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【数学点描 vol.38 2021年は周期ゼミの大発生年(米国)】

すうがくぶんかの広報担当神戸です。

弊社では講師への研究活動支援を行っています。私もおかげさまで今年は耐量子暗号理論に関して査読付き国際学会での発表を行えました。国内での招待講演も控えており、いろんな形で社会に数学を広め貢献できているなと感じています。

さて、今回の数学点描はいわゆる素数セミと呼ばれるセミの大量発生についてです。

数学点描 vol.38 2021年は周期ゼミの大発生年

[NewsWeek 今年4月以降、米国で数十億匹のセミが発生する]
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/4-144.php


米国では、セミが大量発生する年度があり、それらは周期的にやってきます。一つの周期は13年周期で、もう一つは17年周期です。セミの大発生は結構深刻な問題らしく、だいたいサッカーグラウンドくらいの面積に150万匹のセミが発生するとのことで、その鳴き声は100デシベル以上。騒音で聴覚異常などにつながるなどの問題があるそうです。セミの発生を事前に予測するスマートフォン用のアプリもあるとか。

[cicada safari スマートフォン用セミの発生予測アプリ]
https://cicadasafari.org/


日本の夏でもかなりうるさく感じる時はありますが、かなりうるさい時でも、70-80デシベル程度とのことで、米国と比べるとかわいいものですね。
ところで、セミの大発生は13年と17年の周期を持つのですが、なぜ13年と17年なのかということを説明したのが下に紹介した「素数ゼミの謎」という本です。この本は私が好きな本の中でもTOP5には入る本です。

[吉村仁 素数ゼミの謎]
https://www.amazon.co.jp/dp/4163672303


まぁタイトルから何となく想像できてしまうかもしれませんが、それには13と17が素数であるということが深く関わっているわけです。この本では13年ゼミと17年ゼミがどのようにして現在のような周期的な発生をするようになったのか、数学だけでなく、進化論や、地球環境の歴史など、さまざまな方面から掘り下げています。それでいて解説は平易で、小学校高学年くらいのお子さんでしたら、十分に読める内容だと思います。大人が読んでももちろん面白いです (数ページ衝撃的な写真がありますが・・・)。
米国に住む方々は面白がってばかりはいられないのでしょうが、ぜひ読んでいただきたい1冊です。

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