SNSを始める時に注意したいこと
あまり「あれもダメ」「これもダメ」とは言いたくはない。
やってみて学ぶことも多いし、なるべくトライアンドエラーで進んでいってほしいから。
でもネットでは1回の間違いが長く残ることもあり(デジタルタトゥーなどと言われる)、悪用されたら身の危険もある。
不慣れな子ども・若者につけ込もうとする大人も多いので注意喚起。
心配性の戯言と思ってもらってもOK。
「杞憂だったね」で終われば1番良いのだ。
色々な価値観や考え方があるから絶対ではないけれど、
「私ならこう伝えるだろう」
という内容をまとめた。
ビジネスで利用する事例は想定していないので注意。
※今後、必要に応じて加筆修正する可能性あり
1. スマホ初期設定
◆「写真撮影時の位置特定」機能OFF
たまにONになっている人がいるけど、
「この写真がいつどこで撮影されたか」
という情報を垂れ流しにするのは危険だと思う。
特定しようと思えば色々できそう。OFFが安心。
◆「友達を自動追加」機能OFF
LINE・Facebookなどにある機能。
事前にこの機能をOFFにしないと、スマホに登録されている連絡先に勝手に情報が漏れてしまうらしい。
「全員と絶対オープンに繋がりたい!追加する手間を省きたい!」
という人以外にメリットはほとんどないため、OFFで。
2. アカウント設定
◆メアド・アカウント名に使用しないほうが良いもの
本名・住所・年齢・干支・学校名・出身校・出身地など。
あだ名については迷うところだが……使用しない方が安心ではあるかと。
本人特定やアカウント乗っ取りにつながる可能性があるので。
◆本名・顔出しは避けたい
理由は簡単で、本人の特定につながるから。
特定されてしまうと様々なデメリット・危険性がある。
(怪しい人に付きまとわれたり犯罪に巻き込まれたり……)
「人生を懸ける」「SNSで有名になりたい!」など、危険をものともしない強い希望がある場合以外はオススメしない。
◆パスワードを使い回さない
慣れた人でも、違うサービスに同じパスワードを何度も使いがち。
せめて4パターンくらい作ったり大文字小文字数字を組み合わせたりなど、工夫したい。
紙のメモを家で保管するのが、アナログだけど結局1番安全かも。
3. 投稿に際して
◆「リアルと違って何を言っても大丈夫」ではない
普段の生活では礼儀正しいのに、なぜかネット上ではひどい言動をする人もいる。
でも、ネット上でもリアルでも基本は変わらない。
基本的に、リアルで言えないことは呟いたり載せたりするべきではない。
相手の事情も分からず決めつけたり、偏った方向性に行き過ぎたりも危険。
ネットでは日常よりも自由が利き、余計に
「見たいものしか見ない」
状況に陥りがち。誰にでも当てはまることだけど。
だからこそ、気を付けた方がいい。
◆場所を特定される言動は避ける
地震・雷・火事・事件・その他地域限定のことは載せない。
実は「この地域だけの話題」というのは、意外と色々あるものだ。
頻繁に利用する電車路線・電柱の記載・有名建造物を写す方角など、ヒントはあらゆるところに存在する。
どうしても載せたい場合は、場所や日時をずらしたりぼかしたりする工夫も効果的。
特に、ライブ配信では突発的なことを防ぎづらいので要注意。
◆毎日の生活ルーティンから分かる事情も多い
高校生、大学生、シフト勤務、通勤電車、行きつけの店に行く時間、子の寝かしつけ、習い事の送迎……
人にはそれぞれの習慣がある。
規則正しい生活を送っていたりパターンに沿った行動をしていたりすると、身分や立場を予測できるケースも。
4. 鍵アカなら何しても安心?
◆「鍵アカ」とは
主にTwitter・Instagramなどでに見られる、非公開アカウントのこと。
鍵アカウント、鍵垢などと呼ばれる。
あくまでプライベートでSNSを利用する場合によく使われている。許可した人以外には見られない安心感から、自分や子どもの写真を上げる人も多い。
だが、ここには盲点もある。
◆鍵アカなのに情報がバレるケースとは?
