地方から東大入ったら、格差社会だった。
2018年4月、東北地方のとある高校から一浪して理IIに入学した。春うららかな駒場キャンパス、これから始まる新生活への期待。
「ついに俺は東大に入ったのか!」と胸躍らせながら新学期(東大ではSummerセメスター:Sセメと呼ぶ)を迎えたが、そこに待っていたのは地獄の「格差社会」だった。
・まず、開成・灘・筑駒同士でグループができている。
おい、こっちは地方公立出身だぞ?知り合いなんて一人たりともいねえんだ。グループになってると話しかけられねえだろうが。
付け入る隙も無いとはまさにこのことである。
御三家みたいないわゆる「エリート進学校」の生徒は入学前からだいたいが顔なじみで、皆揃って「勉強する場所が開成から東大に変わっただけだよね」みたいな顔をしている。
入学当時、周りのレベルの高さに小便をちびりかけていた俺は積極的に話しかける勇気などなく、ひたすら目の前を通り過ぎる幾多ものグループの輪に何とか入り込もうとすることしかできなかった。
右往左往しているうちに授業が始まった。初めての授業は「化学熱力学」といういわば理II,III向けの熱力学の授業で、いかにも気怠そうなおじちゃんが担当だった。
当時は「東大で学問ができる」などという青臭い考えに囚われていたこともあり、いかにも難解な数式をいじくり回して理解した気になっては「東大生である自分」を誇らしく思っていたものだった(ただのヤバいやつ)。
ただ、隣の席の奴(たぶん25歳くらい)が数式を板書するたびにハアハア息を荒げるので気持ち悪くなり、3回目くらいから行かなくなった。
さて、入学直後はサークルの新歓と重なっているため、授業終わりに各サークルが新入生を捕まえてめちゃくちゃ勧誘してきた。一緒に回る友人が一人もいなかった俺は、前々からやりたいと思っていたバンドサークルを覗いてみた。
え、なんか女子多くね?
小中高と共学だったので特に抵抗があるとかではなかったが、やたら女子が多い。ヤ○サーかと思って新歓の時に1年生であろう女子に聞いてみた。「東大なのに女子率高めじゃない?」すると彼女はそう答えた。
「私東大じゃなくて○女だよww」
あとでどこからともなく知ったのだが、女子率が低いため学内でほぼ出会いのない東大男子はサークルに女子大を取り込み、出会いの場として機能させていたらしいのだ。
なるほど、学内で出会いの少ない東大男子は「東大ブランド」を遺憾なく発揮して女子大生を捕獲する。女子大生側も日本で最も優秀な頭脳と将来有望な経済力とをコスパ良く獲得できる。
このサークルは事実上の「合コン場」としての役割も持っていたということなのだ。
これだけならどの大学にでもありそうなものであるが、さらに恐ろしい点が二つ。
・東大女子が一人もいない。
これは明らかにおかしい。何十人も女子がいて、東大女子が一人もいないなんて普通ありえるだろうか?(やはりというべきか、2019年あたりに東大女子の入れないサークルが問題化した)
そして二つ目。
・女子の目が異様にギラついている。
これはさすがに不快だった。もちろん全員がそうだったわけではないが、サークルを「優秀なスペックの東大生を刈り取る場」だと考えているらしい一部の者にとって東大男子は「商品」のようなものであり、容姿、コミュ力、気遣い、将来の経済性といったものを会話を通じて見定られている気がしてならなかったのである。
しかも当の本人達は意地でもそういう意図がないかの如く話すので、ますます疑ってしまった。
(そもそも女子大はサークルが少ないこともあり、男子のいる大規模な大学のサークルに入るという話はよく聞く。だが、それだったら早稲田か慶應の方が圧倒的に楽しいし、スペック値の高い男も大勢いるはずである。
「わざわざ」東大に来る意味って何なんだろうと思ってしまうし、やはり東大女子がいない、あるいは極端に少ないことも考えると、やはり「そういう場」としての側面もあるのだろうと思う)
長くなってしまったが、今回は「非有名進学校が東大で遭遇するやりづらさ」と「東大女子差別問題」の一端に触れた。
次回は「授業の闇」について触れていこうと思うので、お楽しみに。
※本文の一切は全て筆者の経験を元に書かれた主観的なものであり、現実と一致するとは限りません。またこの文章を信じたことにより発生するトラブル等について、筆者は一切の責任を負いません。