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男は何があっても上機嫌でいること
※この小説は2016年に連載を開始したものであり、当時の世相を反映し、絶妙にダサく古臭いと思われるものも散見されます。
それに輪をかけて、百鳥ユウカは痛い女ですので、精読に耐えないものがあるかもしれません。
しかしながら、編集部および著者の見解として、当時の貴重な文化遺産的な側面を評価し、連載当時のまま掲載いたします。
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隆二と別れてから一カ月の月日が流れていた。別れを告げてから一度だけ、「もう一度やり直せないか?」というメールがあったが、「その可能性は1ミクロンもない」と告げてから、隆二が連絡をしてくることはなかった。
「1ミクロンもない」と言い切る私を読者諸兄は薄情な女だと思うだろうか? ……きっと思うだろう。
私だって思う。でも、可能性がないのに思わせぶりな言動はできない、というのが私の決論だ。誠意ともいえる。
これでも付き合っているときは誰もが私を「いい彼女」だと言う。私は相手の真意を懸命に見抜き先回りをするのが得意だった。ゆえに、付き合ってから彼氏が私に向ける愛情は例外なく増幅した。自慢じゃないが付き合ってから振られたことはただの一度もない。口幅ったいがそりゃあそうだろうと思う。
私は好きな男のためにはいつだって一生懸命なのだ。掃除洗濯家事全般はもちろんやる。(自分の部屋に触れてほしくない男もいるだろうが、そういう男とは付き合ったことがない)手料理だって喜んでするし、健気に彼の帰りを待っていたりする。
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