① 鍵アカではないアカウントとの会話から
鍵アカではないアカウントと会話すると、フォロワー以外には相手アカウントの発言しか見えない。しかし相手の発言や話の文脈から、自分の発言が推測される場合もある。
そこから情報を得ることも可能だ。
② 鍵アカではない友人のFacebookから
友人の中には、鍵アカではないアカウントもいるのでは?
その人の交友範囲をFacebookなどを利用して探っていけば、たどり着く場合もある。
③ フォロワーがスクショなどで晒す
フォロワーは100%信用できるか?という話。
私信であるLINEトークのスクショがネット上に晒されるのが当然の時代には、SNSの発信だって「晒される危険性」を考える必要があるだろう。
④ なりすましアカウントにフォローを許してしまう
友人と思ったら別人だった、ということもあるかも?
考えられなくはないかと。
⑤ SNS各社の不具合もあり得る
「非公開にする」というのは、あくまでSNSの運営元の計らいである。
何らかの不具合で公開される可能性もゼロではない。
私はハッカーではないから知らないが、もしかしたら「鍵アカの中身を見る」方法もあるのかもしれない。
5. 周囲の人に伝えておきたいこと
◆「勝手に私の写真をネットにアップしないで」
言っておかないと、気にしない人にバンバンUPされないとも限らない。
イベントの集合写真とか要注意。
◆「勝手にタグ付けしないで」
Instagram・Facebookで「タグ付け」というものがある。
関連する人を紐づける……という感じで使うらしい。
ビジネスでメリットになる場合はともかく、不要なら言っておこう。
◆「勝手に名前を出さないでほしい」
本名やあだ名を、いつもの調子で会話の中で使われてしまうことがある。
相手に悪気はない場合がほとんどなので申し訳ない気もするが、
そこから特定・流出しないとも限らない。
訂正・削除してもらおう。
↑ これ、考えすぎ・心配すぎって思うでしょ?
「こんなこと誰がやるの?言いづらいし、無理だよ」と。
でも、危険かもしれない。
今後も、考えが変わらない限りは自衛していく予定。
6. SNSの種類別の注意事項
【用語】
・ツイート
普通の投稿のこと
・リプ
他のアカウントに対しての発言。鍵アカウントでなければ投げかけた相手以外からも見られる。@の後に相手のアカウント名を入れて作成。
・リツイート(RT)
誰かの投稿を自分のフォロワーにも公開・共有する行為。元のツイートを、多くの人の目に触れさせることができる。
自分のコメントを加えてリツイートすることを引用RTと言う。
【注意事項】
・キャンペーンに注意
「フォロー・RTでプレゼント」というプロモーション施策がよくある。更に前澤友作さんのお金配りがきっかけで「このアカウントをフォロー・該当ツイートのRTで、抽選で〇名様に〇円プレゼント」などというキャンペーンが増えた。
全てが詐欺とは言えないが、参加への危険性は高い。
「この人は金欲しさに何でもしてくれそう」「オトク情報に弱く、細かいことを気にしなさそう」と思われてしまうかも。
やるなとは言わないが、どうしても参加したいなら身元のはっきりしている企業がやっている場合などに限定しよう。
・バズが多い
RT機能がよく使われるため、バズが起こりやすい造りになっている。
有名人に絡まれたりすればすぐに起こり、中には精神を病む人も。
万一不本意にバズったら不運だったと諦め(自分に非がある場合は謝罪が必須)、おさまるまでは通知オフ推奨。
・センシティブ情報
「センシティブな内容を含むツイートを非表示にする」という設定が可能。暴力描写、成人向けコンテンツなどが対象らしいが、そうでない画像もセンシティブとされてしまう場合がある。(結構あるので不可解)
ただ、設定したところで完全にエログロなどを防御することは不可能。ミュートやブロック機能も効果的。
【用語】
・ポスト
通常の投稿のこと。「インスタにポストする」などとも言う。
・ストーリー
上の〇に数秒表示されるもので、24時間経ったら消えてしまう。
「親しい人だけに公開」という設定も可能。
・リール
最大90秒の短い動画投稿。
フォロワー外の人の目に留まりやすいため、フォロワーを増やしやすい。
【注意事項】
・デマが訂正されにくい
引用RT機能がないため、デマが流れても「それがデマだ」と認識することが難しい。
【用語】
・ページ
アカウントと違い、法人・店・病院などの集団が作成するもの。
ページを作るためには、まず個人用アカウントが必要。
【注意事項】
・使っているのは30代以上、ほとんどビジネス用
一時期ビジネスに必須とされるほどの時期があったことから流行ったが、最近はLinkedinやWantedlyなどに押されていて存在感が薄れている。
若者はほぼ利用していないので、わざわざ作る必要はないかも。
・本名でなくても登録可能に?
