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カブアンドから学ぶ事業展開とコミュニケーション戦略(前編)
こんにちは!
僕は去年末からカブアンドのユーザーです。
最近、会員ページへのお知らせやキャンペーンを見ていて
「カブアンドの利用に興味ない人でも、月500円払って会員になって、オンラインサロンとして学びの場にするの、アリじゃね…?」
と思ったので、noteに書いてみようと思いました。
ちなみに「カブアンド」というのは、ZOZO創業者 前澤さんの新サービスです。「国民総株主」という構想を掲げ、サービスを使えば使えるほど株がもらえるぜ!という今までにないサービスです。
今回は、そんなカブアンドの本筋とはズレた「オンラインサロンとしての活用」について、ちょっと語ってみます。
と言いつつ
半分…というかほとんどは、自分がカブアンドの事業戦略をどう捉えているか?という思考訓練の記事なので、お暇な方だけご覧下さい笑
※めちゃくちゃ長くなったので、前後半に分ける事にしました!前編(本記事)はカブアンドの現在の事業戦略についてです!
先に結論
「月500円でKABU&プラス会員になり、オンラインサロンとして学ぼう」
それでは、本文いってみましょう!
KABU&プラス会員とは
まず、今回の主題である「オンラインサロン的に使う」の是非を考えるために、KABU&プラス会員について説明しておきます。
カブアンドは、サービスを使うと株がもらえる仕組みです。電気とかガスとか、モバイルキャリアとか。
マイページで、自分が利用しているサービスの利用明細や取得株数(正確には引換券枚数)が確認できたりします。
で、KABU&プラス会員とは何か?
上記のような電気などのサービス利用を前提として、下記3つの特典が受けられる権利購入的な位置付けです。月500円で加入できます。
・「株」が貯まるスピードが通常の2倍になる!
・アンケートに答えるだけで「株」がもらえる!
・前澤社長に意見したり質問できる!
プラス会員向けのアンケートも、基本的にはサービス内容についてです。なので、実態としては「がっつり利用したうえで、更にもらえる株を2倍にしてやろう!」という方が月500円を払ってレバレッジをかける仕組み。という感じです。
以上のように
基本的にプラス会員は、何らかのサービス利用を前提とした仕組みです。
ただ、今回の記事は、サービスを利用するつもりがない人でも「月500円のオンラインサロンって考えたら、安くね?」という話です。
その理由を、まとめてみます。
(が、前半の本記事は主題までいきませんので、そっちが気になる方は後編だけお読み下さい)
カブアンド = 代理店ビジネス
「オンラインサロン的に使う」というのは、言い換えればこうです。
「前澤社長の事業戦略や打ち手を、リアルタイムに最前線で体験し学べる。」
加入して数ヶ月、既にいろいろ勉強になったのと、プラス会員でないと得られない情報が元になっていたりもします。
そのため「月500円のオンラインサロン」と捉えてみました。
要は月500円払って「最前席で、前澤さんからビジネスのお勉強をする」という考え方です。
何が勉強になったの?という概要をこの後編で書いていきますが、正直「基本のキ」みたいな内容だったりします。
「そんなのとっくに身体に染み付いてるわ!」
「てか自分の事業でも、もっと高度な事やっとるし!」
みたいな方は、学びにならないかもしれません…
この前編をざっと読んでみて頂いて「なるほどー!」となる、私のようにビジネス戦闘力低めな方にオススメな話です笑
ではまず、会員としての学びの前に
カブアンドのビジネスモデルを整理してみます。
「ポイント還元じゃなくて、株です。」
と謳っているように、「今ポイントを貯めながら使っている既存サービスから、ひっくり返す」が基本戦略です。
つまり
カブアンドのユーザー獲得の障壁は「サービスの乗り換えコスト」です。ここへの解決策は超シンプルで、前澤社長自身がいろんな動画で語っていますが
「最初は品質に差がないサービスからスタート」
という打ち手をとっています。
電気・ガス・MVNO・ウォーターサーバー…
いわゆる代理店型のビジネスですね。
「他社のサービスを代わりに売りまっせ」というビジネスです。
代理店としてのカブアンドの優位性
で、代理店ビジネスの場合は、
①扱う商材
②自社の営業力
の2点に大きく左右されます。
①については、前述の通り品質に差がないものを選んでいます。つまり、②自社の営業力に全振りして勝負なわけですが…
「今までにない株がもらえるってサービスで、デメリットもないし、どうせ目先のポイント貯めてるなら、一緒に夢を追ってみない?」という、圧倒的な差別化ポイントがあります。
