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業歴16年超の会社は要確認!!今さら聞けない、株券発行会社のすべて!

今回紹介するのは、「株券発行会社」です。

この株券発行会社ですが、最近できた会社で株券を発行するよう定めている会社はほぼ皆無ですが、業歴の長い会社では、未だに株券発行会社になっていることがあります。

今回は、株券発行会社の内容と注意すべき事項などを紹介します。

中小企業の経営者や後継者の方、必見の内容です。


株券発行会社とは何か?

株券発行会社とは、読んで字の如く「株券」を株主へ発行する必要のある会社という事です。

それは、どこを見れば確認できるかですが、会社の全部事項証明書(謄本)に記載されています。

謄本に上記のような記載があれば、株券発行会社です。


株券発行会社と不発行会社の違い

株券発行会社には、以下の対応が必要となります。

  • 定款への記載

  • 株券の発行

  • 株式譲渡時の株券の交付

  • 株券紛失時の対応


株券発行会社はなぜ存在するのか?

冒頭で述べましたが、最近できた会社は株券発行会社ではないのに、なぜ株券発行会社が存在するかというと、平成18年5月に制定された会社法が関係しています。

会社法の規定

会社法では、株式会社は「定款で定めれば」株券を発行してもいいよと言っています(会社法214条)。

このことから、平成18年5月以降は、原則「株券不発行」という事です。

(株券を発行する旨の定款の定め)
第二百十四条 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる

旧商法の規定

では、旧商法の規定はどうなっているのかを見てみます。

◆原則
株式の譲渡制限規定を定款に定めているか否かで取り扱いが異なる

・譲渡制限あり→株主からの発券請求がない限り、株券発行義務なし
・譲渡制限なし→株券の発行義務あり
                      旧商法226条第1項

◆例外
定款に株券を発行しない旨の定め → 株券の不発行を認める
                      旧商法227条第1項

原則として、株式に譲渡制限があるか否かで変わります。

まず、譲渡制限がある場合は、株主から発行の依頼があるまでは、発行しなくてもよくなっています。

一方、譲渡制限がない会社は、株券を発行しなければなりません。

この譲渡制限がある会社について、発行の依頼があるまでは株券を発行しないことから、日頃から株券を発行することがなく、自社が発行会社であることを忘れている可能性がある会社となります。

なので、平成18年5月以前に創業している会社は要注意となります。


なお、譲渡制限については、以下のブログをご参照下さい。



株券発行会社の注意点

では、株券発行会社が株券を発行していない場合、何が問題かですが、それは会社法128条に定められています。

譲渡制限が付してあるか否かにかかわらず、株券発行会社における株式の譲渡には株券の交付が必要となります。

もし、株券の発行前に譲渡をしてしまった場合、最悪のケースでは無効になることも考えられます。

(株券発行会社の株式の譲渡)
第百二十八条 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。

2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない

このため、株主(譲渡人)は、前もって株券が手元にあるかどうかを確認する必要があり、手元にない場合は、発行会社へ株券の発行を請求する必要があります。



株券発行会社から不発行会社になるには?

株券発行会社から不発行会社に変更する場合は、以下のような手続きとなります。

① 株券発行に関する定款の定めの廃止(株主総会の特別決議)
② 公告・株主等への通知
③ 登記申請

以上の手続きとなりますので、弁護士や司法書士へ依頼しましょう。

まとめ

今回は、株券発行会社について、紹介しました。

一番怖いのは、株券発行会社なのに、株券を発行せず、知らずに株式の譲渡をしてしまっている場合です。
名簿上の株主と実際の株主が違うことが考えられ、権利関係をはっきりさせる必要があります。

まずは、自分の会社の現状を把握する所から始めてみましょう。



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