昔は「本名が必須、少しでも嘘をつくことは許されない」という感じだったが、最近は完全な本名ではなくても登録可能な様子。
アルファベット表記にしたり旧姓を使ったりしている人も多い。
・自己紹介機能は個人情報の塊
かなりプライベートな情報を書く欄がある。
特に書く必要がなければ書かないほうがいいかと。
・つながりが推測しやすい
「共通の友達〇人」と表示される。
そのため、「誰と誰と友達ということは……この人は〇〇高校出身だろう」などという推測が可能。
大学、会社、出身地などの情報を特定しやすい造りになっている。
・「友達まで公開」などの設定を多用すべし
アカウントを作らないといけないなら、何の情報でもとりあえず「友達まで公開」にして試そう。
◆LINE
既に小学生でも始めている子が結構いる。
習い事・学童・留守番などの関係から持たせる親も多いからだ。
(最近はキッズケータイをすっ飛ばしてスマホという家庭が多い)
「SNSはやらせてないけどLINEは許している」場合、
子どもが触る初めての対人コミュニケーションアプリがLINEである。
【注意点】
・複数人の会話がしやすい
グループLINEは便利だが、トラブルも起きやすい。
・文字情報の怖さ
実際に言うのと文字で送るのとでは印象が違うので注意
文章だとそっけなく・冷たく・きつい印象に思われがち。
絵文字やスタンプも便利。
・送り間違いに注意
多くの人と繋がっている場合、送り間違いには要注意。
「メッセージを取り消しました」って結構気になるものなので。
・大切なことは口で言おう
最近は「スクショを撮って他人に晒す」行為が普通にあるため。
・ボイスメッセージも
若者は打つのが面倒でボイスメッセージも送り合うらしい。
7. 危険性・事件の詳細を知ることで防御
◆特定方法を知れば防御できるかも
上(投稿に際して・鍵アカ・Facebookの辺り)に少し書いたように、特定にはやり方があるらしい。
自分だったらどう特定するか?を考えてみるのも良いかもしれない。
(特定できるからと言って実際やるのはオススメしないが)
攻略方法が分かれば、防御方法もおのずと分かるというものだ。
◆他人事と思わず「明日は我が身」
事件を聞くと「かわいそう、不運」とは思うものの
「まさか自分の身に起きることはないだろう」
と錯覚してしまうのではないか?
もちろん確率的には低いかもしれないが、自分が狙われる・事件に巻き込まれる可能性も、ないとは限らない。
なるべく危険から離れられるよう、事件を見聞きしたら「これは良い機会」と思って余計に注意しよう。
◆ネットの情報は玉石混交、リテラシーを高めるには?
良くも悪くもネットの情報は玉石混交。
Googleなどの検索ツールも努力してくれているが、医療の誤情報やエセ科学などのトンデモページも上位に出てくる。
最近は書籍だって信頼に値しない情報もあるくらいだが、ネット上は更にひどいものだ。
「リテラシーを高める方法」
は単純な話ではないので、また改めて書こうと思う。
とりあえず1番重要なのは、何かの情報を見た時に
「本当にそうなのか?」
と一歩引いて考えること。
仲の良い人が言っているから・あの有名人が断言しているから……という時でもすぐ鵜呑みにせず、少しの間(数時間か数日か?)は自分で考えてみると良いかもしれない。
8. まとめ
色々伝えてきたが、1番言いたいのは
「SNSで、子どもや若者に痛い目を見てほしくない」
ということだ。
私は割と長くSNSと付き合っており、比較的色々な事例を知っていると思う。知人友人が炎上したりバズったりすることもあった。
その経験を、せっかくだから誰かに伝えていきたいと思った。
分からないことがあったら、周囲の詳しい人に聞いたりググったりしてほしい。なるべく、見知らぬ人の言葉1つだけに頼らないでほしい。
ただ、私もSNSの達人ではない。
単に少し慣れているだけだ。
そこには注意しながら、文章を受け取ってほしい。