従来、品質に差がない商材での代理店の争いは、「こっちはポイント還元率良いよ!」とか「こっちはこんな特典付くから!」など、いかにサービス以外の部分で訴求するか?でした。
つまり、「株」という今までにない特典を持つカブアンドは、検討段階までいったユーザーに対する、購入インセンティブが激強です。
となると、toCという特性も鑑みたら
検討段階までいくための「認知獲得」が肝になります。つまり、ほぼマーケの勝負ですね。
結果はご存知の通り
CMやweb広告も突っ込みまくりで、前澤社長の資金力でめちゃくちゃマーケ投資している感じに見受けられます。(初期のPayPayみたいな)
ユーザーは「ポイントより株」というフィルタを通過してきているので、離脱の理由は「差は少ないと言いながらも、結局はサービスの品質」になってくるのではないかなーと。
サービス自体の品質差はほぼないため、これはつまり、サポート体制の差とも言えるかもしれません。で、サポートが必要な時は大体「乗り換えから利用開始直後」の面倒でバタバタするタイミングです。
ここを過ぎれば
この手のサービスは、ちょっとやそっとの事では離脱しません。
その「ちょっとやそっと」を超えるために、今まで代理店は前述の「こっちはポイント還元率良いよ!」とか「こっちはこんな特典付くから!」などで勝負していたわけです。
が、これも前述の通り
カブアンドユーザーは、「ポイントより株」というフィルタを通過してきているため、防御がかなり強いはずです。あるとしたら、「やっぱりすぐに使えるポイントにしよ!」と、ユーザーの懐事情が変わった時ぐらいでしょうか。
わざとサポート体制には投資しなかった…?
そんなこんなで、一気に初手でユーザー獲得をしてしまえば、後からバンバン新サービスを発表し、アップセル・クロスセルを狙えます。(どうせ株 = カブアンドの上場に賭けているなら、他も使うか!という心理)
また、離脱ポイントは「切り替え時」であり、ユーザー獲得の波を初期に爆発的に作る事ができれば、批判や離脱も初期に集中します。(そこを乗り越えれば、運営の慣れ的な問題も含め、次第にCSの対応・クレーム系はなだらかになる)
そのため、あえて「むっちゃ手厚いサポート体制で、ユーザー体験を良くする」という整備はしなかったのだと思います。
申込時のサポート体制は、調べて頂ければ分かると思いますが、結構ひどい言われようです。ただ、これはカブアンドに限らず、ローンチからユーザーが爆発的に拡大した場合、どれだけ頑張っても一定のクレーム・早期離脱は不可避です。
「初期マーケに回すお金を、サポート体制の構築にめっちゃ投資しちゃう」という打ち手を取ったとすると…
サポート体制が重要なのは初期の一部だけだし、最初の爆発的なユーザー獲得が重要なので、センターピンを外した「上辺だけの顧客第一主義ぽい施策」を打つ、三流の経営者。
て事になるんだろうなぁ、と勝手に思いました。
今後の展開
そして今月発表されたのが、「クレジットカード」サービス。クレカなんか、まさに質に差がないポイント勝負の領域です。
第一弾で「カブアンドにお金を使って株を貯める」という状況を先に作ってから、「それ、こっちのクレカで払った方がもっと貯まるよ」
という、なんとも王道で美しい事業展開ですね、、、
だいぶ長くなりましたが、話を戻すと
「ポイントからひっくり返す代理店ビジネス」が基本なので、例えば目先の展開はこういうのがありそうです。(規制的な事は調べず、とりあえず思い付きです…)
保険
「保険に入るだけで資産形成」的な。そもそもお守り的商品なので、お守りが夢に化けるなら良さそう
不動産仲介
賃貸なら契約までいけるようなので、住めば住むほど株が貯まる的な
旅行代理店/予約サイト
これもほぼポイントと値段合戦みたいなもの
ハピタスみたいなポイントサイト
これも、まんまポイ活を転換するだけの話
ただ競合の広告をするだけなので、ないかも?
証券会社
上場後に株を現金化する際、必ず証券口座が必要になる
ので、まぁ証券会社は自分たちで作ろうとするでしょう
株を貯めてるんだから、実践で学びながらもっと貯めよう!的な
学習系コンテンツ or コミュニティ
「国民総株主」にいいね!な人は、資本主義や資産形成について学びたい人が多いのでは
ということで
もはや、カブアンドで勝手に予想 & 学習という、ただの思考訓練垂れ流しnoteになってしまいました笑
で、今日のお話は別にプラス会員にならなくても、学べる(勝手に自分で思考訓練できる)内容です。
肝心の、プラス会員でないと学べない事って何なの!?については、後編でまとめてみます!
この記事を最後まで読んで下さった酔狂な方は、次回をお楽しみに!笑
ではまた🔥