアーのオーラスから次のライブまで半年っていつも通りじゃない?」
「むしろ短いかも」
「(某メンバー)さんは○月以来ブログ書いてないのに、療養中のRYUICHIさんが毎日更新してる」
「療養中って何だっけ」
などなど……LUNA SEAにツッコミを入れまくっていました。
半年なんてあっという間だと笑ってた。
でも違った。RYUICHIさんに、LUNA SEAに会えるのが、こんなに待ち遠しかったんだ!!!
なお、ツイートには「無理!!」とありますが、しばらくしてから「涙を止めて」が叶います。
そうです、7曲目のSHINEです。
少し話が逸れますが、私は中島みゆきさんのファンです。
みゆきさんは「言葉の実験劇場」と称して「夜会」という原作・脚本・作詞・作曲・演出・主演を務める舞台をライフワークとして行っています。
初期の夜会では、劇中歌はすべて既存の曲が使用され、曲の違った側面が浮き彫りにされて大変面白いです。
そんな内容の曲では全然ないのに、掛け声の「HA・HA・HA」を裸踊りのシーンに合わせたり。
ウサギが登場するシーンで「キツネ狩りの歌」を使ったり。
男女間のラブソングが、歌詞はそのままなのに親子愛の歌にしか聴こえなかったり。
「復活祭は夜会だ」と思いました。
既存の曲を再構成して「君に会いたくて早く」「声を聞かせて」をはじめとするLUNA SEAが伝えたいメッセージを歌っていたのだ、と。
そう受け止めると、2日目の最後の曲UP TO YOUもさらに魅力的に感じました。
2日目はアンコールでWISHが披露され「この名残惜しさがLUNA SEAのライブだよなあ」と早々と余韻に浸りかけたところでの激エモ歌詞。
UP TO YOUも知らない曲だったのですが、すぐに好きになりました。
一部引用しようと思いましたが、どのフレーズもあまりにも「これからのLUNA SEA」すぎるので、リンク先で全文ご覧ください。
この頃は作詞作曲LUNA SEA表記じゃなかったんですね。
大いなる愛の物語
今回の会場である日本武道館は、たまたま空いたので確保できたそうですが、結果としてとてもLUNA SEAらしい復活祭になったと思います。
ステージを360度取り囲む観客も、メンバーも、ステージ中央のRYUICHIさんを愛で包み込んでいるのが見てとれました。
この記念すべき日に、会場に足を運んで、RYUICHIさんとLUNA SEAを愛する人たちと時を共に過ごせた奇跡に感謝しました。
リアルライブのいいところは、カメラで撮っている場面以外も見ていられること。そして家を出てから帰るまでの「体験」として自分の五感に刻めることの2つだと思っています。
ステージで輝く美しい星たちだけでなく、星たちがくれたさまざまな感情とともに過ごす人たちを眺める、素晴らしいエンターテインメントでした。
祭りは終わらない
「待つのが祭り」ということわざがあります。
祭り自体より待っている時間の方が楽しいものだ、という意味です。
復活祭は、待っている時間だけでなく、祭り中も、祭りが終わってからも、すべてが楽しい奇跡のお祭りでした。
そして、祭りの思い出を胸に、次の祭りを待ちながら生きる日常もまた祭りです。
復活祭の後も、LUNA SEAの夢と私たちの祭りはまだまだ続きます。
なお、次の祭りの予定はすでに決まっています。
ここからは宣伝です
LUNA SEA「黒服限定GIG 2022 LUNACY」
2022年12月17日(土)・18日(日) さいたまスーパーアリーナで開催決定!
チケット一般発売は11月12日(土)から!
今からの入会でも間に合うソロFC先行もあります。
こちらは私がお世話になっているRKFです。
RYUICHIさん公式ブログでの復活祭述懐。
溢れる想いの熱さに心を揺さぶられながら読んでいたのに、終盤で思いがけず涙が引っ込みました 。
消える魔球を食らった気分でした。
一体どういうことなのか……それはあなたの目で確かめてみてください!
(おしまい)