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コーヒーブレイク③〜東大の必修科目について:その3〜


前回の記事(必修科目・数学編)が予想外に多くのいいね・フォローを頂けた。

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東大理系の鬼門: 物理・化学


さて、本日は東大理科の二大巨塔:「物理・化学」をご紹介する。例の如く、下に私の成績を掲載する。

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理系科目アレルギーの俺にしては、悪くなくない?!



私は典型的な「エセ理系」で、特に数学と物理が大の苦手であった。


入学前も「理数科目で留年したらどうしよう」などと心配しすぎては吐きそうになっていたが、皆様にはこのような不安をなくした状態で入学して欲しいと思っている。


それでは行ってみよう!



鬼門1: 物理学


東大理系の1年生は、Sセメスター(夏学期:4〜7月)に力学を、Aセメスター(秋学期:10〜1月)に電磁気学を学ぶ。


じゃあ、それぞれどんなことを勉強するのか見ていくぞ。


力学A

高校物理の発展系。物理受験の人は力学A、生物受験の人は力学Bという別クラスで受講する。


物体の運動をニュートンの運動方程式:

ma=F

を使って解く、というのは今まで通りだ。ただし、微分積分が当たり前になる。


でも心配しなくていい。数学みたいな難解なことはしない。v=dx/dtのノリ。


立式した微分方程式は解き方が完全に決まっているため、式さえ立てられれば解けたも同然なのだ。まずこの意識を持つこと。


ただし、微分方程式の解き方でいきなり複素数を用いた解法を使うので、最初は戸惑うかも。 (いまだに理解してない


具体的には、


・バネの運動方程式 (減衰振動・強制振動)

・振り子の運動方程式 (極座標)

・万有引力 (角運動量保存則)

・コリオリ力


などを学ぶ。やはり、まずは運動方程式と保存則を立式できるよう練習すること。

その後は、方程式の解き方をマスターする。あとは過去問対策。


これだけで単位は来る。


ちなみに、買わされた参考書はサイエンス社の「演習 力学」。

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大学の力学を体感するのにはいい本だと思う。(たぶん半分も理解してない



では、次に行こう。




電磁気学A

Aセメになると、電磁気学を学ぶ。力学の100倍難しい。落単者が普通に出る。

初めはおなじみクーロンの法則から学ぶが、次第に内容が高度になり、最後はマクスウェル方程式まで学ぶ。マヂむり。


俺は3回くらい講義をサボったら全く理解できなくなってた



具体的には、

・点電荷、線電荷、面電荷の扱い (クーロンの法則、ガウスの法則)

・電場、磁場、エネルギー密度 (アンペールの法則、ビオ・サバールの法則)

・マクスウェル方程式

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(出典:日経クロステック社)

などを学ぶ。本当に、1つも理解できなかった気がする。


ただ講義で出されたレポートだけは友人の答えを写してしっかり提出した。(だから70点も取れたのかなあ...。)



とにかく、テストで爆死しても耐えられるように課題を出せ!!!


ちなみに、参考書としてサイエンス社の「電磁気学」を購入した。

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内容が難しく、1ミリも役に立たなかった。合掌。



ここまで東大生が学ぶ物理学について見てきたが、どのような印象を持たれただろうか?


個人的には、教養でこれだけ詰め込む東大ってやべえという感想しかない。


しかも東大生は皆なんだかんだ言って単位取るから、「俺落単だわ」はマジで信用するな。



さて、次は「化学」いくぞ〜!!!




鬼門2: 化学

東大生が教養で学ぶ化学は次の3つだ。

1年Sセメ:化学熱力学

1年Aセメ:構造化学

2年Sセメ:物性科学

以下、1つずつ見ていこう。



化学熱力学

記念すべき、俺が東大で初めて受けた講義。

担当教員(ハゲジジイ)がめちゃくちゃやる気のないおじさんだったのと、隣の席のやつ(推定25歳)が板書中に喘ぎ声を出すので鬱になりかけた思い出の講義である。


本講義は理科II,III類生が受講するもので、化学寄りの話が多い。


理Iはもっと難しい「熱力学」を受講する。


具体的には、

・現実気体の状態方程式、気体の仕事

・カルノーサイクル、スターリングサイクル

・エンタルピー、エントロピー

・ギブズの自由エネルギー

など。高校の延長もあるが、大学で学ぶ式が使えないと問題は解けないので、勉強しなくてもわかるレベルではない。やはり過去問が大事。


ちなみに、本授業はサイエンス社の「化学熱力学」が指定されていた。

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全然わからんかった。



次。


構造化学

1年生がAセメで受講する。「化学」と言っておきながら、バリバリの量子力学を学ぶ。これは勉強しないと絶対に理解できない。毎年落単者が発生する。


本講義のメイントピックとして、量子力学の基礎方程式である


シュレディンガー方程式

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(出典:http://blog.livedoor.jp/szukiyu/archives/33659207.html)


を学ぶ。これを解くと電子がどういう配置をとるのかわかってスゴい(らしい)。


意味わからん数式を見てるだけで頭良くなった気になる不思議。



原子はミクロの状態では波と粒子の両方の性質を持つ



という事実があるが、そういうのも学ぶ。具体的には、

・電子配置、原子軌道

・シュレディンガー方程式

・パウリの排他律

・ハイゼンベルクの不確定性原理

等を学ぶ。なんかヤバそう。


教科書としては、「量子化学 基礎からのアプローチ」(真船 文隆著、化学同人)がメチャクチャ分かりやすい。

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講義では頭がお花畑だったが、これで理解できたおかげで「優上」をもらえた。これは本当におすすめ。


それでは、ヘッダーにも掲載した過去問を載せて最後の科目に行こう。



問:振動の基底状態がゼロ点振動をする理由を不確定性原理を元に説明せよ。


答えは知りません。すいません。





物性化学

2年生のSセメで学ぶ、教養の座学としては最後の必修科目。

これを落とすと進振りをやり直す(降年)ことになり、負けられない戦いである。


理学部の入門といったテイストの授業で、

様々な物質(主に金属)が「なぜその性質を示すのか」

を掘り下げる。具体的には

・共鳴構造

・分子軌道法

・電子スピン

・酸解離定数

などを学ぶ。

これも勉強しないと普通に落単するが、暗記要素も多いので「勉強して落とす」ことはあまりないだろう。



以上、東大で学ぶ物理・化学について解説した。さすが東大、教養レベルでここまでやるかと思われた方も多いだろう。



俺もそう思う。もうやりたくない。




理系で入る人、くれぐれも頑張ってくれ。日本の科学は君達にかかっている。(何様


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