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キャバ嬢からのラインに隠された意図

Mariちゃんたちと別れた後、ユウカは考えていた。

たしかに、Mariちゃんが言ってたことには一理ある。
私はどこかで嫌われるのを恐れていて、そして、人間としてちゃんと面と向かわなきゃと思って、お客さんに接していたところがあった。

でも、夜の世界は違う。

人間として見損なわれるのが嫌で、自分が思う理想像を演じる。
それはきっと不正解ではないんだろうけど、夜の世界で求められるスキルとは全然別ベクトルの話だ。
私は結局、私が思う理想像を押し付けていただけだ。

これじゃあ、以前の私と根本的には何も変わってないことに気が付いた。

やっぱり、ほしい物はほしいし、ほしくない物はほしくない。けして誰でもいいわけじゃなくて、私が好きな人に好きになってほしい。

私は、以前の私を否定しようとしすぎて、また別の迷惑な存在になろうとしていたような気がする。

よし!

決めた!

いまの私に必要なのは、すこし前の小ずるい私。

家のリビングに降りると、アキがちょうどスマホをいじりながら、朝ごはんを食べていた。

「おはよ、ユウカ」

「おはようございます。ねぇ、アキさん聞いてください」

「どうしたの?」

「わたし、この仕事もう少し頑張ってみようと思う」

「はぁ。。うん、がんばってね」

「なんで、そんなに素っ気ないんですか? 私が前向きになったっていうのに」

「なんで? って、この仕事って頑張るものじゃないから。笑
いい? ユウカ、女はだいたい男よりなんぼか賢くできてるの。がんばるんじゃなくて、こなすものなのよ。モテるのは当たり前。女なんだから」

「えー!? そんなことを言えるのはアキさんが美人だからですよ」

「ちがうわよ。見た目なんて金さえかければいくらでも造れる。金をかけなくても化粧すればたいていの女は綺麗になるものよ。そうすれば、男はいくらでも寄ってくる。仕事は頑張るものじゃなくて、うまくやるものよ。うまくやるために努力するの」

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